たっくんのボードゲーム日記

No.236
ボトルインプ
Bottle Imp

プレイ人数:3 - 4
プレイ時間:約30

ルール難易度 簡単!
日本語化 カードに外国語が書かれているがゲームには関係なし




トリックテイク形式のカードゲームです。



スートは赤、青、黄の3種類で1~37の数字が書かれています。

スートごとに37枚あるわけではなく、全部で37枚。


これがカードの構成表



赤は比較的大きな数字が多く、黄色は小さい数字が多い。
そして青はまんべんなくといったところ。


カードには色々な絵や文字が描かれているのだが


ゲームに関係するのは、あくまで色と数字のみ。

でもなかなか味わい深いタッチの絵なので
一度一通り眺めてみるのもいいかもしれない。


あ、それともう1つ



カードには丸いコインのようなマークが描かれているカードがあり
これが勝利点になる。

数字が大きいカードほど、コインマークも多い傾向がある。

要はトリックを取って集めたカードの、コインマークの合計で勝負が決まるのである。


カードは配り切り。3人プレイなら1人12枚ずつ、4人プレイなら9枚ずつになる。




リードのプレイヤー(最初はディーラーの左隣の人)からカードを1枚ずつプレイします。



赤の26をプレイしたとします。


基本はマストフォロー。
後続のプレイヤーはリードのプレイヤーが出した色と同じ色のカードしかプレイできません。
※その色のカードを持っていない場合は別の色のカードを出してもいい。



リードが出した色に関係なく、最も大きいカードをプレイした人がトリックを取ります。
※ホビージャパンの和訳では「最初に出された色と同じ色で一番大きな数字」と
 なっていますが、これは誤訳のようです


なので、こんな感じで赤の37をプレイすればトリックを取って




プレイされたカードを獲得できる。


コインマークの数は、、
3+6+1+6=16で、16勝利点となる。


とりあえず、これがまず基本。難しいことは無いと思う。

しかし、これだけでは大きな数のカードがたくさん配られたプレイヤーが
著しく有利なゲームになってしまう。


そこで出てくるのが、このボトル。
※現在流通している新版には、このボトルは付属しません。
 代わりにボトルカードが入っています



カードは3人プレイのときは12枚ずつ、4人プレイで9枚ずつ。
でも総数は37枚で、数が合わない。。

実は19のカードだけはスートを持たず、最初から抜いておきます。

で、テーブルの真ん中に表向けて置いておきます。


これは何なのかというと、ボトルの下に置かれたカードの数字より
低いカードをプレイした人が居る場合は、その人がトリックを取れるのである。



たとえばこの場合、通常は最も大きい赤の37をプレイした人がトリックを取れるのだが



ボトルの下に置かれた19よりも小さい、14をプレイした人が居るので


トリックはこの14をプレイしたプレイヤーが取れる。



※19よりも小さいカードをプレイした人が複数居る場合は
 その中で最も大きい数をプレイしたプレイヤーにトリックを取る権利がある
 先の例で、14と16と17がプレイされたなら、トリックを取るのは
 17をプレイしたプレイヤーになる



ただし、こうしてトリックを取ったプレイヤーはボトルも一緒に引き取る。



そして、そのときトリックを取ったカードの上にボトルを置きます。

つまりこの場合、次からは14より小さい数字をプレイした人に
トリックの優先権がある。

という感じで、ボトルの数字がどんどん下がっていく。


全ての手札をプレイしたら1ラウンド終了なのだが
このとき最後までボトルを持っていたプレイヤーは勝利点没収


さらに、一番最初に手札から1人1枚ずつ19のカードの下にカードを伏せて
入れておくのだが、、このカードのコインの合計だけマイナス点を喰らってしまう。




要するに、ボトルを取る覚悟があれば小さい数字のカードでトリックを取れるのだが
最後まで持っていると、水の泡になった上にマイナス点になってしまう。


■ゲームの流れ

①19のカードを除いた36枚を配りきる。

②19のカードはテーブルの中央に置き、その上にボトルを置く

③全員1枚ずつ、手札から1枚選んで伏せて19の下にカードを入れる
 ※前述したように、これが最後までボトルを持っていた人のマイナス点になる

④手札からカードを2枚選んで、1枚ずつ両隣のプレイヤーに伏せて渡す
 (要するにカードを交換する)

⑤ディーラーの左隣のプレイヤーがリードを取る
 (以降はトリックを取ったプレイヤーが次のリードになる)


最初に決めたラウンド数を終えたらゲーム終了。
合計点が最も多いプレイヤーの勝ち。





Cornett, Günter
プレイ記



ルフィくん、相棒と俺の3人プレイ

今回は3ラウンド勝負

さて配牌


んー、黄色の3とか5とかは持ってるとヤバイよな。たぶん。


回ってきたのは黄色の1と12


特にこのエロそうなカップルはヤバイ・・
こいつをどう処理するかだな


ボトルの下に1枚仕込んで、両隣と交換してこんな感じ


やはり、一番右のアイツのヤバさが際立つ


リード(スタートプレイヤー)はルフィくんから


なんといきなり黄色の18。

ラッキー、もうここしかないでしょ。
迷うことなくこのキケンなカップルを処分。


その後もルフィくんがボトルともにトリックを取りまくってくれたので




こちらとしては、超・楽な展開。


ここまで、全てのトリックはルフィくんが獲得しているのだが・・
まあ、あれは十中八九ボトルとともに沈むことになるだろう(笑

あとは青の8さえ切り抜けられれば悠々自適な生活を満喫できる


その前に、青の30がプレイされたのでここはトリックを取りにいく




ルフィくんの獲得したカード


いやー大量だねぇー(笑


第1ラウンドの順当すぎる結果




第2ラウンド お、これは・・




カードドラフト直後。見事、黄色を切ることに成功。




小さい数字が固まっている黄色を1枚も持っていないので
楽勝でボトルを取りにいける




今んとここんな感じ




黄色の18が出てきた。お、コインがいっぱい付いてる!!




これは全力で取りにいく、赤36!



相棒「え、黄色もう無いの?」

俺「無いよー(最初っから)」


赤も無くなった。これでスート関係無しで出し放題だ。




何かを思い詰めるように、黄色の1をリードで出す相棒


ハイ、死亡確定ww


相棒「黄色の1,2,3とか固まって来るんだもん。勝てないよ。。」




さて最終ラウンド。


相棒「誰を狙い撃ちするかは分かってるよね?ww」

くそ、結託してやがる・・


黄色の1と2が回ってきた。なんじゃこりゃ!?


19より大きい黄色は22、25、28の3枚。
このうち28は俺が持ってる。

残りの2枚だが、ボトルの下に仕込まれているとは考えにくい。
相棒かルフィくんか、2人のうちどちらかが
その2枚をガメててくれれば、1を勝負できるのだが・・・

もしその2枚を2人で分け合っていた場合が最悪。

1でボトルを取らされる事態になったらオシマイだ・・


とりあえず、黄色カードの分布状況が知りたい


ボトルと関係ない28で様子を見ることにする。

しかし、これが後々、痛すぎるカウンターパンチになって
返ってくる、悪手になってしまう。


とりあえずトリック(ボトル)は相棒が獲得



結局、有力な情報は得られなかった。


しかし、ここで俺はさらに追い討ちをかけるような悪手を打ってしまう



黄色の15をプレイ。

とにかく黄色に関する情報が欲しかったんですよ。。


残ったヤバすぎる手札。


ここにきて、ようやく最悪な状況に陥っていることに気付く。


リードのルフィくんが黄色の22をプレイ



俺は黄色の7を出すしかない(T_T

やばーい!!


とか思ってる間もなく、黄色の2を吐き出させられる



死亡フラグ立ちました(泣


大量のカードともに沈んだ




第2ラウンド、第3ラウンドでともに高得点を叩き出したルフィくんの勝ち



うーむ。

勝ち目が無いと思ったら、最初からボトル引き取る覚悟でトリック取りまくって
高得点のカードを他のプレイヤーに渡さないってのもアリだったかもな。



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

とりあえず今までやったトリックテイクの中では、これが一番好き。

ボトルの数字より大きいカードだけに出来てしまうと
緊張の糸が解けてしまうのだが、最初にカードドラフトが
あるため、小さいカードが1枚も無いなどということは
まずありえないように出来てるのが、地味に素晴らしい。

エロカップル(黄1)とかイッチャッテるおじさん(黄3)とかは
基本的にババ抜きで言うところのババでしか無いし
高い数字のカードは基本的に有利だしで、カードの強弱そのものには
かなりのアンバランスさを感じるのだが、前述したように
カードドラフトと、ボトルの下に最初に任意のカードを仕込めることによって
見事に緩和され、それなりにバランスが取られているところが良い。

取れる戦術の幅も意外と広そうな感じ。

手札によっては、得点カードを他のプレイヤーに渡さないつもりで
ボトルを引き取りまくるというのも戦術としてはアリなのかもしれない。

ハーツみたいに、ボトルと全てのトリックを取ったら逆に高得点がもらえるとか
そういうルールがあっても良かったかもしれない。

ボトルを引き取らされる人が「決まって」しまったあとは、若干消化試合っぽい
部分が気になるといえば気になるのだが、そういうシステムとしての粗っぽさも
また良い味になってるのかもしれない。

なんつーか、お上品な会席料理というよりは激ウマB級グルメみたいなゲーム。

少なくともボトルがどこに行くか決まるまでは、緻密な計算とヨミ、緊張感の連続で
言うまでも無くとても面白い。すごく痺れる。

"ボトル"というカギに常にスポットライトが当たるので、焦点がブレないところがすごくいい。
そしてその1つのカギに向かって様々な戦略や思惑が交錯する。

「順番にカードを出す」や「マストフォロー」というトリックテイクの
特徴的なルールの良さが存分に感じられる作品だと思う。

というより、そういうルールの本当の面白さを初めて知ったような気分だ。

できれば3人より4人の方がいいかな、というより5人プレイに対応してくれれば尚良かったかな。
カードを任意で1枚抜いて35枚にすればできなくないかなとも思うのだが。

これはトリックテイク嫌いな人も1度はプレイしてみる価値ありますよ。。

2011/11/03


JohnnyBet



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