たっくんのボードゲーム日記

No.192
ナビゲーター(ナヴェガドール)
Navegador

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約90

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要





ボード全景、かなり横長のボードです。



ポルトガルから出航して、日本の長崎を目指しながら
各地で植民地を開拓していくゲームです。

長崎に着いたらゲーム終了します。


スタート地点のポルトガル




喜望峰を回って、、




長崎へ




各地に置かれているタイルが植民地タイル。



左から、砂糖香辛料の3種類があります。


さてこれらの植民地タイルをゲットするには、
その土地まで船を進めていかなければならないのだが



水色の丸いチップ(探検家マーカー)が置かれている海は未開の海で


ここに船を進めるためには必ず2隻以上必要で



このうち1隻は必ず沈没してしまう。
未開の海への航海は危険が伴うのだ。




その代わり、危険を冒したプレイヤーにはいろいろ見返りもあり
まず、探検家マーカーがもらえる。※これは後で勝利点になります。




そして、植民地タイルをめくります



数字が書いてあるのだが、一番小さい数字と同じ額の報奨金がもらえる。
この場合は、70が一番小さいので70クルザード(お金の単位)


さて、こうして開拓された土地の植民地タイルは買うことができる。
(値段はタイルに書かれている数字)

どの値段のタイルでも効果は同じなので、基本的に安いタイルから売れていく。


これらの植民地からは資源が生産され、それを売ることでお金を稼ぐことができる。


たとえば、金の植民地2つと砂糖の植民地1つを買ったとする。




ボードの左上にはチャートが書かれていて、これが相場



4列並んでるうちの左3つが、砂糖、金、香辛料の相場になっていて

金の植民地2つから金を生産して売ると、1つ60クルザードで売れる。

つまり2つの植民地があるので、60×2=120クルザード手に入るというわけだ。


しかし、資源を売るとその資源は市場に飽和していくというわけで



売った数だけ価格が下がる。

よって、次に売るときは1つ50クルザードに値下がりするのだ。


ところで、一番右の列は製品の売却価格となっていて

3つの資源には、対になっている製品がある。
砂糖製品金製品香辛料製品


製品は工場を持っていると生産することが出来る。



たとえば、このように金工場を2つ持っていると
金製品を2つ生産できる。


この場合、金の製品価格は1つ40クルザード。



それと、3種類どの製品でも生産できる「万能工場」というのを各プレイヤー
最初から1つずつ持っていて、ここでも金製品を生産することにすれば

合計3つの工場で金製品を生産できるので

40×3=120クルザードとなる


製品の値段は、資源の価格が下がるほど上がるようになっていて


まぁ、イメージ的には工場を稼動させると資源を使うので、需要が高まって
その資源の価格が上昇するといった感じかな。


プエルトリコなんかと違うのは、製品を生産すると言っても
製品コマやタイルがあるわけではないということと、植民地は資源を、工場は製品を
別々に生産できるだけであって、植民地と工場が2つ揃わないと製品ができないわけではない。

資源と製品は価格が連動しているというだけの話。

資源を売れば、資源の価格は下がり、製品の価格が上がる。
製品を売れば、製品の価格は下がり、資源の価格が上がる。

単純にそういうことである。



工場に関しては、植民地と違って船を使って開拓しないとゲットできないわけではなく
お金を出せば建てることが出来る。



ここから建てたい工場コマを買って取っていくのだが
だんだん価格が上がるのである。

最初は50クルザードで建てられるのだが、次は70
最後は1つ建てるのに250クルザードまで値上がりする。


さて、工場にしても植民地にしてもゲットするためには
お金以外に労働者が必要になる。


工場の場合は、1つにつき労働者3人




植民地の場合は、1つにつき労働者2人 +自分の船がその土地に着いていること




これが購入の条件。


ただし、労働者はお金と違って必要な人数が揃っているだけで良く、払う必要は無い

つまり工場をいっぺんに2つ建てようと思ったら6人の労働者が必要になるのだが
この労働者たちは、次のターンも使えるのである。


労働者は最初3人。9人まで雇うことが出来る。



最低2人は雇用しなければならない。
※というのは、後述の「恩恵」アクションで労働者を払う必要がある


探索に必要な船は造船所で建造し
植民地や工場をゲットするのに必要な労働者は教会で雇います。



それぞれ1つにつき50クルザードで建造したり、雇ったりできる。(船と労働者の値段が同じ)

つまり、造船所を3つ持っていれば150クルザードで3隻、建造することができ
(※新しく建造した船はポルトガルの海に置きます)

教会を4つ持っていれば200クルザードで4人雇えるということ。


さて、そんな感じで航海に出たり、植民地を獲得したり、資源や製品を売ったり
手番でやれることは、いろいろあるわけだが、、

なにを実行できるのかは、この「ロンデル」というシステムを使います。



航海 : 船を進める
労働者: 労働者を雇う
市場 : 資源や製品を売る
植民地: 植民地タイルを買う
恩恵 : 恩恵チップを獲得する※後述します
造船 : 船を建造する
建設 : 各種工場や造船所、教会を建設する

手番では、ロンデル上の自分のコマを3マスまで時計回りに進めることができる。
で、進めたところのアクションを実行するという流れ。

4マス以上進めることもできるのだが、その場合は1マスにつき船を1隻
破棄(ボード上から手元に戻す)しなければならない。

この写真の例では、赤のプレイヤーも青のプレイヤーも、「航海」、「労働者」、「市場」まではタダで
進められるのだが、植民地より先のアクションを実行したいと思ったら船を払わなければならない。



さてさて、件の「恩恵」。これが最終的な勝利点に直結するのだが。

ボード上には5人の大御所みたいな人たちが居て、それぞれ分野を持っている。




労働者を1人支払うことで、好きな恩恵トークンを1つ取ることができる。




これは1人1枚ずつ持つ個人ボードなのだが、ここに取ったトークンを置きます。




こんな感じ。



トークンを置くスペースには金額が書かれていて、報酬としてもらえます。
この場合50クルザード×持っている造船所の数。
書かれている金額とそれに対応する要素の数の掛け算が報酬になります。


こうすると茶色の造船分野は合計5ポイントとなる。



この状態でゲーム終了すれば、建てた造船所1つにつき5勝利点がもらえます。

他の分野も同じように植民地の数、工場の数、探検家の数、教会の数との
掛け算で勝利点を計算します。


ちなみに、ゲーム後半になるほど航海で進めるマス数が増えて、船はスピードアップします。
まぁ、詳細はルールブックをご参照。。





Gerdts, Mac
プレイ記



相棒と対戦。相棒が赤で、俺が青。




手番は俺から。まー、とりあえず海に出ますかねー。




ギニアの海を開拓。冒険者マーカーと80クルザードゲット!




相棒も航海で、南米大陸の方を開拓。




俺「んじゃ、さっき開拓したときもらったお金で植民地買うわ」



相棒は砂糖の植民地をゲット


よーし。じゃぁ早速さっき手に入れた植民地で商売するぞ~



いよいよ市場が動き始めた。
金を1つ売ったので価格が下落する。


基本的に植民地による収入の方が割がいいのだが
植民地ばかりでは価格が下落する一方なので
工場も建てておく。ま、万能工場もあるので新しく建てるのは当面1つでいいかなと。




同時に砂糖の植民地もゲットする。


その結果、相棒と2人で砂糖を売りまくったので価格が暴落。。



砂糖の工場を持っていない相棒には、この状況はけっこうきついはず^^


リオデジャネイロに進出する。
植民地は、、うわーしょっぱいなぁ、40クルザードしか入ってこない。



相棒「なんかね、砂糖の植民地はどれもしょっぱいよ」


しかし、40クルザードで植民地1つ買えるというのは
これはこれでおいしいので速攻でゲットする。




まあ、砂糖の取引価格は落ちるとこまで落ちてるんだけどさ(笑




さあそろそろ喜望峰に到達だ、いくぞ~




相棒に先を越された・・・(T_T




その後も常に一歩先を行く相棒の船団。くそー、追いつけん。




相棒の状況。探検家マーカー4つも持っていかれてる。




俺はまだ2つ。やっぱ造船所を強化しないとダメだな。




次々と送り込まれる相棒の船。



造船所1個と2個の差が如実に表れてる。。
その分、工場の建設では勝ってるのだが。


やめた。船で対抗するのはいったん中止。



比較的豊富に持っている植民地と工場で、まずは荒稼ぎするべ。
両方バランスよく持ってるので価格がどう変動しても安定した収入があるのは俺の強み。

あこぎに稼ぐことに専念する、世の中まずはカネじゃ!(笑


稼いだカネで造船所をつくり教会をつくり、労働者を雇って
今度こそ探検の旅に出航じゃ!




工場よりも値段の張る造船所や教会の方が良く売れてる・・




時代はマラッカ海峡到達目前。




新しい船もガンガン送り込む。



その横で、砂糖と金の相場は暴落したまま・・
しかし逆に言うと工場で作った製品は高く売れるのでいいでしょ。


そして時代は終盤戦へ




造船所を3つ持っている相棒は大量の船を投入してくる。




あの大船団が来る前に開拓してしまいたい。




航海の恩恵を伸ばしているので、ここで負けたくない!




一足早く我が船団が長崎に到着!これであと1手番ずつやって終わりだ。



最後は、やっぱり船を払ってでも恩恵をゲットしたい。

どの恩恵にするか、やっぱここは航海を伸ばしておくかな。




相棒の最終結果。
ほとんど俺と似たような感じだけど恩恵トークンの取り方がかなり違う。



結果は94対95 1点差で負けました。


所要時間90分。


プレイ記2

今回は3人プレイ



まあ、最初は大体航海に出ますよね




俺の青い船も未開の海を開拓




Mさんが俺の開拓した海に侵入してきた


このへんの最初の選択肢は実のところあんまり多くないんですよね


人を雇って



人身売買で早速恩恵トークンを手にする


人を雇う→恩恵トークンを得つつお金もゲット→教会建てる→人を雇う・・・

というサイクルを回していこうと考えていた


その横で、製品の売買も始まって相場が動き始めた



うーむ、、やはりここは安い砂糖植民地の入手に動いといた方がいいか


もうすでに、最初の作戦が崩壊しかかっていた


やることがどんどん支離滅裂になって、なぜか香辛料の工場を建てる


もうちょっと先のフェーズにならないと、香辛料の植民地は買えないんだから
香辛料工場の恩恵に預かることはできないのに・・何をやってるんだ俺

しかし、建ててしまったものはもうしょうがない。


ここはとっととフェーズを進めて香辛料の時代に突入させとく



しかしまだ遠いな(T_T


相場は圧倒的に植民地有利な状況で推移


植民地をほとんど手にできてない俺にとっては致命的に痛い


植民地重視組のリソースがいい具合に回り始めて


Mさん「じゃあ、マーケットで300金ゲットです」

やばい。。

だれかこの状況をなんとかしてくれ




胡椒ひとつぶは黄金ひとつぶ、やっとたどり着いた






さっそく買った

・・・胡椒工場とバッティングするじゃんか(T_T

自分でもイヤになるくらい、頭がまわってない







この段階に来て、しょぼすぎるこの状況



KGさんの5隻の大船団

KGさん「一気に長崎まで行くぞ!」







うわ、、、大量の赤い船




Mさんは大量の植民地で、めちゃくちゃ潤ってる



んー、マーケット行っても大してお金入ってこないし、かといって植民地買う金もない






KGさん「あ、やべぇ、(長崎に行くには)1隻足りねぇ」


KGさん「今から、造船してあそこまで進めるとなると遠いなぁ」

教会、2つしか建ってないけど、灰色の恩恵は全部埋まった(なにやってんだか・・)


お金とリソースがうまく回せなかった結果、人身売買で恩恵トークンをもらうくらいしか手が思いつかなかった

Mさんはもうまったく長崎など眼中になく、各地の植民地を根こそぎ買い叩かれて
Mさんが通ったあとには、ぺんぺん草一本生えない不毛の地が残されていく


もうだめだ、俺が長崎行くしかない。


ボロ負け

Mさんのぶっちぎり勝利



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

これはあのプエルトリコを遂に超えたんじゃないだろうか。
それなりの長時間ゲーであり満足感たっぷりなのに、重すぎないプレイ感。

個人ボードを持つタイプのゲームなのだが、プエルトリコに比べて圧倒的に
視認性が良いのがまずGOOD。
ほとんど言語依存がなく、個人ボードも小さめで細かい字を読む必要がないからかなとも
思うのだが、それにも増してこの横長のボードがなんか妙に見やすいんだよね。
ボードの大きさとしては大きい方だと思うのだけれど、幅が細いので
テーブルスペースを圧迫することなく、余裕を持ってプレイできるのは
非常にプレイアビリティがいい。

ロンデルに描かれているようにやれることは多彩なのだが
1つ1つのアクションは実に単純なので、プレイのテンポがいい。

エンリケ航海王子を使うか否かという選択肢が多少ダウンタイムに
影響を及ぼしているのだが、気になるほどではない。

そしてこの見事に機能している相場システム。
相場システムと言えばフリーゼの方が十八番だが、完成度としては
この作品が今のところベストじゃないだろうかと思う。

これがただの開拓競争だけではない、プレイヤー間の相互干渉を生み出していて
今ここで製品を売ってしまうと、他のプレイヤーを利してしまうとか
プエルトリコで言うところのバリアブルフェイズシステムに相当する部分かと思う。

そして探検者マーカーの獲得競争という側面もあり、いかにも大航海時代を
髣髴とさせるプレイ感とインタラクションが素晴らしい。
しかしガチバトルなゲームではないところがテンポの良さや
爽やかなプレイ感を生み出しているのだと思う。

強いて欠点を挙げるなら、プエルトリコよりもプレイヤーの個性が若干出にくい
部分はあるかもしれない。
あと、運要素がかなり少なめであるので実力差が出やすいこと。
まぁこれはしょうがないかな、こういうタイプのゲームでは。

どちらかと言えば建物の特殊効果とか、そういうのが無いという点では
プエルトリコよりもこちらの方が初心者に馴染み易いかもしれないなー。

このデザイナーは今まで知らなかったけど、インペリアルとかもこの人の作品なのか。
ロンデルにばかり注目が集まっているようだが、このゲームの骨格は
それよりも相場システムにあるように思う。もちろんロンデルも良く考えられてるけどね。

これだけ良くできたゲーム。日本のショップでも是非積極的に取り扱って欲しいと思う。

相棒「これは評価Aでいいんじゃない?」

俺はもうプレイする前からAかなと思ってたんだけどね(笑


■追記

4人くらいがベストらしいんだけど、このゲームはあまりベストのプレイ人数にこだわらなくても大丈夫そうな感じ。
2人でも十分面白かったし、もちろん3人もまったく問題なし。

思っていた以上に勝ち筋が多彩ですね、これ。
長崎へいかに一番乗りするかみたいなレースゲーム的展開になってみたかと思えば
そんなもの関係なしで買い物に走ってみたり。

前回やったときは、教会と恩恵のコンボがうまく回ったりしてたんだけど
やっぱり同じ手はそうそう通じないですね。

今回は負け方があまりに酷かったんだけれど、、

とても悔しい、でもとても面白い!

2013/06/08


JohnnyBet



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