たっくんのボードゲーム日記

No.178
ポートベローマーケット
Portobello Market

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約40

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要





ボード全景。舞台はロンドン郊外、広場路地で結ばれています。




こんな感じかな、路地で囲まれた部分を区画と呼びます。




プレイヤーは自分の色のコマを路地に置いていきます。
路地のマス目には数字が書かれていて、大きい数字ほど勝利点が高くなる。



この例だと、赤のプレイヤーが3+2+2=10
黄色のプレイヤーが1+3=4

これが基礎点。


さて、広場にはお客を置いていくのだが、3種類いて



灰色 :サクラ
ピンク:市民
黒  :貴族



路地がコマで全て埋まり、その両端の広場にお客コマが置かれたとき
得点計算が発生する。




得点計算方法は、これを見れば大体想像がつくかと思う。



さっきの基礎点に、この数字を掛けた点が勝利点になる。

つまり、先の例だとお客コマは灰色とピンク(サクラと市民)であったので
×2となって、結局、赤のプレイヤーは20点、黄色のプレイヤーは8点がもらえる。

ちなみに、黒の貴族コマは1つしかない、ちょっと特別なコマ。




手番でできることは

お客コマを袋から引いて、好きな広場に置くか



自分のコマを路地に置くかの2択



これを任意の組み合わせで複数回、プレイする。


何回できるのかというと、ちょっと変わったアクションポイント制になっていて



2回、3回、4回の3つの中から選べる。


で、使ったアクションタイルはひっくり返す。



もちろんひっくり返したタイルは次の手番では選択不可で
3枚全部ひっくり返されたら、その次からまた3択に戻る。


さて、お客はどの広場に置いてもいいのだが、路地にコマを置くときは
少々制限がある。


まず、置こうとしている路地に隣接する区画にボビーが居なければいけない



そして路地にコマが1つも置かれていない場合は、両端のどちらかに置ける。


こんな感じかな。




その後は、すでに置かれているコマに隣接するように置いていく。



※この時点では、もう片方の端には置けなくなる。



ところで、ボビーなのだがコイツは手番中、自由に区画間を移動させていいのだが
場合によっては勝利点を支払わなければならない



例えば、赤のプレイヤーの場合、自分のコマが最多になっている②の路地を
またがって移動させる時は無料なのだが、自分のコマが無い①を移動させる場合は
1勝利点を支払わなければならない。

また、他のプレイヤーが最多となっている路地の場合はそのプレイヤーに1勝利点を支払う。


1つしかない貴族コマは10個目のお客が広場に置かれたとき
任意の広場に置かれます。

また、ゲームの最後に貴族が関わっている路地だけは、コマが埋まっていなくても
同じように計算を行います。


■ゲームの終了
誰かがコマをすべて置き切ったら、そのラウンドの最後まで行って終了します。



また、アクションタイルの2と4にはそれぞれ、×2、×4というのが付いていて




これを区画に置くと、ボーナス点がもらえる



もらえる点数は、その区画に接している自分のコマ数×タイルの数字

この場合、コマは6個×4で24点となる


アクションタイルを置いたら、手元には灰色のアクションタイルを補充します。



最初は3なのだが


だんだん減っていく




こんな感じのゲーム。





Odenhoven, Thomas
プレイ記




相棒と対戦、スタートプレイヤーは俺。



とりあえず3アクションのタイルを使う。


得点の高い路地に置く。



お客を1つ袋から引いてみたのだが、サクラだったので関係ないとこに置く。


相棒(赤)も似たような感じの初手。



引いた客が市民だったので、当然、自分とこの路地につながる広場に置くよね。


俺も市民、引いた。




その後の俺の手番。もちろん置くのは、、




両端が市民の路地!



相棒「うん、そうするだろうなと思ってた」


これで得点計算。



俺の黄色が7×3=21点
相棒の赤が5×3=15点


その後も引いた客は全部市民(ピンク)



引きがいいんだか悪いんだか。

相棒がいっぱい置いてるところはサクラを置いてやりたいところなのだが^^;


こんなもんでいいか、×2のチップを区画に置く。



相棒「あれ?×4を置くのかと思った」

×4はまだちょっと置くのもったいない気がするので

アクションが4→3に減っちゃうのも微妙に嫌だし。



ビシバシ置く。この時点で俺残りコマ4つ。



相棒「もう残り4つ?」


そのうち3つを置く。空いてる広場には貴族を置きたいところ。




が、サクラ置かれた(T_T




貴族の周りはサクラだらけ、意味ねー




残った1個は、貴族の居る路地に置く。



これ1個で9点、意外とでかい。


相棒「うーん、、ちょっと待ってね」

相棒「うん、たぶんこれがベストだよね」



俺「あ・・・」


■最終結果



俺「あー、、序盤に×2のチップ置いたとき」

俺「あれ、×4の方置いてれば勝ってたかもなぁ」

相棒「私もそう思うよ」



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

コンポーネントもルールも非常にすっきりできててプレイしやすいゲームだ。
変則アクションポイント制ではあるものの、コマを置くだけなので
ほとんど煩わしさは感じない。
セットアップも片付けも非常に楽。そしてプレイ時間も40分前後と
このプレイテンポがだれないちょうどいい感じだ。
収束性もすごくいい。

しかし、あまりにテンポが良すぎてプレイ感は非常に淡白。
そしてその淡白さ以上に気になったのはソロプレイ感。

思った以上に、他人のプレイが自分に及ぼす影響が小さい。
これは初見の印象とずいぶん違った。

コマを置くにしても、「他人に便乗する」とか「他人のジャマをする」というのが
ほとんどないので、コマを置くエリアが住み分けられてしまうと
本当にソロプレイになってしまう。

ボビーの移動のとき他人に支払うポイントが、たったの1ポイントなので
これもあって無いようなもの。置かれているコマの数に応じて支払う額が
変わるとか、もうすこし工夫が欲しいところ。
結局「1ポイントくらいいいや」で終わってしまう。

それと、ボビーが移動できる範囲も制限したほうがいいと思う。
隣の区画までとか。

あまりに自由すぎてやりたい放題で、前述の移動コストの安さもあいまって
ボビーの存在意義が薄い


手番ではどうするかいろいろ考えるんだけど、もっとも高得点になる方法を
計算しているだけで、いわゆるジレンマのようなものがあまりない。
まぁ、そのへんが淡白さに拍車をかけているんだろうな。。

あと、この手の地図系ボード全般に言えることだけれど
もう少しマップにメリハリがあった方がいい。
あまりにバランスよく広場や路地が配置されすぎてて、たとえば最初のボビーの配置なんか
「どこに置いても一緒」という気がする。

なんつーか、余計なものがそぎ落とされていて、すごく素朴でシンプルな
ゲームに仕上がってるんだけれど、大事なジレンマや面白味まで
一緒に削りおとされてしまったような感じ。


余談だがチケライの列車コマとか、こんな感じの木製コマだったらよかったのになぁと思う。
それくらいコンポーネント類に関してはかなり良く出来てる。



■後日再プレイ・・

初回プレイほどのソロプレイ感は感じなかった。
邪魔、というよりは残りの相手のアクションタイルを見て
どこに置くのが有利かを考えている感じで、そこそこのカラミがあった。

かなり運の要素は少なく、ほとんどアブストラクトに近い。
その淡白さがプレイ感を軽くしているような気もするのだが
アンダーカバーほど淡白ではないと思う。

ただ、やっぱり何かが確実に足りない。
プレイし終わった後の気持ちの良い余韻がない。
たとえばチケライなら、長距離の目的地カードを達成したとき
カルカソンヌなら大きな街を完成させたとき
そういう達成感というか、充実感に乏しいんだよなぁ。。

コンポーネントも含めて雰囲気は良く出てるだけに
余計そういうのを強く感じてしまうのかもしれない。

やっぱりゲームは、勝ったら(うまくいったら)充実感を
負けたら悔しさを感じられないとダメなのかもしんない。


JohnnyBet



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