たっくんのボードゲーム日記

No.221
ペルガモン
Pergamon

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約50

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




価値の高い美術品を発掘して、博物館に並べるゲームです。

ちなみにペルガモンというのは、トルコに実在する遺跡の名前で「ゼウスの大祭壇」等が有名。
ドイツのベルリンに建てられた同名の博物館に復元、展示されている。


ボード全景



ボードは大きく3つのエリアに分かれていて
左から、発掘現場カレンダー博物館となっている。

発掘現場で発掘して、博物館に展示するという流れ。

カレンダーは12ヶ月分のエリアに区切られていて
1ヶ月1ラウンド。つまりゲームは全12ラウンドで構成されます。


発掘品タイル。壷や仮面、腕輪など2枚1組で1つの発掘品が完成する。




こんな感じかな。これでこの茶色の壷は完全に復元されたことになる。



そして、下部の3桁の数字が発掘品の年代で
古いものほど高価値になる。

つまり、この壷は紀元前585年のものというわけ。
ちなみにこれはゲーム中、かなり古い品物になる。


なので、タイルに書かれている数字はどちらも年代を表しているわけだが




右下の数字は100の位
左下の数字は10の位と1の位

を表していることになる。

当然右下の数字の方が重要。


さて、たくさん破片を発掘したら1列に並べてコレクションを作ります。




各プレイヤーにはⅠ~Ⅲまでの長いタイルと丸いタイルが配られます。




で、長いタイルをコレクションの端にくっつける。





これを博物館に展示するのだが



このとき、発掘品の100の位の数字の合計が
このコレクションの価値になる。

つまりこの場合、3+1+5=



なので博物館の中の、の場所に丸タイルを置きます




下の楕円の中の数字が決算を迎えたときに得られる勝利点になります。



この場合3点。

※それとは別に、どんなコレクションでも展示すると必ず即1点もらえます


タイルは3組あるので、1人につき3つまでコレクションを作ることができる。




これらのコレクションは当然、博物館に展示されていくわけだが・・




新しい展示物が出ると、古い展示物には客の興味が薄れてしまうというわけで
追加された展示物の位置より、手前(数字の番号が小さい)展示物は
1マス移動させられてしまう。



この例では、赤のⅢが展示されたことによって、それより手前に展示されていた
青Ⅰと赤Ⅱのコレクションは、1つ数字を下げられてしまう。


1のマスより前に押し出されてしまえば、そのコレクションはもはやゴミとなり
コレクションを解体しなければならない。




さて、ボード中央はカレンダーになっているのだが
これは簡単に言うと、ゲームの進行チャート。



特定の月(ラウンド)に決算があり、勝利点をつけます。
このとき、ボーナスで勝利点をもらえる発掘品があります。


例えば、最初の決算は5ラウンド目なのだが
ここでは最も古い壷を展示しているプレイヤーに2勝利点が入ります。

7月は水差し、9月は仮面、そして最終12月は腕輪。

さらに12月だけは、すべての展示物の中でもっとも古いものに3勝利点
2番目→2勝利点、3番目→1勝利点がもらえます。



まず最初に、発掘品タイルを1ラウンドにつき5枚ずつ重ねて伏せて置きます。




ラウンドの最初に山をあけて・・





発掘現場Ⅰ~Ⅴに古いものをより下に並べます。




まず100の位で比較して、同じなら10の位と1の位を比べます。



より価値の高い(古い)ものがより深いところに置かれます。

そしてこれらを発掘するには、深さと同じだけの発掘資金が必要になります。

例えばⅤの階層を発掘するには5金必要になる。


割り当てられる発掘資金はカードで決めます。



1~8のカードが3枚ずつ。

背のデザインが2種類あって



1~4のカード → 袋
5~8のカード → 箱

という感じで、カードの背からおおよその金額が分かるようになっている。


この資金カードを2枚、背を向けたまま場に置きます。



この発掘資金は全プレイヤーで共有

カードの背を見て、予算の総額のあたりをつけた上で各プレイヤーは
発掘資金として要求する金額を決めます。


ボード上部は要求金額と発掘可能な階層が描かれたチャートになっていて



左にいくほど、要求金額は高くなる。



ここに自分のコマをスタートプレイヤーから順番に置きます。



この場合、
黄・・・2金
青・・・2金
赤・・・3金 を要求しています。


全員がコマを置いたら、資金カードをオープンにします。



8金でした。

で、右にコマを置いたプレイヤーから順に資金を割り当てていき
一番左に置いたプレイヤーは残ったお金を全て受け取ることができます。

つまり、この場合
黄と青のプレイヤーは要求通り2金が割り当てられ、残りは4金。
これは全て赤のプレイヤーがもらうことができる。


もちろん、カードの額面によっては要求通りの金額が受け取れないこともあり
最悪の場合、まったく資金がもらえないこともある。


資金の割り当てが終わったら、コマを右に置いたプレイヤーから順に発掘をします。



黄のプレイヤーはⅠ~Ⅳの階層のどれか1階層のみを発掘できる。


発掘は階層に応じて必要な資金を支払ったら
その階層に置いてある全ての発掘品をゲットできます。



つまり、発掘品の数によらず必要な資金は固定になっている。
もちろん、発掘品が多い時のほうがお得。


発掘品は
1)手元に保管
2)博物館に展示

のどちらかを選ばなければならない。

手元に保管する場合は、タイル3つまで無料
4つ目以降は、3つ1セットで保管料1金が必要になる。

展示する場合は、お金を支払うことで美術品を磨いて価値を高めることができる。
1金で1ポイント、価値を上げることができ最大3ポイントまで上げられる。


例えば、このコレクションの価値は9だが



3金支払って磨くことで、12まで上げることができる。


ちなみに最終ラウンドのみ、上限がなくなり
お金がある限り磨くことができる。


余談だが、勝利点チップは博物館の入場券になっていてなかなか凝ってる。






Dorra, Stefan
プレイ記

JOSSさん(赤)、kunさん(黄)、ジーンズさん(青)、俺(緑)の4人プレイ




資金カードは「袋」×2

俺「資金は・・最低で2、最高で8ですね」



一番後ろに陣取る黄色のkunさん

kunさん「これ、どこ置いても同じでしょ」

まあたしかに・・



さて、オープン。資金は、、4ww

kunさん「乙ww」




俺は、とりあえず1金で掘っとくか、発掘品1枚ゲット



2ラウンド目、おおお、すげえお宝ざくざく




しかも資金も豊富



JOSSさん「てことは、最低10金はあるってことですね」


当然、要求資金も高くなる。



さて、資金オープン。

kunさん「おー、高い14金」

俺は4金ゲット


腕輪ができたぞ、まだ展示はしないけど




3ラウンド目、明らかに5階層目が美味しい




しかし、ここはまだ資金獲得を優先、一番後ろに駒を置く。



よっしゃぁ15金!



まあ、例のお宝は一番最初に発掘したジーンズさんが根こそぎゲット

ジーンズさん「どうしようかな、このまま展示、、するよな」



初めての展示物、しかも2個しかないのに価値が10もある


俺はこんな感じなのだが、まだ展示はしない。



最初の決算のボーナスが一番古い壷なので、できれば壷を展示したい。



決算ラウンド、資金が宝箱2つなのだがここはそんなものよりも発掘重視!




全部つながったぞ!いざ展示!



価値13まで高められた。



最初の決算。こんな感じ。



俺「一番古い、、壷は、と。。」

JOSSさん「やられたんだよ、なんでこれできちゃったのかなと思ってさー」

JOSSさん「壷ができたのウチとたっくんさんとこだけなんです」

JOSSさん「これだけを狙ってたんだけどなぁ・・」

俺「ふふ、(こっちも狙ってましたよ)じゃ私2点ですね」





ジーンズさん「仮面と指輪が欲しい・・」

俺「ちなみに腕輪ですww」

kunさん「1の展示物ばっかり作って磨きまくるって手もあるなw」



あっという間に2回目の決算、ボーナスは一番古い水差し。



ジーンズさんがゲット


俺の展示物は。。




俺「じゃあ、決算終わったんで価値が下がります」

俺「ハイ、ガラクタはさっさと片付けてくださいwww」

kunさん「仮面がゴミになっちゃった、、580くらいあったのに。。」



ジーンズさん「あそこの(俺の)仮面を蹴落としたいんだよなー」

ふふ、まだ価値10のところに居るから蹴落とすのは難しいですよww




ラストラウンド、んーーしょぼい



ジーンズさん「2金で2階層掘ります」

まあそこを掘られてしまったら、俺は3階層を掘るしかないな


最後の展示物はこんな感じ、下段の仮面は今のところ最古の発掘物!




ラストラウンドの様子



kunさん「俺は最後、価値1の壷を全力で磨いて9にしますww」

kunさん「ほら、超ピカピカだよ(笑」

JOSS「逆にありがたみが何にもねぇww」



最終結果は・・

ジーンズさん「21点」

俺「25点」

kunさん「16」

JOSSさん「あ、私3位? 19点」

kunさん「あー、やっぱりダメだった。全力で磨いたんだけど(笑」


所要時間約1時間


プレイ記2

3人プレイ


宝箱に袋か・・

こんなもんかな



トータル8金、まずまず



3金ゲット



最初は1枚しか取れないので、掘らずにやり過ごそうかなと思ってたのだが
3階層のアレはちょっと美味しいな



掘る



3ラウンド目、おお、宝箱×2



発掘現場も美味しいことになっとる



どうすっかな、、箱×2だし、ここは後ろに置かないと勿体ない気がするけど



金を取りにいった結果、


4、5階層は先に掘られてしまい(当たり前だけど)


ま、こんなとこで展示しとこうかな


もう1個つなげられるけど、これは敢えて残しておく




展示品のパズルで悩みまくるKGさん


KGさん「うーん、これ以上つなげられないよな」

たっくん「いや、これつなげられますよ」

KG「あーー、つながるの?分かりづらいよこれーー(笑」


さーて、最初の決算ラウンド












たっくん「じゃあ、壷を展示してるのは私だけなんでー」

たっくん「2点もらいますね」




次のボーナスの水差しもいけそうな雰囲気




これで展示はちょっともったいないな











結局こうなった



しかし保管費を払い続けて、矯めてきたものを放出してきた黄色のOさんの動きが気になる



うわ、、すげぇ・・・






KGさん「うーん、わかんねぇなこれ・・・」


KGさん「仮面の右側が足りないんだよ。。」








KGさん「できた!」


うわ、すげえなそれ


しかし、上には上が居る







俺はこれが精一杯



だけど、ボーナス分の点を総取りしてきたので決して負けてはいない

でも1点差で負け。Oさんの勝ち。

最近、このゲーム勝率が悪い。



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

これは、なかなか面白い!

比較的軽めのプレイ時間(2人プレイで30~45分くらい)と重さで、運と実力のバランスも
半々くらい(※敢えて言えば、運がちょっと強いかな?)で色々とちょうど良い。

アートワークもなかなか凝っていて、勝利点チップが博物館の入場券を
模して作られているというのも雰囲気を盛り上げていて好感度が高い。

ルールも面白さも非常に分かりやすく、ボードも小さめで
コンポーネントの構成もすっきり出来ているので初心者にもかなりオススメ!

全然違うゲームではあるのだけれど、プレイ感的にカルカソンヌと
何か似たものを感じる。本当になんとなくなんだけど。

新しい面白いアイデアも随所にてんこ盛りで、コマを1つ置くだけで
プレイ順と獲得資金、発掘できる階層が決定するというのは
なんとも悩ましく楽しい。

資金カードの背面が袋と宝箱の2種類で描かれていて、資金のおおよそを
なんとなく推測させるというのも面白い。

そして、なんと言っても発掘品を組み合わせるのは、軽いパズルチックな感じで
価値の高いコレクションを作り上げる楽しさがある。


ちょっと気になったのはダウンタイムの長さかな。

・発掘する階層を選んで発掘品タイルを取る
・発掘品タイルを組み合わせる
・展示するか保管するか考える

このプレイ時間のゲームにしては1手番でやることが比較的多めで
まあ、プレイヤーによるところが大きいのだが
どちらかというと、長考しがちなタイプのゲームではあると思う。

でも気になったことはそれくらいかな。

2人プレイと3人プレイを1回ずつやってみたのだが、ほとんどプレイ感に差は無かった。
盗賊(2人プレイ時のみのルール)がうまく効いている感じだ。


どうもこのところ評価Aを乱発気味だけど
このゲームは自信を持って万人にオススメします。

ライトプレイヤーだけでなくフリークな人も十分楽しめると思う。



4人プレイ感想追記

やっぱりかなり良い感じだ、2~4人どのプレイ人数でも
それほど大きなプレイ感の差は無く楽しめる。

まあ、もちろん人数が増えるほどワイワイ盛り上がれるのは確かだが
システム的には2人でじっくり遊んでも十分面白い。

そういうところも、なんとなくカルカソンヌに似てる気がする。

準備フェイズで発掘品の山を作ったり、発掘品を年代順に並べたりするのが
強いて言えば面倒なのだが、まあそこまで気にする程でもないと思う。

ゲーム中忘れがちなルールは、ボードにさりげなくアイコンで描かれている点もすごくいい。
1回プレイしたことがあれば細かい部分はアイコンを見て思い出すことができる。

お金に関しても、最初に配るお金はいくらだっけ?とか考えずに済むし
最後の良くありがちな勝利点への変換は「最終ラウンドはいくらでも磨ける」
この一言で済んでしまっているのは、すごくスマートなものを感じる。

これほど隅々まで良く考えられたゲームってのはある種の清清しささえ感じる。

2011/10/06


■追記

プレイ回数を重ねて習熟していくと、だんだん運要素の大きさが気になってくる感じはあるかな。
でも、それでも十分面白いし、なにより初めての人を引き込みやすそうな難易度の低さの割にはドイツゲームらしい思考的な要素を兼ね備えているところが素晴らしいと思う。

セットアップがちょっとだけ面倒なんだけどね。

2013/10/19


JohnnyBet



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