たっくんのボードゲーム日記

No.574
ブードゥープリンス
Voodoo Prince

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約30

ルール難易度 簡単な部類
日本語化 不要


マストフォローのトリックテイクゲームです。


カードが5スート(5色)で、それぞれ0〜15まであります。

※プレイ人数によって使う枚数が違います。
2、3人プレイ:0〜10まで
4人プレイ:12まで
5人プレイ:15まで(全部使う)



良くシャッフルして、以下の枚数ずつ配ります。
2、3、4人プレイ:13枚ずつ
5人プレイ:14枚ずつ

余ったカードは、とりあえずテーブルの脇によけておきます。


切り札(トランプ)のスートを表すカード。


良くシャッフルして1枚めくります。



これで準備完了。

スタートプレイヤーは手札から1枚選んで場に出します。



次のプレイヤーも1枚出しますが、スタートプレイヤーが出したカードと同じスートのカードを持っている場合は、それを出さなければなりません。
 →これを「マストフォロー」と言います。



スタートプレイヤーが出したカードと同じスートのカードを持っていない場合は好きなスートのカードを出すことができます。


こうして全員が1枚ずつ出したら、スタートプレイヤーが出したカードと同じスートで且つ、最も大きい数字のカードを出したプレイヤーが出されたカードを全部集めて自分の前に伏せて置いておきます。
 →これを「トリックを取る」と言います。



しかし、「切り札」で示されているスートのカードが出されている場合は、切り札を出したプレイヤーがトリックを取ります。



トリックを取ったプレイヤーが新しいスタートプレイヤー「リードと言います」になって、上記の手順を繰り返します。


と、ここまでは一般的なマストフォローのトリックテイクのルールそのもの。


このゲームでは、トリックを取れる回数が決まっています。

2人プレイ:7回
3人プレイ:4回
4人プレイ:3回
5人プレイ:3回

プレイ人数ごとに決められた回数のトリックを取ったら、ゲームから一旦抜けます。

この時、自分以外のプレイヤーが取っているトリックの数が点数としてもらえます

例えば、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人プレイで、以下の回数のトリックを取ったとすると

A: 1回
B: 0回
C: 3回
D: 2回

Cさんは3回トリックを取ったので、得点をもらってゲームから一時的に抜けます。
Cさんの点数は、1(Aさんが取っているトリックの数) + 2(Dさんが取っているトリックの数) = 3 点です。

Cさんが抜けた状態でゲーム続行され、以下のようになったら今度は Aさんがゲームから抜けます。

A: 3回
B: 0回
C: 3回(すでに抜けている)
D: 2回

Aさんの点数は、3(Cさんが取っているトリックの数) + 2(Dさんが取っているトリックの数) = 5 点です。


こんな感じで、抜けるのが後になればなるほどもらえる点数が多くなります。

ただし、 一番最後に残ってしまったプレイヤーは、自分が取ったトリックの数だけがもらえる点数です。


全員が点数をもらったら1ラウンド終了で、全5ラウンドの合計点で勝敗を決めます。

2ラウンド目の最初のリードは、直前のラウンドで最後に残ってしまったプレイヤーです。

脇によけて置いたカードも含めて全てのカードを良くシャッフルしてカードを配り直します。
※2ラウンド目以降の最初のリードのプレイヤーは手札を見て、どのスートを切り札のスートとするか決めることができます。


特殊なカード 0は同じスートの一番大きい数字(5人プレイなら15、 4人プレイなら12、 2人か3人プレイなら10)がプレイされている時は、そのスートで最上位のカードになります。 一番大きい数字のカードが出されていない場合は、そのスートで最弱です。 5か7のカードでトリックを取った場合は、トリックを2回取ったものとしてカウントします。 このため、ゲームから一旦抜けるのに必要なトリック数よりも多いトリックを取ることもあります。
Knizia, Reiner

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

ちょっとオリジナリティに欠けるんじゃないか?とすら思ってしまいそうなほどシンプルでありがちな感じのルール。

しかし、、

取ったトリックの数が点数になる、でもそれは自分が取ったトリックじゃなくて他人が取ったトリック。
後になればなるほど点数が高くなる。ただし、最後に残ってしまったらダメ。

これが本当に良く効いてる。

自分が取るトリック数を予想するタイプはどうも物足りなく感じることが多くて、その理由はと言うと目標がそれぞれ違うからだと思う。
例えば、ある人はトリックを一切取らないことを目指す、別の人は3トリック取ることを目指す、となるとあまり他人の目標には関心が向きにくい。
特に利害が完全に一致してしまったりすると、完全に出来レースという場合さえある。

本作は、最後から2番目に抜けるのが一番美味しい。それが全員にとって共通の目標になってるのが良いのかなと思う。
やっぱり、こういう風に全員が同じところを見てる感じが強い方が好きだな。

ゲームの序盤はトリックの押し付け合いをしていたのが、あるところからいかにしてトリックを取るか?という風に真逆のことを目指すことになる。
ルールは最初から最後まで同じなのにゲームとしての性質が劇的に変化するのと、そのタイミングを見極めるのが面白い。

人数は多めが良いと思う、5人ベストかな。
最初にゲームを抜けるのは避けたい、2番目もイマイチかな、3番目あたりからそろそろ抜け時か?と考え始める、最後にならない自信がある(手札)なら4番目を狙ってみる、でも失敗してラストになってしまったら悲惨。
残った2人の争いがクライマックスになって、その結果が天地の差なのでとても緊張感のあるラストになる。

0が15に勝つというのと、5と7で勝つと2トリック分というのも良いアクセントになってる。
「0を持ってるかもしれない」という可能性を考えると15が出しづらかったり、序盤に7が出たりすると積極的に押し付けられたり。


--- 少しだけ不満な点 ---

最初に抜けたプレイヤーか、最後に残ったプレイヤーのどちらかが一番点数が少ないはずなのだけど
どちらかというと、手札運によって成す術なく最初に抜けさせられてしまったプレイヤーの方を救済したいかな。
なので、次のラウンドのスタートプレイヤー(切り札を決める権利)は最初に抜けたプレイヤーにした方が良いかも。

最後まで残ってしまったプレイヤーは、最初に抜けたプレイヤーよりもどうにか出来たチャンスは多いと思うので。


トリテに関しては今のところ 3、4人なら ペッパーボトルインプ 4人なら ハーツ(ブラックレディ) 5人なら本作が良いなー これは名作。 2019/02/04
JohnnyBet



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