たっくんのボードゲーム日記

No.620
ザイク
Zaic

プレイ人数:2
プレイ時間:約15

ルール難易度 簡単!
日本語化 不要


2人用のアブストラクトゲームです。
コンポーネントはこれで全部。


2×2 と 1×2 のタイルが8枚ずつ、1×1のタイルが3枚。
白と黒で1セットずつあります。

どちらか1色を選んで、手元に持ちます。

手番では、手元からタイルを1枚選んで置きます。



2手番目以降は、すでに置かれているタイルに辺でくっつくように置きます。



ただし、同じ色が隣接するように置くのはダメ。



これは OK。



これも OK。



これは白同士がくっついてしまうのでダメ。



黒のプレイヤーがこう置いたとして、、、



こんな感じで、他のタイルの上に置くこともできる。



タイルの上に置く場合は、テーブルの上(1段目)に置く時とは全く違うルールが適用されます。

・同じ色がくっつくように置ける
・少なくとも1マス分、相手のタイルの上になるように置かなければならない
・下に置かれているタイルを完全に隠してしまうように置いてはいけない
・下に空間(タイルがない状態)ができてはいけない

真上から見るとこんな感じ。
ゲームが終わった時、真上から見て繋がっているエリア(面積)が大きい方が勝ちです。


この状態だと、白が9マス分のエリアを持っていることになります。


こういうふうには置けない。
下になっているタイルに相手のタイルが含まれていないので。



1段目に置くとき、これも置けない。
これだと真上から見た時、黒同士がくっついていることになるので。



これもダメ。下になっている黒の2×2のタイルを完全に隠してしまうので。





これなら完全に隠さないので置ける。



ということで3枚しかない1×1のタイルは絶対に潰されない貴重なタイルです。

最後にもう1つ、全体が8×8のエリアに収まるように置かなければならない。
これだとはみ出してしまうのでダメ。



最後の方は、こんな感じのモザイク模様っぽくなっていきます。





どちらかのプレイヤーが手持ちのタイルを置けない状況になったら、即ゲーム終了します。





Erik Dresner

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

良くできてるなぁ、これ。手番でやることはタイルを1つ置くだけ、コンポーネントもたった3種類の正方形と長方形のタイルだけ。
ちょっとルールがクセがあるかもだけど(少し間違えやすいかもしれない)、まあ少なくとも難しくは無いと思う。

それと、無駄は一切見当たらない。完成度高く洗練されたデザインには美しさすら感じますね。

下になっているタイルを全部隠すように置いてはいけないルールがよく効いてる。
つまり、最低でも1マス分は必ず残るわけで、 特に1×1のタイルは潰されることが無い。
自分のエリアをつなげたり、相手のエリアを分断したり、使い勝手が良いのだけれど3枚しかなくて、使いどころが悩ましい。

悩ましいほどに奥深さを感じる。

でも、果たして奥深いだけでこういう面白いゲームになるのかな?という疑問があって、例えばひたすら「難しい」だけだったとしたら、それは奥深いのかもしれないが、楽しくは無いかもしれない。
恐らくは、「なんだかよく分からない」となってしまうと思う。研究対象としては面白いのかもしれないけど。

ゲームとしてならやっぱり、表面的に分かりやすい面白さも欲しいかな。

将棋なら相手の金とか銀をタダで取れたとか、龍を作れたとか。
カルカソンヌ なら大きな街が出来そうとか、作れたとか。
絵すごろくなら、6の目(大きい目)が出た!とか。

場合によっては、飛車や角を盤上で大きく動かしただけでなんだか楽しいってこともあるのかもしれない。

でも金をタダで取らせてもらったけど実はワナだったとか、分かりやすい楽しさという入口の先に奥深さがあるから「なるほどね〜」という感想が自然と出てきて、魅了されていくのかなと。

もう1つ、分かりやすいっていう部分で言うと、今この状況で優勢なのか劣勢なのか分かるかどうかというのもある。
大抵は自分が今優勢だと分かれば、楽しく感じやすいと思うし、劣勢ならそれはそれで「どうすればいいかな・」と考える楽しさというのもある。

特に2人用のアブストラクト(に近い)ゲームは、そういう性質が強いんじゃないかなと思う。

それで、決定的と考えている最重要な要素があって、それは「逆転の可能性があるかどうか」という点。

もし、最初についてしまった差が最後まで埋まらないことがほとんど、となってしまうと、負けているプレイヤーが頑張れない。
また、勝っている方も緊張感を持ってプレイできないかもしれない。
当然ながら逆転性があるということは、優劣が分かるということでもある。

長く競技として遊ばれ続けているゲームは、ほぼ例外なくこの性質を備えていると思う。

囲碁、将棋、 チェスバックギャモン、、、どれも大劣勢な状況から一発逆転があり得るゲームばかり。

もちろん、そのままの状況でゲームが進行すれば優勢な方が勝つ確率が高いであろう。
でも、優勢であるから必ず勝つとは限らない。もうほとんど負けが決まってると思ったら大逆転が起きたみたいな派手さがあるから面白い。

難しさと分かりやすさ、緻密さと派手な逆転劇、そういう相反する要素を併せ持つゲームが面白いゲームになるのかなと。

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本作は、広いエリアを取れた方が勝ちという、陣取りゲームみたいな側面がある。
単純に2×2のタイルを上に置いて、一時的にかもしれないけど、広いエリアを作った時はそれだけで楽しさがある。
大エリアを作られてしまって明らかに劣勢だけど、相手のエリアをうまく分断する、あるいはバラバラにされてしまった自分のエリアをくっつける手順が見つかったら逆転もできるかもしれない。

このゲームにはそんな楽しさがあるような気がする。

2021/11/29


JohnnyBet



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