たっくんのボードゲーム日記

No.15
テーベの東
Thebes

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約50

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




遺跡を発掘してお宝をゲットしよう。そんなゲームである。


とりあえず、ボード全景


あまり大きいタイプのボードではなく、こじんまりといった感じ。
ボードに描かれているのは地図で、発掘を行う場所は5箇所。
ギリシャ、クレタ、エジプト、パレスチナ、メソポタミア。
主にボードの右下に分布している。
それに対して、左上はヨーロッパの都市になっていて
発掘を行う前準備としての知識を深めたり、学会を開いたり
発掘品の展示会を開催したりする。

勝敗を決める勝利点につながるのは、
まず学会、開いた回数に応じて得点が入る。
2つ目が展示会、規模が大きいほど高得点。
そしてメインの得点源になる、発掘品の合計点。この3種類になる。


このゲーム、ちょっと面白いのは必ずしも手番が順番に回ってくるわけではないというところ。
大抵のゲームで、こういう感じにボードの外周部に数字が書かれたマスが並んでいると
得点のチャートになっていることがほとんどなのだが、このゲームでは違う。


このゲームでは、外周部のチャートは時間を表していて1周で1年。
プレイ人数によって変わるのだが、2年または3年経過するとゲーム終了となる。
(左下の黒いコマが置かれているチャートが年を表していて、1901年が1年目)

何をするにも「時間の消費」というのがついてまわり、消費した時間(週)分
チャートのコマを進める。チャート上で、一番後ろのコマのプレイヤーに手番が回ってきて
一番後ろに居る限り、連続で手番を行うことができる。
このあたり、他のゲームにはちょっと見られないシステムで面白い。



ボードの右上には、ヨーロッパの各都市で行えるイベントがカードで表示されている。


ちなみに、上段の2枚が発掘のための知識を獲得できるイベント。
知識を得ると発掘で有利になる。基本的に、各知識はギリシャの知識とか
パレスチナの知識とか、各発掘ポイントごとに分かれているのだが
右下のカードは一般知識と言って、どの発掘ポイントでも使える。
便利なのだが、得るためには時間がかかる。左下は学会の開催となっている。




例えば、このカードモスクワで4週間かけると紫(クレタ)の専門知識を3つ得ることができる。
必要な時間は、右上の時計の絵の中の数字で表されている。


このカードの場合、得るためにはモスクワに移動する必要があり、都市間の移動には1週間かかる。
つまり、モスクワまで2都市分離れた場所にいる場合、まず移動で2週間
で専門知識を得るのに4週間で合計6週間かかることになる。


知識を深めたら、いよいよ発掘に行く。
5箇所の発掘場所と同じ色の袋が、やはり5つあり中には発掘品のタイルが入っている。



こんな感じ


発掘品には価値を表す数字が書かれていて、これがそのまま勝利点になる。
しかし何も描かれていない「スカ」のタイルもあって、これは何の価値もない。

発掘を行う際に、かける時間を自分で決められるのだが
その決めた時間と知識の数によって袋から引けるタイルの枚数が決まる。
当然、引くときに袋の中を見てはいけない(笑)
スカのタイルは最後に袋に戻すので、発掘が進むと相対的に
新たな発掘品を引ける確率は悪くなっていく。



これが引けるタイルの枚数を決める円盤。


ちょっと見づらいのだが、円盤をクルクル回して
上部の青いバックの数字を、発掘する場所の知識の数に合わせる。
この場合8。

そうすると、発掘にかける時間(中央の黒い数字の列)に対して
引けるタイルの枚数(赤い数字)が出てくる。
例えばこの場合、4週間かければ5枚のタイルを引くことができる。



発掘に成功したら、展示会を開催できる。


やはり開催に必要な時間と場所が書かれていて
その場所への移動と、開催期間の合計が必要な時間になる。
カード上部に開催場所の都市名が書かれていて、その右の数字が必要な時間。
左の数字が獲得できる勝利点となっている。
カード下部の色の付いた丸は、開催に必要な展示品を表していて
上のカードなら、青(メソポタミア)が1つ、紫(クレタ)が2つ、オレンジ(ギリシャ)が3つ
発掘品が揃わないと開催できない。


こんなところだろうか、まず知識を得て発掘に出かけ、展示会を開く。合間に学会。
プレイヤー全員が3年(または2年)経過したら終了。勝利点の最も多い人が勝ち。





Prinz, Peter

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

競い合うタイプのゲームで、対戦バトルタイプではない。
そういう意味では爽やかなプレイになる。
そんなに深く考える要素は無く、プレイ感としては割と軽い部類に入ると思う。
最も重要なのは、発掘の際のタイルの引き運(笑)
まぁ、とは言え発掘の進み具合によって、得る知識をどれにするかとか
学会を重視するかどうかとか、考える要素もそれなりには存在する。
一番盛り上がるのは、やはり価値の高い発掘品をゲットしたときであろう。
重いゲームが続いて、ちょっと息抜き的に遊ぶのにも適している気がする。
発掘品も実在のものに基づいていたり、けっこう細かいところで凝っている。
そういうのは個人的には好感度が高いかなー。

あとは、やっぱり時間の概念に基づく手番の回り方。この点は特に面白味があると言って良いと思う。
総じていい具合に纏まったゲーム、ただAを付けるにはちょっともう一歩足りない感じ。
その辺が大賞ノミネート止まりの理由かなという気もする。


JohnnyBet



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