たっくんのボードゲーム日記

No.298
クランス
Clans

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約45

ルール難易度 簡単な部類に入る
日本語化 不要


5色×12個の家コマに対応するタイルが5枚



でもこのゲームのプレイ人数は、2~

これらのコマとタイルはプレイ人数に関わらず全部使います。

ざっくり言うと、このゲームはアンダーカバー等と同じく正体隠匿系のゲームです。

なのでゲームの最初にタイルを1枚受け取りますが




他のプレイヤーに見られないように伏せておきます


なるべく目立たないようにバレないように、自分の色が最も高得点になるように目指します。


さてボード全景


5種類の地形が描かれています


湖からは川が出ています


川(と湖)で区切られたエリアは12個あって、ぞれぞれのエリアに家コマを
各色1つずつ5個セットで置いていきます




1つのエリアは5つの地形で構成されているので




コマを適当に各地形に分けていきます



こんな感じ


湖にコマは置けません


手番ではこれらの家コマを動かして「村」をつくると得点になるのだが


こんな感じで、隣接する地形がすべて空白になったコマのカタマリが村となります。
ちなみに、コマ1つでも村になれます。

このとき、村に含まれるコマの合計が得点になる

上記の場合は合計6個なので、赤と青と黄は6点ずつチャートを進めます


村にその色のコマがいくつ含まれているかとかは関係なくて
1つでも入っていれば一律でもらえます。


ただし、1つの村に5色全てそろってしまった場合は戦いになって
1つしかない色のコマは得点計算の前に除外されてしまいます


なのでこの場合、得点を得るのは赤だけ3点ということになる。


手番でできることは1つだけ


マス(地形)を1つ選んで

そこにあるコマを全て隣接するマスに移動させる。これだけ。



なので2つ置かれている場所から移動させるなら



必ずまとめて動かします




もう1つルールがあって、空白のマスには移動できない


そんな感じで、手番ではコマを動かして村ができれば得点計算をしていくのだが



ボードの右端には、こんなチャートが描かれています。


茶色い丸は得点チャート。


中央に並べられている黄色いチップは、村を作るともらえます


このチップは1枚で1勝利点になります。


さらに、チップの列の両脇には地形が描かれています。


地形には有利・不利というのがあって
村を作ったとき、そこが有利な地形の場合は追加のポイントが入ります。

最初は有利な地形は森林で追加ポイントは1点

たとえば、こんな感じで黒と青1つずつで森林に村ができたとすると


黒と青は、コマの合計+ボーナスで合計3点ずつチャートを進めます。


逆に不利な地形に村が出来た場合、ポイントチャートは一切進めない
村を完成させたプレイヤーが黄色のチップをもらうだけになる。


チップが取られていくと


有利・不利の地形及び追加ポイントが変わっていきます。



最後は全ての地形が有利な地形になり、追加ポイントも5と大きい。


このチップが取られたら(村が12個できたら)ゲーム終了



各自タイルを公開して、自分の色のコマのポイントと手持ちの黄色チップの数を足します。



合計点の最も多いプレイヤーの勝ち





Colovini, Leo
プレイ記

相棒と対戦。俺の色は・・・


赤か なんかいつぞやのときも赤だったような気がするなぁ

とか思っていた。


とにかく序盤は絶対にバレないようにしなければ


とは言うものの、そんなに簡単にはバレる感じのシステムでもなさそうだけど。


初手から長考する相棒


いやいや、そんなに考えてもしょうがないっしょ^^;

俺「まあ、たくさん集まってるところに1個だけ自分のコマが入るようにすると効率良いわけよ」

俺「けど、あんまりあからさまにやるとバレるけどね」

相棒「そうだよね」


というわけで、集団の中に自分の色(赤)は紛れこませておくけれど




赤を多少固めておいて、あまり目立たないようにしておく




ちょっとまずいな、ちょっと左上の方が手薄になってきてる




これはさすがにほっておくわけにはいかず


バレるリスクを少々覚悟で赤を送り込んでおく


その後


とりあえず、消去法で相棒がどの色なのか絞り込みを急ぐことにする


注目は写真左下の黒い家。

もし相棒が黒なら左上の集団に黒を送り込んでおきたいはずだ。
全色そろってしまうので戦いになり、結局負けてしまうけれど
黒だけ得点できない状況は避けたいはず


しかし、、結果は悠長にこんなところを動かしてきた


なるほど、こりゃ黒は無いな

残りは黄色か緑か青か



初めての村が完成


しかし

俺「全色揃っちゃったから戦いで」

相棒「全部1個ずつだから、どれも得点ナシ?」

俺「そだね」

うーむ、てことは相棒は青なのか?

あ、でも分断したかったって可能性もあるか


とにかく赤が入ってないでかい村を作られてはたまらんので


俺「最初は山岳は不利な地形だから全部0点ね」


そうしつつ、勝利点1を確保と




黒じゃなさそうなところまでは断定して良さそうなので


次に黄色にターゲットを絞って分離してみる


さらに黄色同士をくっつけてみる


顔色も含めて相棒の反応を窺うのだが

あまり目立った動揺は確認出来ず

うーん、どうも黄色も違うらしい


相棒が初めて得点が動く村を完成させた


む、緑が1個しか入っていない

黄色じゃないとすると、これは怪しい

「緑1個で効率的♪」とか、いかにも考えていそうな雰囲気であるな


俺「黒以外7点ずつだね」




一応念のため、もう1回だけ黄色をくっつけて反応を見る


反応ナシ

じゃ、相棒は緑で確定でいいかなぁ?


あ、あそこやばい。戦いになったら赤が除外されてしまう


山岳が不利な地形のうちに村にしてしまえ


黒はさすがに無さそうだけど、青の可能性はまだ残ってそうなので


もし青だった場合、有利な地形の状態で得点させてしまうのはマズイ



今のところこんな状況




ここからはもうどんどん緑を分離していくことにする


相棒「マズイなぁ・・」

やはり。

これはもう、やっぱり緑で決定だな

推測が確信に変わった


相棒の手番。


相棒「青移動する」

ん?


俺「じゃこれで、村同時に2つ完成」


相棒「あ、うまいなぁ。じゃあチップ2枚獲得?」

俺「そうw」

もちろん、赤の入ってるグループの方に動かす。


今のところ山岳有利で草原不利


しかし、もうすぐ森林が不利になるな


ここは草原が不利なうちに潰しておきたいけど




こっちは山岳有利なうちに完成させたい


というか、森林が不利にならないうちにというか

しばし考える


やっぱりここは、こっちを完成させといた方が良さそうかな


相棒にとってかなり痛いはず


俺の赤がトップ


もうそろそろ俺もあからさまにやってるので
俺の色もバレてることだろう。

ここから先は詰め将棋だな


ここもちょっとポイントになりそうな感じ


緑ナシで4つのグループを形成しつつある


相棒の1手は


やっぱり、緑を孤立させたくなかったんだな


それならこれでまた緑抜きの村完成




そろそろ大詰め




ステップが不利なうちに、赤が入ってないここを完成させておく


あとは睨み合いの状態なので、相棒の出方次第


相棒は、ここのトライアングルをいじってきた




それならこれで完成させて


俺「得点は赤と黄色と黒だけね」


チップも7個確保




俺「じゃこれで終了」



俺「せーの」

俺「どん!」


俺&相棒「あーーー」

相棒「赤だったの??」

俺「え、マジ?黄色だったの?」

俺「もうずっと緑だと思ってた」

相棒「青か緑が怪しいと思ってた」

俺「最初のほうで、黄色を固めたりしてカマかけてたんだけど」

相棒「あー、バレたかなって思ってたんだけど」

相棒「でもそれで慌てると本当にバレるでしょ?」

俺「なんだ、そうだったのか」



ま、とりあえず勝てました


ハッキリ言って運が良かっただけだけど^^;

正体見破れなかったし



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

こりゃすごい、傑作だね!文句無く

一応カテゴリ的には「正体隠匿系」に分類されるかなと思うんだけど
それ以外にも、陣取りっぽい要素なんかもあってものすごい思考の密度が高い。

これ、ベースのシステムはレーベンヘルツ級の完成度だと思う。
それくらい良く出来てる。

論理的思考を要求される部分と、ブラフや読みの要素のバランスが実にいい。
運の要素はほとんど無いんだけど何となく麻雀みたいな頭の使い方してるような気がした。

ルールもコンポーネントも非常にシンプルで極めて洗練されてる。

終了後、相棒と薔薇の名前とどっちが好きか?という話をしばらくしていたのだけれど
雰囲気やテーマ性、コンポーネントなんかではあちらに軍配が上がるかなといったところなのだが
ゲームとしての完成度は間違いなくこっちの方が上だと思う。

あそこはこう考えていたとか、感想戦でもいろいろ話が盛り上がってました。
こんなゲーム久しぶり。

そうだなぁ、アンダーカバープラス俺の魚っていう表現もできそう。
どこで分断するかとか考えるのは俺の魚っぽい雰囲気がある。


これ是非続編を作って欲しいなぁ。発売からかなり時間が経っちゃってるけど。
もうちょっと起伏のあるマップとか、有利な地形と不利な地形をランダムで入れ替えられるようにするとか。

既に十分すぎるくらい洗練されてるんだけど、それでもまだ改良できそうな余地はありそう。

あと強いて言えば、ちょっとだけセットアップが面倒かな?
最初にコマをボードに並べるのがねー。

普通の出来のゲームなら気にならないんだけど、全体的にこれだけ良く出来てると
そういう細かいところまで気になってしまう。。

ついでに言うと、正体隠匿系ゲームって基本的に人数多い方が良いことが多いと思うのだけれど
このゲームの場合は間違いなく少人数向き。というか2人プレイ向きだと思う。
かなりアブストラクトに近いからかもしれない。

でもブラフや読みの要素もあるので、アブストラクト特有のシビアさを見事に緩和できてる感じ。

素晴らしすぎる。


2012/07/13


JohnnyBet



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