たっくんのボードゲーム日記

No.301
村の人生
Village

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約60

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要


自分の家族コマを色々な場所に派遣して、リソースや勝利点を稼ぐ
いわゆる"ワーカープレイスメント"系のゲームです



家族コマ(ワーカー)には番号が振られていて、"世代"を表します


第1世代が4人、第2世代が3人、第3・第4世代が2人ずつ


最初に使えるのは第1世代の4人で、最初は個人ボード(農場)の上に置いておきます。



このゲームで特徴的なのは、時が過ぎていくと家族(ワーカー)が亡くなってしまうこと。


個人ボードの外側には砂時計のチャートが描かれていて、これが寿命を表します。
時間がかかることをするたびに、マーカーを進めていって

マーカーが橋を超えると、今居る家族の中で一番数字の小さいコマが死亡します。


一番小さい数字のコマが複数ある場合は、死亡させる家族コマを選ぶことができる

しかし、功績を残して亡くなった家族は村の歴史に刻まれて勝利点をもたらしてくれます。
死亡したら、単純にそのワーカーが使えなくなるだけではないようになっています。


さて、メインボード。家族のいろいろな人生の舞台となる村です。


システム的には、村の中のいろいろな場所に家族コマを置いて
できるだけたくさんのリソースや勝利点を稼ぎにいくという極めて普通な感じ。


さて、リソースその1


5種類のアイテムタイルです


リソースその2


コインと穀物袋


リソースその3 キューブです


黒い病気キューブだけは、家族の寿命を縮めてしまうマイナス要素になっています


ラウンドの最初に、プレイ人数別に用意されたチャートに書かれた数のキューブを取ります


黒の病気キューブだけは、常にあるだけ全部取ります


取ったキューブを付属の緑の袋に入れてシャッフルしてから
ボード上の、7箇所のアクションスペースにキューブを配置していきます。




こんな感じかな


チャートには各アクションスペースに配置するキューブの個数が書かれているので
対応する数だけキューブをランダムに取り出して置いていきます。


手番では、実行したいアクションスペースを1つ選んで
その際に、そのアクションスペースに置かれているキューブを1つ獲得します。





獲得したキューブは自分の農場(個人ボード)に置いておきます


※持てるキューブの数に制限はありません。


ではアクションスペースを1つずつ見ていきましょう

まず「収穫」 ここを選択すると穀物袋を獲得できます




ただし、収穫するためには自分の農場(個人ボード)に家族コマが居る必要があります。




獲得できる穀物は基本的に2袋なのだが


アイテムタイルのと、もしくはを持っていると3袋、4袋獲得することができる
※「収穫」の場合のみ、アイテムタイルは持っているだけで良く、支払う必要はない


獲得した穀物は、キューブと同じく自分の農場に保管するのだが


穀物は最大5袋までしか持つことができない




アイテムタイルを獲得できるのは、黄色い屋根の5つの仕事場




たとえば、この建物では「馬車」を獲得できるのだが
アイテムタイルを入手する方法は基本的に2つあります。



①家族コマによる獲得


この場合、コマの配置の際に2マス
そして獲得の際にさらに2マス、寿命チャートを進める必要があります。

しかし、配置したコマはこの建物に残り続けるので
これ以降では、獲得コストのみの支払いでアイテムタイルを獲得できます。



②キューブとの交換による獲得


単純に描かれているキューブとアイテムタイルを交換できます。
家族コマが配置されている必要はありません。


どちらの方法でもアイテムタイルを獲得できます




この建物では、牛か馬を獲得できるのだが


家族の配置、及び獲得には寿命チャートを3マスずつ進める必要があります

あるいは、穀物袋3つと交換できます

巻物タイルを獲得できる仕事場の「事務所」


ピンクキューブ1つで交換できる


緑のアクションスペースは「旅行」


家族コマが色々な土地を訪れることで勝利点やリソースをもたらしてくれます


土地と土地をつなぐ道には「移動コスト」が描かれています


この道の場合は、寿命チャート2マスと馬車タイル
ピンクキューブ2つを支払う必要があります。


着いた先の土地から、コインや勝利点、任意のキューブなどを獲得できます


仕事場と同じように旅行に出た家族コマは移動先の土地に残り続け
次回以降の手番でさらに別の土地に移動させることができます。



訪れた土地にはマーカーを置いて記録します




ゲームの最後に、訪れた土地の数(マーカーの数)によって勝利点がもらえます。


6箇所なら18点になる



アクションスペース「家族」


このアクションスペースを選ぶと、ストックの家族コマの中から
一番小さい数字のコマを1つ、個人ボードに追加することができる。

アレのいかがわしい小屋のようなイメージではないようで(笑


このアクションスペースの建物は「評議会」


やはり、家族コマを派遣することで勝利点やら新たなリソースやらを獲得できるのだが
4つの部屋に分かれていて、最初は配置コストを支払って一番左の部屋に置きます。


最初の配置コストは寿命チャート1マスと、巻物タイルか緑のキューブ2つ

より上の部屋へは、次回以降のアクションで
1部屋ずつ順番に配置コストを払って上がっていく必要があります。


部屋の下段に描かれているのがその部屋でもらえるもので


2番目の部屋の場合は好きなキューブ2つ

ただし、必ず上がらなければならないものでもなく
アクションスペースを選択したとき、既に評議会に家族コマが配置されていれば
現在コマが置かれている部屋と、それ以下の特典を無料で受けることができる。

また、ゲーム終了時、より高いステージの部屋に家族コマを置いているとボーナスの勝利点がもらえます。


こちらのアクションスペースは「教会」


部屋が4つに分かれていることなど、かなり「評議会」と似ている。
教会では、より上の部屋へ移動するには「穀物袋」を支払います。

しかし、教会に家族コマを配置するにはちょっとめんどくさい手順が必要で


とりあえず、教会に家族コマを配置したいと思ったら
もちろん教会のアクションスペースを選ぶのだが


茶色キューブ1つか、または寿命チャート3マスを支払って


付属の黒い袋に家族コマを入れます



袋の中には4人の黒い僧侶コマも入っています



ラウンド及び、ゲーム終了時に「ミサ」という特別なイベントがあって
スタートプレイヤーがこの黒い袋からコマを4個引きます。

引かれた家族コマは、教会の一番右の部屋に置きます。


※ただし、このとき各プレイヤーは1コイン支払うことで袋から任意の家族コマを1つ選ぶことができる。
その場合は、スタートプレイヤーは4個に足りない分を引きます。



その後、穀物袋を支払うことで1回のミサにつき1度だけ、より左の部屋にコマを移動させることができる
評議会は左から右に上がっていきますが、教会は右から左へレベルアップします

さらに、ミサの最後に教会に最も多くコマを置いているプレイヤーに2勝利点がもたらされます
この2勝利点は、ミサが発生するたびにもらえます。



手に入れたアイテムタイルを手っ取り早く勝利点に交換できるアクションスペース「市場」


このアクションスペースだけは、選択したプレイヤーだけでなく
他のプレイヤーにも市場で取引するチャンスがあります。


たとえば、この顧客タイルなら牛タイルと交換でき、3勝利点をもたらします




アクションスペースを選択したプレイヤー以外にも取引のチャンスはあるのだが


選択したプレイヤー以外は、寿命チャート1マスと緑キューブ1つを追加で支払う必要があります。



ちなみに、どのアクションスペースを選んでもキューブを取るだけで
アクションの権利は放棄することができるのだが
この「市場」による他のプレイヤーへの取引の機会は、アクションを選択したら必ず提供しなければならない。


選択したいアクションスペースにキューブが残っていないときの助け舟が、この井戸


同じ色のキューブを3つ支払うことで、対応するアクションを実行できます。


■ラウンドの終了

アクションスペースから全てのキューブが獲得されたらラウンド終了で
教会のミサを行った後、再びキューブをアクションスペースに配置して次のラウンドに入ります。



■家族の死去とゲーム終了

寿命チャートでマーカーが橋を超えたら、家族が1人死去します。


生きているコマの中から一番数字が小さいコマを選びます。


死去したとき居た場所によって、村の記録帳にコマを横たえて置きます


3と書かれているのは、3・4人プレイ用。
4と書かれているのは4人プレイ用で
プレイ人数によって、置けるコマの数が変化します。


ゲーム終了時、ここに置かれている自分の家族コマの数によって追加の勝利点がもらえます




記録帳で、対応する色の場所が一杯の場合は教会脇の墓地に埋葬されます


ここに置かれたコマは特に勝利点をもたらしません


記録帳か墓地のどちらかがすべて埋まったらゲーム終了で

・旅行で訪れた土地の数によるボーナス点
・評議会のボーナス点
・教会のボーナス点
・市場で手に入れた顧客タイルのボーナス点
・1コインにつき1点

これらを加算して、最も勝利点を多く獲得したプレイヤーの勝ちになります。





Brand, Inka
Brand, Markus
プレイ記

相棒と対戦


俺が青で、相棒が赤


初期配置は、「収穫」のところが病気だらけだな




手番は相棒から


相棒「仕事させる」


俺もとりあえず仕事場に送り込むことにするのだが


ここでゲットするのは緑のキューブ


そして、仕事場は「事務所」を選択して巻物をゲット




というのは、これらのリソースは「評議会」で、レベルアップに使おうと思っていた


レベル2まで上げることが出来れば、その後はアクションスペースを選択するだけで
好きなリソースを2個ゲットできる。

とりあえずのところ、そういう方針でいくことにした。


緑のキューブも2つそろった




相棒「じゃ、結婚で家族増やす」

あ、もうキューブがなくなっちゃう


あわてて俺も結婚を選択


新しく加わった第2世代の家族


コイツを評議会に送り込んでおけばいいかな


巻物とキューブを駆使してトントン拍子で出世させる




これでキューブ、ザクザク獲得だ




相棒が旅行に出発しはじめた




俺もキューブで馬車を手に入れて・・




相棒は収穫に備えてる様子



旅行しようかと思ったのだが、馬車の顧客タイルが市場に出てたので


俺「馬車、売る」


あっという間に、全てのキューブがアクションスペースから獲得された

俺「じゃ、ミサね」

俺「黒い袋から4つ引いて」





よっしゃ、しっかり俺の青が入ってるぞ



これで、教会にコマがあるのは俺だけだから+2点、と




次のラウンド。


病気だらけの教会。。うーむ


コマ不足は痛いので、早めに政略結婚で家族を増やしておく




ようやく俺も旅に出る




評議会は俺の得点源


病気だろうがなんだろうが取るったら取る!


そうすると


俺「亡くなりました」



功績を残して亡くなった我が一族たち


手駒が減ってしまうのは痛いんだけれど


堅実な相棒は、着実にアイテムタイルをゲットしてる




まあいい、俺は旅行で一足先に2カ国目を訪問




収穫した穀物を風車でコインに換えて、このラウンド3コインを得る




こんな状況


評議会で権力を拡大しているウチの族議員
キューブもアイテムも便宜の見返りでゲットすればいいやw



もちろん、教会へのお布施も怠りません


カネの力で教会の要職に登用させてもらう

俺「勝利点2ね」



その次のラウンド


同じ色のキューブがちょっと固まってるな


前のラウンドで、農場に家族が居ない状態で
収穫のところの病気キューブを取らされたので


ま、とにかく家族は増やしておく


そして評議会!


ウチの与党議員を暗躍させる


記録帳、残りあと2箇所


相棒「やばいなぁ、私も早く殺さないと」

俺「いやいや、天寿を全うでしょ^^;」


トータルで今のところ勝っていると踏んだ俺は
このままの形勢で押し切るべく、病気キューブを積極的に取って
そして仕事場に送り込んで時間を浪費させる作戦に出る。




旅行で1箇所分、負けてるのが若干気になるが




記録帳を埋め切ってゲーム終了


相棒「あー、あともう1箇所、旅行させる予定だったのに・・」

相棒「負けたかな・・」

もちろん勝ったつもりで得点計算を始める俺

俺「こんな感じかな?」

俺「あ、コイン1枚1点か」

俺「そうすると、え、4枚も持ってんの?」

俺「同点だったのかー、しまった」

相棒「いや、まだあるよ。顧客タイル」

相棒「私、+10点」

俺「あ、そうか。俺は+3点・・・」




勝ってるつもりだったのに、フタをあけてみれば惨敗でした



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

面白い!

完全にゲーマーズゲームなんだけど、骨格のルールはシンプルにできてるし
プレイのテンポも良く悩みどころ盛りだくさん。

まあ、決してとっつきやすくは無いんだけど理解しづらくは無い。
勝利点が書かれたタイルがあったり、ボードにもいろいろ細かいことが書かれているのだけれど
基本的に何を払うと何がもらえるのか?が書かれているだけなので
そのことを理解できさえすれば決してルール自体は難しくない。

すごく良くできたリソース管理・ワーカープレイスメントゲームだと思う。
というかこういうタイプのゲームをここまで楽しめたのは、これが初めてかも。

どうもリソース管理とかは苦手で、だから合わないのかなと思ってたのだけれど
決してそんなことは無かった。確かに苦手なんだけど、すごく面白かった。

こういう緻密なゲームは、やっぱり運の要素を抑えたデザインの方が面白いと思うな。
そのあたりがストーンエイジと明らかに異なる点。

ジレンマの演出の仕方もまた見事で、特に家族(ワーカー)を活動させると
寿命が減っていって、死去してしまえばもちろん手駒が減ってしまう。
けれど、そうすることで得られる勝利点(記録帳の存在)もある。
病気キューブを取ってしまうと、寿命が縮んでしまうけれど
そうしないと、やりたいアクションができない。

先に、こっちのアクションスペースを選んで必要なキューブを確保してから・・
などなど、もうホントにこれでもかってくらい複雑に絡みあっていて
悩ましいことこの上ない。

さらに記録帳は、ゲームの終了条件という要素も兼ねているので
ここでもまた色々考えなければならない。

もうやりたいことだらけで、でもアクションスペースのキューブは
あっという間に無くなってしまうし、間だるっこさみたいなものは皆無。

これだけの満足感の割には、そこまでプレイ時間も長くは無く
めんどくささとかもほとんど無い。言語依存が無いのも良いね。

欠点らしい欠点もほとんど見当たらないし、これは完成度高いなと思う。


ついでに言うとボードの絵もすごく綺麗で、個人的にかなり好きなタッチの画風。
テーマ性とゲーム内容とてもマッチしてることと合わせて
ゲーム全体の雰囲気づくりにも大成功している感じ。

というか、ボードの絵が好みだったから入手してみたんだけれど^^;
正直ゲームの内容がこんなに良くできてるとは思わなかった。


2012/07/27


JohnnyBet



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