たっくんのボードゲーム日記

No.272
カルカソンヌ メイフラワー号
Carcassonne Mayflower

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約60

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




イギリス本国で迫害を受けたピューリタン(キリスト教プロテスタント・カルバン派内のグループ)
の一部の人々は、祖国での弾圧から逃れるためにメイフラワー号に乗ってアメリカ大陸を目指しました。

アメリカ大陸の東海岸から西へ向かって開拓していきます。

そんなテーマのカルカソンヌです。


しかし、基本ルールは本家カルカソンヌとほぼ同じ。


タイルのデザインは若干違うものの、街や道などは基本的に同じです。




このタイルは「農場」と言います。でも使い方は、本家の「教会」とまったく同じ


周囲8タイルが埋まったら得点になります。


街のタイルにときどき付いているイギリスの国旗は、本家でいうところの「紋章」


効果も全く同じで、紋章1つにつき2点もらえます。


道には「交易所」が付いている場合があります。


これは紋章の道版みたいなもので、道が完成したとき
交易所は1つにつき2点追加でもらえます。


タイルによっては動物が描かれているものがあります。


草原の得点ルールが変更になっていて
今回草原から得られる得点は、街の数ではなく

その草原に居る動物1匹につき1点


ミープルのデザインも変更になっています。



ちなみに

街に置かれたミープル  →  保安官
道に置かれたミープル  →  盗賊
農場(教会)に置かれたミープル  →  農夫
草原に置かれたミープル  →  猟師
という感じで、名前が付いています。ゲームに直接関係は無いんだけど・・ さて今回一番、目を引くコンポーネントのボードです。 得点盤兼スタートタイルとなっていて、場所はアメリカの東海岸です。 開拓時代のニューヨーク 初めから2タイル分の街なので、もう1タイルで閉じることができれば いきなり6点もらえます。(あと測量士ボーナスというのもあるのだが、それは後述) これがその測量士2人。 全員で共通のコマで、ルールとしてはこれが一番の変更点かな。 測量士はゲームの最初は、ボードの上下両端に1つずつ置かれます。 今までのカルカソンヌでは、街や道が完成したら得点を付けて手番終了だったが 今回は、得点計算が発生したら測量士を1列(1タイル分)、西へ移動させます。 ここで、「列」という概念についてちょっと補足しておくと こんな感じ 測量士の移動は、あくまで1列動かすのであって 南北(上下)の位置は関係がありません
■その他の測量士移動に関するルール ・2つの測量士のうち、西から遠い方を動かさなければならない  (※なので、2人の測量士は2列以上離れることはない) ・西にそれ以上タイルが無い場合は測量士は移動しない ・1枚のタイルを置くことで、2箇所以上の得点計算が発生する場合は  手番プレイヤーが任意の順番で得点計算と測量士の移動を行える
■測量士の効果 さて測量士はどんな効果をもたらすのかであるが、2つあって まず得点計算が発生したとき、その場所の自分のコマと同じ列に測量士が居ると 測量士1人につき追加で4点もらえます そして得点計算後、2人の測量士より東に置かれているコマは 取り除かれてしまいます ※ただし、猟師(草原に置かれたコマ)だけは残り続けます。 ■測量士の移動と得点計算の例 たとえば、こんな感じになってるところに タイルを埋めたとすると、緑のコマが所有する街と道2本が同時に完成します。 ここで、得点計算と測量士の移動順は手番プレイヤーが決められるので まあ、手番プレイヤーが緑のプレイヤーだったとすると なるべく得点が多くなるようにしたいわけで まず、②の道を完成させます この道はタイル3枚なので3点+測量士ボーナス4点×2 = 11点 そして得点計算をしたので測量士を1つ西へ動かします 次に、③の道を得点計算することにします この道は、先ほどと同じくタイル3枚でまず3点 そして測量士は1つなので+4点で計7点となる 得点計算が発生したのでまた測量士を移動させます このときは、写真下の測量士を動かさなければなりません そして、最後に街の得点計算をすることにします。 測量士が2人同じ列に居るのでボーナスは4点×2=8点となる で、得点計算が発生したのでさらに測量士を西へ1列動かします ※このときは2人の測量士が同じ列に居るので、どちらを動かしてもOK その後、右下の黄色のコマは2人の測量士より東になってしまったので 取り除かれてしまう。(プレイヤーの手元に戻される) ただし、前述したように猟師(草原に置かれたコマ)は取り除かれません。 ちなみに、この草原には現状2匹の動物が居るので2点となる ■ゲームの終了 タイルが無くなったらゲーム終了。 最終得点計算(未完成の場所の計算)は本家カルカソンヌと同じ。 交易所はゲーム中と同じく2点もらえます。 最も得点を稼いだプレイヤーの勝ち
Wrede, Klaus-Jürgen
プレイ記



相棒と対戦


俺が青で、相棒が赤


街付きのタイルを引いたので早速ニューヨークにくっつける。


最初から2タイル分の街があるので美味しい


相棒「じゃ、道作って3点」


相棒「測量士、移動するんだよね?」

俺「得点計算が発生したから移動するよ~」


俺はどんどん街に置いていく




相棒「私はまた道作って、今度は測量士ボーナス付きだから7点」





まあいいや、この状態でどっちかの街を完成できれば測量士ボーナスだけで8点だからなw




相棒「この道完成で・・測量士移動♪」




俺のミープルが撤去されてしまった・・・(T_T




相棒「うーん、いい場所が無いなぁ・・」


(いや、それ、街が付いてるよね?・・・)


俺「いや、あのさぁ、こう置いちゃえば良かったんじゃないの?」


測量士ボーナスも含めて、20点もボッたくれるんですけど(笑

相棒「あーーーーーー、気付かなかった・・」

俺「いや、気付かれたかなと思ってたんだけど^^;」


さらに、この長い道と、成長が見込めそうな草原にも先手を打って置いておく



ミープル5個しかないので、序盤で草原に置いちゃうのは裏目に出る可能性も
あるかなと思ったのだが・・


その後

うおー、やべーやべー、あんな街完成されたらキツイ




全力で邪魔しておく




相棒「うーん・・」




相棒「草原に寝る」


しかも、紋章付きの街を拡張か・・ますます完成させるわけにはいかねー



このロンゲストロードは、そろそろ閉じたいんだけどな。。


なかなか閉じられるタイルが引けない



む、また拡張してきやがったか




すかさず、再び邪魔を入れた上で長くなってきた道にミープルを置く




相棒「あ、動物いっぱい~♪」




相棒「ここに置く」


あ、草原がつながってしまった・・


測量士を移動させられて、俺のロンゲストロードのミープルが除去されてしまった




俺「真っ直ぐな道かー、置くとこ無いしとりあえずここにでも置いておくかな・・」


相棒「・・・・・」


相棒「じゃあ私ここに置いて、ハイ道完成!」


俺「あーーー」

相棒「いや、なんでミープル置かなかったかな?って^^;」

俺「やっぱ置くー」

相棒「もうダメだよ、遅い遅い」



しょっく。周回遅れになりそう。





またしても不穏な動きを見せる相棒の支配する街。


しかも紋章も3つも付いてるし



マズイ!またしても完成してしまう!!




完成してしまった・・・


まだまだ、逆転の可能性はある!


道の無い農場(教会)を引いたのだが、測量士の位置を考えると
完成できるかどうか微妙だなー、と思っていた。


まあ、一応置いておくか、うーむ。微妙。


と思っていたら・・


俺「来たぁ!一発ツモーーー」


測量士ボーナスも入れて、えーとえーと♪

9点+4点 & 9点+8点 で合計30点!

一気に形勢逆転^^


またしても相棒のながーい道が完成してしまいそうなので
相乗り、もしくは乗っ取りを狙う




とにかく適当に得点計算を発生させて、測量士を移動させて


相棒のミープルを道から除去に成功

準備は整った



で、俺の手番。またしても一発で引いたビンゴなタイル^^




通常のカルカソンヌなら、このリップ都市(タイル2枚で完成する街)は
4点しかもらえないのだが、ダブル測量士ボーナスが付くと突如12点ももらえる。



俺「もう時代はカリフォルニアに入ったね」

俺「Go West♪」

相棒が、ふてくされだしたので少し色々アドバイスをする。。



終了時の様子


広大な草原は2対2で同点になってしまったのだが


なんとか1点差で逃げ切った




評価・・・

※評価の基準についてはこちら

これは完成度高いなぁ、面白い!

カルカソンヌの拡張やリメイクものは数多く出てるけど、これは良くできてると思う。
まあ基本的なルールはほとんど本家と変わらないんだけど、けっこうプレイ感は違う。

その最大の要因は、やはり2人の測量士。
コイツら実にいい仕事してます。

ミープルは1人5つずつで本家より2つ少ないのだが、測量士に追い越されると
即手元に戻されるので、非常にコマの循環がいい。
本家だと、絶対に閉じられない(完成できない)ようにされてしまったミープルは
もはや回収不可能となってしまい、特にそれが拡張1の大きいミープルだったりすると
非常に切なくてツラい部分があったのだが、なんせ追い越されれば戻ってくるので
そういうところで胃がキリキリすることもなくて爽やかなプレイ感。
相手のミープルをとにかく殺してしまうみたいな戦略がほぼ取れないのは
一番評価した方がいいポイントなのかもしれないなー。


測量士の移動とともにどんどん時代が移り変わっていくそんなイメージがある。
その流れにうまく乗ったプレイヤーが勝つみたいなところがあって
なんだか、本物のゴールドラッシュのロマンを感じさせてくれた。

もちろん測量士を移動させることで、他のプレイヤーのミープルを取り除いて
大きな街や道を乗っ取るという戦略もあるのだが、拡張7-塔なんかと大きく違うのは
どんどん取り除かれるんだけど、もう新しくミープルを置きづらいため
(測量士より東のミープルは次の得点計算ですぐ取り除かれてしまうので)
比較的大きな未完成の街や道が、未完成のまま取り残されていく。

草原ルールが少し変更になった理由が良く分かる。

また戦場となる場所をある程度制限して、自然と全員が同じ場所に注目する
状況を作り出しているという点で見ても、測量士の働きは秀逸。
それでいて自由度自体はそれほど損なわれていない。

むしろ、このくらい限定した方がゲーム全体が引き締まる感じがする。
収束性が良いというのとはまた微妙に違う気がするんだけど。


そして、取り除かれるかどうかギリギリのところで完成させることに成功すると
測量士ボーナスがもらえるという緊張感というか爽快感の演出の仕方もまた絶妙。

測量士以外は本家とほとんど変わらないルールだし、その測量士もとても洗練されている。
これだけシンプルな追加ルールで、これほどたくさんの新しい素晴らしいものが
演出できているというのはホントすごいと思う。

あと、道に付いてる交易所。これも地味だけど良い改良だと思う。
拡張1の宿屋は、道の得点を2倍にしてしまうものだったが
突如として、街と同じ価値を持ってしまうというのは、正直ちょっとやりすぎだと思っていた。

1つにつき追加で2ポイント。これくらいが、いい落としどころだと思った。

そして意外に大きな街や長い道ができるので、そういうところもロマン溢れてて良いと思う。

ただ、農場(教会)だけは、微妙かな。今回のプレイでは運よく完成できたけど
伸ばして拡張することができないので、測量士に追い越されてしまうと
もう基本的に完成させることが難しくなってしまう。
まあ捉え方の問題で、農場は主に草原をコントロールするために使うものであって
完成させたときにもらえる9点は、今回はおまけ的要素だよという理解の仕方をすればいいのかも。

実際、農場の周りにはけっこう動物がたくさん居るし。

あと、コンポーネントも良くできてると思う。

アートワークも綺麗で魅力的だし、ミープルもかわいくなった感じ。
得点ボードとスタートタイルが兼用というのも良く考えられてると思う。

スタートタイルを探す必要が無いというのは、けっこう嬉しい。

従来のカルカソンヌみたいに、四方八方に広がるんじゃなくて
決まった向き(東海岸から西へ)に広がっていくので、タイルがテーブルに置けない
なんていう事態が起き難いのもいい感じ。


測量士のルールだけちょっと気をつければ、それ以外はルールに関しては
本家とほとんど変わらないのでインストも楽チン。

この完成度はもしかしたら本家を超えてるかもしれない。

今後はカルカソンヌをやろうと思ったら、メイフラワーが定番になるかも。

2012/03/21


JohnnyBet



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