たっくんのボードゲーム日記

No.194
豚小屋
Saustall

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約40

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 カードやタイルのフレーバーテキストは翻訳しなくてもゲームとしては楽しめる





8人の容疑者の中から、殺人事件の犯人を推理するゲームです。




容疑者は女性(赤タイル)4人、男性(青タイル)4人。



タイルには動機タイルを置く六角形のスペースと
容疑者の持ち物(マルで囲われた絵)が描かれている。


ボード全景、ここが事件の捜査の舞台になる。



ボード上部には、8箇所の場所がある。
下部の道路はラウンド進行チャート。左端からスタートして
右端に到着するとゲーム終了となる。


場所は、クレー射撃場やプールなど、、




容疑者たちは、事件当時これらの場所に居たとアリバイを主張します。


たとえば、容疑者タイルがこう置かれたら
この男性は事件のあった時間にクレー射撃場に居たと主張していることになる。




もちろん、他の容疑者も同様にアリバイを主張します。




しかし、それぞれの場所には目撃者が居ます。

こういうチップがあって、、



Mannが男性で、Frauが女性


こんな感じでチップが置かれる。



そうすると、ボブスレー場では「女性を見た」
屋外プールでは「男性を見た」という証言が得られたことになる。

この場合、アリバイを主張する人物の性別と一致するので
裏が取れたということで、この人物の疑惑が晴れることになる。


逆に証言と矛盾する人物は疑惑が深まるということになる。




さて、容疑者タイルに描かれている証拠品に対応する「証拠品タイル」というのがある。



ゲームには関係ないのだがタイルの背は指紋が描かれている。


この証拠品タイル。ボード上の科捜研という場所に山積みになっていて



最終ラウンドが終わったら、上から順にめくっていく。

で、最初に証拠品が見つかったアリバイの無い人物が犯人になる。


こんな感じでめくる。ロザリオを持つ人物は・・




アリバイがあるのでシロ。




次、このピアスの持ち主は、、




この女性もアリバイがあるので無実。




次にめくられた証拠品はカフス。




持ち主の男性は、、、アリバイが無い!ということでコイツが犯人になる。




さて、犯行の動機。これも男性用と女性用に分かれていて



Rache・・・復讐
Habgier・・・強欲
Eifersucht・・・嫉妬
Neid・・・妬み
こんな感じで容疑者タイルの上に置かれる。 この場合、この男性は事件の被害者に対して妬みを持っていたことになる。 これらの証言を得たり、動機を捜査するのに使用するのが捜査カード 捜査カードには4種類あって まず、目撃者アクションカード ごちゃごちゃいろいろ書いてあるのだが、見るところは簡単で この部分だけ。要は、どこで男性または女性が目撃されたかということ。 つまりこのカードをプレイすると、射撃場で女性が目撃されたという 証言が得られることになる。 射撃場のところに、「女性」の目撃チップを置く。 次に動機カード これも見るところは限られていて、このカードならNeid(妬み)のチップを 任意の容疑者タイルの上に置くことができる。 3つ目、アリバイカード このカードをプレイすることで、容疑者がアリバイを主張します。 このカードなら、やはり任意の容疑者タイルを 屋外プールのところに置くことができる。 基本的に、この3種類のカードをプレイすることで容疑者を絞り 捜査を進めていくことになる。 4種類目のカード(ローデンバッハー)は後述。。 さて、今度は推理の進め方。各プレイヤーは、この15枚のタイルを受け取る。 ちなみに、証拠品タイルも1枚受け取る。 この証拠品は、科捜研に置いてある証拠品の山には無いことになるので 必然的にこの証拠品の容疑者はシロということになる。 もちろん他のプレイヤーには見せないようにする。 15枚のタイルの内容は、性別2枚、動機4枚、容疑者8枚と Unfall(事故死)が1枚。 8人の容疑者全員の容疑が晴れてしまう場合もあり、そのときは 事件は事故死だったことになる。 これらのタイルを付属のタイル立てに並べます。 最初に、この中から事件の真相と思われるタイルを3枚選んで 伏せて置きます。 最終的に伏せたタイルが真相とどれだけ合っていたかで勝利点がもらえる。 犯人または事故死を当てた場合・・・9ポイント 犯人の動機を当てた場合・・・5ポイント 犯人の性別を当てた場合・・・3ポイント つまり、全部パーフェクトに当てることができたら17ポイントになる。 手札の捜査カードは3枚、手番では1枚選んでプレイします。 プレイしたら1枚山から補充する。 さて、捜査カードのうち目撃アクションカードは 同じ場所について、男性/女性を目撃したというカードが1枚ずつあり プレイしたカードに対応する場所にはすでに、目撃チップが置かれていることもある。 その場合と、さっき保留にしたローデンバッハーのカード(茶色)をプレイした場合は 緑のアクションチップ、もしくは茶色のローデンバッハーチップを取って、、 ボード上の科捜研チームミーティングオフィスワークの 空いている緑または茶色のマスにチップを置いてアクションを実行することが出来ます。 ※緑のチップは緑のマス、茶色のチップは茶色のマスにしか置けません まず、科捜研に置いた場合 科捜研に置いてある証拠品タイルの山の一番上を1枚そっと見て そのタイルを1番下に戻します。 つまり、その証拠品の容疑者の疑惑が下がることになる。 チームミーティングに置いた場合は、他のプレイヤーの持っている 証拠品タイルを見ることができる。 ※2人プレイの場合は、2枚の証拠品タイルを横に置いておき ダミープレイヤーのものとして扱います。 で、このダミープレイヤーの証拠品タイルをチームミーティングアクションで 見ることができる。 最後にオフィスワーク。ここにチップを置くと推理をやり直して 伏せておいた3枚のタイルをタイル立てのタイルと入れ替えることができる。 しかし、ラウンドが進むごとに タイル立てから指定された枚数のタイルを捨てなければならない 捨てたタイルはゲーム中2度と手に戻ってこなくなるので、推理をやり直すときも 入れ替えることはできなくなる。 ちなみに、ラウンドの最後にも推理のやり直しの機会がある。 ところで、急用/後悔タイルというのを各プレイヤー1枚持っていて (2人プレイでは急用2枚、後悔2枚を最初に持つ) 他のプレイヤーが捜査カードをプレイしようとするときに この急用タイルを使って妨害ができる。 つまり、自分にとって不利な捜査カードがプレイされたとき 急用タイルを使うことで、そのカードを自分がプレイしたことにして 続きのアクションを自分が実行できるようになる。 急用を提示された側のプレイヤーは、それを受け入れるかどうかを決めます。 急用を拒否することにした場合は、タイルを裏返して後悔タイルとして受け取ります。 後悔タイルはゲーム終了時マイナス2ポイントになります。 アクションチップを置ける場所は、もう1つあって それが礼拝堂 ここにチップを置くと、手持ちの後悔タイルを1枚捨てることができる。 最終的に、後悔タイルのマイナスも含めた合計ポイントが勝利点になります。 もっとも多い人の勝ち。
Rieneck, Michael
プレイ記




kunさんと対戦




とりあえず初期手札と証拠品チップ



証拠品は「カギ」だ

犯人は科捜研に積まれている証拠品をもつ誰かなので
必然的に各自に配られた証拠品の容疑者は犯人ではないことになる。


つーわけで、このいかにも怪しそうなオッサンは無実確定。




最初の推理は手がかりがほとんどないので当てずっぽう。



残りの男3人を重要参考人リストに入れてみることにする。


さて、序盤戦。運のいいことにローデンバッハー署長のカード(茶)を引いた。




これで何をするのかというと、早速「科捜研」に行って証拠品を調べる。



ふむ。

この女か!



科捜研に置かれているチップは4枚なので、最初に調べたこの証拠品は
最終的にかなり上の方に来る(犯人になる)可能性が高い。要チェックだ!


2枚目のローデンバッハーを引いたので、ダミープレイヤー
(2人プレイでは証拠品チップ2枚をダミープレイヤーのものとしてよけておく)
のチップを調べに行く。



ふむ、ピアスか。



この女も無罪確定。


手札は「女性を見た」という目撃証言アクションカードばかり



ここでちょっと考えた。
片っ端から目撃証言を女性ばかりにすれば、必然的に容疑者は男性に絞られる。
そうすればカギを持っている男性を除く3人(最初に推理したやつら)のいずれかが
犯人になる可能性が非常に高くなる。

そうなれば、性別と犯人を当てられる可能性が高くなる。

よーし、この方針でいくぞ。


アリバイカードを引いたら男を「女性を見た」という証言の場所にもっていく。



動機チップに関しては適当に置いて、可能性のなくなったものから
予想タイルを捨てていく。


事故死と女性の予想タイルは捨て!




いい感じで目撃証言が女性だらけになっていく。




女の容疑者タイルは基本的に捨てなのだが、科捜研で証拠品が見つかった
コイツだけは残しておく。




思惑通り男連中の容疑を深めることに成功。




2度目の科捜研。この証拠品は、、、




このオバサンか。まだアリバイの証言が取れてないな。



しかし、この段階で科捜研で見つかった証拠品は一番下に置かれるので
犯人になる可能性はあまり高くない。


そして、結局なんと目撃証言は全員「女性」になった



つーわけで、最初に科捜研で見た証拠品の女性の容疑は晴れた。

いよいよもって男3人に容疑は絞られたことになる。


最終的な予想に残したのは、この3枚。



事故死でない限り、犯人と性別は的中する計算だ。



さぁ、注目の科捜研。一発目の証拠品は、、、




コイツか!目撃証言とアリバイも一致してない。犯人確定。



逮捕

俺は犯人と性別が的中したので14点。 kunさんは。。 なんとパーフェクト的中! くそー、2連敗でした。
プレイ記2



フォルテさん、たっくん(小)、JOSSさん、俺の4人プレイ




俺のタイルは、、口紅か。



最初の推理は、当てずっぽうだけどとりあえず「女」に的を絞ってみる




さて手札。動機のカードが1枚、動機カードが一番使い勝手が悪いのでさっさと処分しよう。



俺「じゃぁ、動機で痴情です」


適当な人に載せてみる。



この段階では、ホント適当に置くしかないよな


よし!ローデンバッハー来た!



なかなかツイてるぞ


フォルテさん「じゃあ、ローデンバッハーで」



たっくん(小)「あー、ずるい」

くそー科捜研、先に行かれたか・・・


たっくん(小)「ロープウェイ乗り場で女の人を見ました」



女性の目撃証言が集まってきた。

んー、てことはさ。男の方が怪しくなってくるよね。

早くも推理タイルを入れ替えなきゃかな。

いや、まだ早いな。


2ラウンド目、やることは決まっている。

俺「ロープウェイ乗り場で男の人を見ました」

たっくん(小)「あー、いいなぁ」

そうです、アクションが実行できるんですねー


当然、科捜研に行く



パイプか、これは重要な情報ですねー


科捜研にあるタイルは4枚。
そのうち最初のタイルはフォルテさんに見られてしまったから
俺がみたパイプは、科捜研のアクションが全部埋まったとすると
上から3番目になる。




順位的に、ちょっと出遅れてしまった感はあるが
とりあえず、この男を犯人としてマークする作戦でいく。


事故死は、とっととバイバイ



このゲーム、何回かやってるけど事故死は一度も見たことが無い。


そして目論見通り、この男のアリバイは怪しくすることに成功。




それと忘れちゃいけない、この女。



口紅の証拠品タイルは俺が持ってるので
この女の無実は確定。


なので、この女についてはアリバイを矛盾させておいて
他のプレイヤーに的を絞らせないようにする。



俺「レストランで男を見ました・・と」

これも首尾よく事が運んだ。


さて、ローデンバッハー



とにかく推理タイルを入れ替えなくては・・

フォルテさん「ちょっと待った」

急用タイルを差し出すフォルテさん

えーーー・・・マジかよ。。

俺「じゃあ、しょうがないな。。急用行きますよ」

フォルテさん「推理タイル取り替えます」

俺がやりたかったのになー


JOSSさん「商館で男を見ました」



んー、、、それはちょっとやな感じだなぁ


俺「推理タイル入れ替えます」





しかし、あのゴルフ場の神父も怪しいし、はっきり言って分からんな



俺「ローデンバッハー」

たっくん(小)「ちょっと待った」

俺「えー、俺そんなに急用無いしぃ^^;」



俺「射撃クラブで・・はもう目撃証言取れてるので」

俺「たっくん(小)、今度こそ証拠品タイル見せて」




ふーん、そういうことね。

神父は無罪確定と・・



さあ、俺の推理はコレだ!




いくぞ、科捜研

証拠品をめくっていく、ぺろん



ピアス?

たっくん(小)「やったー、、満点」

あー、アリバイ無いよ。犯人決定。




たっくん(小)がパーフェクト的中で勝利

俺、当たったの動機だけだ・・



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

テーマが推理モノにしては、非常に軽い感じで楽しめる。
最初に犯人が決まるわけではなく、ゲームの流れの中でだんだん犯人が割れていく
というのが新しい感じのゲームだ。

雰囲気もいいし、実際に事件を捜査している気分に十分浸れる。
まあ、どちらかと言うと犯人を推理するというよりは自分が予想した犯人を
仕立て上げるという感じなのだが(笑

運によるところも大きいのだが、自分の思惑通りに事が進んでいくと
名探偵シャーロックホームズみたいな気分になれる。そうなるとなかなか楽しい。

そういう意味で、これ以上ないくらい雰囲気やテーマという部分に関しては抜群の出来。

しかし軽い気分で雰囲気を楽しむゲームだと言えば、これでいいのかも知れないが
システム的にはちょっと荒さが目立つといえば目立つ。

まず序盤は推理の手がかりが極端に少なすぎること。
あまりに少ないのでどうしたらいいのか分からないくらいだ。

で、当てずっぽうになってしまう。

この序盤の適当さ、もう少し何とかして欲しかった気がする。

そして、基本的に捜査は消去法であり、積極的に「コイツが怪しい」とはなりにくい点。

推理モノであるのに、実際にはあまり推理していないのがちょっと残念。

相手の動向からなにかを読んだり、ブラフをしたりというのもやりにくい。


そのテーマ性から、クニツィアの作品のような洗練されたシステムを期待していると
肩透かしを喰らうことは間違いないと思う。悪い言い方をすれば、詰めが甘い。


でもシステムの基本的な部分は決して悪くない。
あくまで、軽いノリで捜査している気分を楽しむには十分。
優れたテーマ性とコンポーネントを最低限生かしているくらいの評価はできる。

一手のミスが命取りになるような厳しさは無いので初心者にも十分楽しめると思う。

というか、むしろ初心者向きのゲームなのかもしれない。


ここに和訳ルールと日本語シールがあります(要Googleアカウント)
これらの和訳を作成下さった
hiroceanさん、カインのしるしさん、ぐんまさん、しなちくさん(順不同)に
改めて感謝申し上げます。



■4人プレイの感想追記

2人プレイに比べてやれることが半分(プレイできるカードの枚数が半分)なので
犯人を仕立てあげるというよりは、他のプレイヤーの動向に重きが置かれるようになり
2人プレイより事件を推理している感があったような気がする。

科捜研の訪問や、他のプレイヤーのチップも1枚か良くて2枚見られる程度なので
ローデンバッハーのカードを序盤に引けたらかなりラッキーな感じ。

見られるチップの枚数が限られているため、自分の狙っている容疑者以外は
アリバイの裏を取るように証言を得ていかないと、真相は闇の中になってしまう。

逆に科捜研に無いと分かっている、特に自分の持っている証拠品の容疑者の
アリバイは怪しくしておいて、他のプレイヤーの推理の邪魔をしたいところ。

2人プレイでも面白いんだけど、どちらかというと自由の利かない4人プレイの方が
推理を楽しめるという意味では面白いのかもしれない。
オフィスワークのアクションをプレイするタイミングがなかったとしても
最後の推理タイルの入れ替えは全員できるので、そのへんで調整が効いてる感じ。

なんというか今までになかったタイプの推理ゲーム。
何回かやってみた感じでは、他のプレイヤーの推理は外させつつ
自分の推理は的中させるというのは、かなり至難の業なので
比較的軽いゲームながら何回もやりたくなるタイプのゲームかもしれない。

というわけで当サイトでは4人プレイをおススメします!


■追記 08/17

いやー、難しい。
カード運が良くてもなかなかうまくいかないねー。

しかし、ちょっと気付かされたのはアクションとかローデンバッハーとか
で科捜研行くとか他人のタイル見たかったら、急用タイルを使うという手があるんだね。

良いカード引けなかったら割り込んでしまえばいいんだということ。
もちろん、相手も拒否できるので悩みどころではあるんだけれど。。

一見どうにもできないようでいて、意外とどうにかなる部分も少なくなさそうな感じがした。

冷静に考えればどう考えても、やっぱり運の要素は強めなんだけど
推理している気分は存分に味わえるので、これはこれでいいんだろうな。

なかなかこういう推理ゲームで気軽にプレイできるものって少ないしねぇ。


JohnnyBet



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