たっくんのボードゲーム日記

No.224
三頭政治
Triumvirate

プレイ人数:2
プレイ時間:約15

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




なんとも珍しい、2人専用のトリックテイキングゲームです。




スートは赤、黄、黒の3種類で(だから「三頭」政治なのかな?)
数字は0~8の各9枚で、全部で27枚

よく切って、一定枚数(最初は5枚)抜いた上で配り切ります。


マストフォローで、基本的に相手が出したスートを手札に持っていれば
それを出さなければならない。




で、数字が大きい方がトリックを取るのだが



もちろん、出されたスートを持っていなければ
他のスートを出していい。
この場合も数字が大きい方がトリックを取ります。


ただし0(ゼロ)だけは、他のスートに対して切り札になる。

例えば、赤8を出されたときに、赤のカードをもってなければ
黄か黒のゼロのカードを出すことで、トリックを取ることができる。


3回同じスートのトリックが取られたら
そのスートと同じ色のチップをボードに置きます。これで1ラウンド終了。



同じ色のチップが3つ置かれたらゲーム終了。

つまり、同じスートのトリックが9回取られたらゲームが終わることになる。



さて、どうやって勝敗を決めるかであるが

各ラウンド終了時に、手札から任意で1枚までボードの下にカードを仕込むことができる。
仕込むことができるのは全部で3枚まで。


仕込んだカードはゲーム終了時に公開します。



で、チップが3つ置かれたスートのカードのうち
3,5,7だけが得点になる


写真の例でいうと、3枚取られたチップは赤。
で、手前のプレイヤーが赤の7。
奥のプレイヤーが赤の3と5を仕込んでいたので

7対8で奥のプレイヤーの勝ちとなる。


こんなところかな。





Travis, Worthington
プレイ記



ちきさんと対戦



うむ、赤が多い。こういうゲームは、ある種の「偏り」とか「歪み」が
場を支配すると、いろいろ見えてくることも多いので
序盤はまず、「手札を赤に寄せる」という方向性でいくことにしてみる。


第1ラウンドは、あっという間に黒で3トリック取られて終了。



この時点で、場札にあまり意味は無い。
それよりも重要なのは手札だ。


どう出るか分からないが、赤の7を仕込むことにする。



赤のスートは俺ががっつりガメているので、赤7を仕込んでも
ちきさんにそのことは察知されにくいと読んだ上で
後々、そのガメている赤でトリックを取りに行きやすいはずという目論見がある。


第2ラウンドは黄色が先行。




ここで、ちょっと仕掛ける。



溜めてばかりで循環させなければ本命の赤チップは置かれない。
目論見がバレる危険性はあるが、ここはきっちり赤で3連発トリックを取りにいく。

最後は赤の0。他のスートに対しては切り札なので、これでちきさんが何を出しても
赤でトリックが取られることになる。

ちきさん「うまいね~」

・・って、プレイ前にちきさんが教えてくれたことなんですけど(笑


その後、黒と赤のチップがリーチ状態



ちきさんが半ば強引に、黒でトリックを取りに来た。
俺は一応、黒の5を仕込んであるが
この強気な態度は、黒7が仕込まれている気がする!やばい


あわてて、赤のトリック獲得を目指す。



結果、7を仕込んでいる赤でトリック3回取れてホッと胸を撫で下ろす。

これで、赤チップ3枚でゲーム終了だ。


ちきさん「じゃあ、これ仕込む」


ん??今さら仕込むの?


ちきさん「こんな感じなんだけど・・」

仕込んだカードをお互いオープン



あーーー

しまった

3+5=8なんだよね!

7のカード1枚じゃ勝てない・・・

ちきさんが仕込んでた黒は3だった。


俺が仕込んでたのは5だから、もし黒でトリック取れてたら勝てたのか?

あ、でもちきさん、黒の7を抑えてたのかもしれないなー

赤でも黒でもどっちでトリック取られても勝ちにもっていけるようにしてたのかもしれない。

完敗。



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

3,5,7しか得点にならないとか、一見妙な得点ルールなのだが
何回かやってみて、スルメ的に味が分かってきた。

このゲームの最も重要なポイントは、もちろん
いつ何を仕込むかにある。
結局1度も使わなかったのだが、3,5,7以外のカードを仕込むことも
戦略上、十分有り得ると思われる点や
マストフォローというのが実によく効いていて、手札として取っておきたい
仕込み用のカードを問答無用で吐き出させられたり
でも、だからと言って、安易に序盤に仕込んでしまうと
27枚しかないカードが何回も巡ってくる中で、そのカードがバレてしまったりする
危険性が高くなるというのは、3スートの27枚のカードだけで
よくそれだけのジレンマを盛り込めたものだと、素晴らしさを感じずにはいられない。

非常に短時間ゲームなのだが、その密度の濃さと言ったらすごいものがある。

1ゲーム10分~15分の中に、よくぞこれだけのものを詰め込んだという感じ。

最初、クニツィアかシャハトがデザインしたのかと思ったくらいシンプルで洗練されたゲーム。

評価Aつけても見劣りしない内容なのだが、ちょっとこれは
ゲーマーズゲームの匂いがする。

手札を持つタイプのカードゲームの割には、かなり運要素が低く実力差が出やすいと思う。
特に、ラウンド数が長引くほど結果は如実にそれを示すはずだ。

ゲーマーズゲームであっても、プエルトリコのように、ある一定の
楽しみ方の分かりやすさがあるゲームなら許容したいのだが、残念ながら本作に
そういうのは無いように思う。ましてや、2人対戦なので尚更である。

つまり、ゲーマー対 非ゲーマーではたぶん面白くないし
非ゲーマー同士でやってもおそらくは面白くない。

ある程度の高度な戦術を考えられるプレイヤー同士でプレイして
初めて面白いと思える作品なのだと思う。
少なくとも、そういうことを考えるのを楽しめるタイプでないとうまくいかないのではと。

ゆえに、評価を1つ下げてみた。

それにしても、こんなにアブストラクトっぽい匂いのするカードゲームは初めてだ。
2人専用のトリックテイクなんてのも初めてだったけどね(笑


JohnnyBet



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