たっくんのボードゲーム日記

No.377
ラ チッタ
La Citta

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約120

ルール難易度 基本構造はシンプルっと細かいルールが多めかな
日本語化 不要




ボード全景、ヘックス(六角形のマス)が独特な並び方で描かれています。




良く見るとヘックスの色が微妙に違っている部分があります




これは、プレイ人数によって使うマスが違うことを表していて
例えば2人プレイの場合は、薄い緑のマスのみを使用します。


ヘックスで囲まれた、三角形っぽい部分にはこういうタイルを置きます。




こんな感じ。カタンみたいにタイルを置く位置を自由に入れ替えて
プレイしてもいいのだが、これが一応初回プレイ用のオススメ配置らしい。




さて、ここを舞台にどんなゲームをするのかというと


都市を作って、できるだけ大きく発展させる(人口の多い都市をつくる)


具体的にいうと、できるだけ多くのを自分の都市に集めたプレイヤーの勝ち

ゲームは全6フェーズ(6年)で構成され
6年終了までに人をできるだけたくさん集めます。


これがその都市に住んでくれる人たち(コマ)


かなりチマチマしてます。(小さい)


さて、各プレイヤーは城タイルを4つずつ持ちます


全ての都市は必ず城を基点にします。



最初に2つずつ、城をボードに配置して人コマを3つずつ
城タイルの上に置きます。


城は隣接する畑から食料を獲得することができます。

畑には食料マーカーの数が書かれていて、この城に隣接している畑からは
それぞれ2つずつ食料が入手できます。


なので、この城からは食料マーカー4つが生産されます。



人コマ1つにつき食料マーカー1つが必要で、足りないと人が流出してしまいます。


さて、お城以外にも建築物は色々あるわけで




「都市」というのはお城を含む建築物タイルのカタマリのことを言います。


そして、都市を構成する建築物には1つずつ人コマが載っていることが必要で
人の居ない建築物はフェーズの最後に撤去しなければならない。

新しく置いた建築物の上に置く人コマは、基本的に城タイルの上の
余っているコマを持ってきます。
※「市場」だけはストックから人コマを持ってくることができる


さて建築物についてだが、とりあえず「市場」「農家」「採石場」について


まず、農家
※タイルを見やすくするために人コマは敢えてよけてあります


農家は城と同じように、隣接する畑から食料を生産できます。

つまりこの場合、城と合わせて8個の食料マーカーを生産できる
(人コマを8個まで養える)ことになります。


採石場は、山と隣接する場所に建てるとフェーズごとにコイン1つを収入として得られます。


もし2つの山に隣接していれば2コインの収入になります。

コインの使い道は後ほど。(※大きな建物を建てたりするときに必要になります)



市場を建てると、その都市に8個まで人コマを置くことができるようになります。


※市場が無い場合は5個まで


ちなみに、湖に隣接する場所に「噴水」を建設すると
その都市の人コマの配置数上限が無制限になります。



噴水タイルには上部に青のアーチのマークが付いているのだが


他にもアーチが付いたタイルはいろいろあって


基本的に

・白のアーチ → 文化
・黒のアーチ → 教育
・青のアーチ → 健康

という3つの要素を表していて、マークの数が多いほど
その要素のレベルが高いことを示している。


これがどういう効果をもたらすのかというと

この3つの要素に対応する、「民衆の要求カード」というのがある


各要素9枚ずつ、27枚あります


この要求カードを、フェーズ(年)の最初に4枚ボードに並べるのだが


オープンにされているのは1枚だけで、残りは伏せられています。


フェーズの最後に、この4枚をすべてオープンにして

最も枚数が多い要素を、多く持つ都市に人口が流れていきます


たとえば、あるフェーズの最後に4枚オープンにしてみた結果こんな感じだったとすると


黒が最多なので、このフェーズで重要視されるのは教育の要素


3マス以内に隣接している都市同士で、黒のアーチの数を比較します




で、勝っている側の都市に1つ、人が流入します。


ただし、同じプレイヤーの都市同士や、3マス以上離れている都市同士では
人口の流出・流入は起こりません。


1フェーズの間には、1人5手番ずつ「政治ラウンド」というのが回ってきます。


政治ラウンドの手番では、(基本)アクションカードを1枚プレイして
建物を建てたり、人を増やしたりします。



基本カードは1人3枚ずつ持っています。




基本カードで出来ることは3択。


ただし、城を建てることだけは1フェーズ(年)で1回しかできません。



基本以外のアクションカードは共有で、手番が回ってくるごとに
場から引いてきてアクションを実行します。


とりあえず、大きな建物を建てられるアクションカード


これらの建物を建てるにはコインが必要で
アーチ2つの建物はコイン1つ
アーチ3つの建物はコイン3つを支払わなければならない。



それ以外のアクションカードは5種類あって




まず「豊作」


これは、農家を1つ選択して自分のマーカーコマをタイルの上に置きます。

そうすると、このフェーズではマーカーを置いた農家から2倍の食料が収穫できます。



つぎ、「市民への接近」




このカードをプレイすると、民衆の要求カードをこっそり見ることができます。


通常は2枚まで見られるのだが、2コイン払うと全てのカードを見ることができる。


このカードでは、払ったコインに応じて人口を増やすことができます。


コイン無し → 1つ
コイン2枚 → 2つ
コイン5枚 → 3つ



このカードをプレイすると、建物のアーチの数を一時的に増やすことができます。


建物を1つ選択して、マーカーを置きます。



このカードでは払ったコインの枚数に応じて建物を建築できます。



こんな感じ




新しく建物タイルを置いたら




基本的に城から余ってる人を取って来て




配置します




ただし、市場だけは城ではなくて全体のストックから人を持ってきて配置できます






Fenchel, Gerd

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

このゲーム、ルールブックを読んだだけだとかなり複雑そうな印象を受けるのだが
基本的に1ラウンドにつきカードを最大5枚ずつプレイして、6ラウンドやったら終わり。
つまり1人30枚ずつカードをプレイするだけ、と言っても良さそうな感じがするくらい
システムそのものにめんどくささはほとんど感じない。とてもプレイしやすいゲームだと思う。

それ以外の手順は、全部ラウンドごとの単なる前処理と後処理であって機械的な作業に過ぎない。

インスト次第で初心者でも十分に遊べる内容だと思う。

逆に、このゲームで最も大きな障壁となってしまっているのは、そのインストの難しさ。
完全なゲーマーズゲームならこれで良いように思えるのだけれど、なまじ誰でも遊びやすいシステムであるため
ちょっともったいなさを感じてしまう。

細々したコンポーネントが多くて、セットアップもそれなりに大変であるため
そのあたりでもインスト役の負担が大きくなりがちかな?うまく作業分担できればいいんだけど。

ただ、そこさえ乗り越えられればゲームの内容そのものは非常に面白く完成度が高いと思う。

建物を建てたり、街を作ったりするゲームと言ってしまうとありきたりなんだけど
ラチッタの場合は、その作った街で人々が生活し始めることをとても良く感じられるところが素晴らしい。

こういうタイプのゲームって、人々=プレイヤーごとのワーカーコマであることがほとんどで
建物タイルの上に直接的にコマを置いたり取り除いたりしていくことが多いと思う。

でもそれじゃ、人々が生き生きと生活しているようには感じられないんですよね。

人々は自分たちの意志で行動する、プレイヤーが操作できるのはその判断材料を提示するところまで。

だからこそ、予測の難しい人々の行動に対して政治家であるプレイヤーは一喜一憂できるのだと思う。

これを、デジタルゲームではなくアナログゲームでここまで見事に具現化できてる作品って他にあるのかな?

直接的でない分、インタラクションは強すぎることもなく、でも弱すぎもせず
実にちょうどいいバランスを実現できてる感じ。

最初に書いたように大変なのはセットアップとインスト役だけなので、そこさえクリアできれば
間違いなくとても面白いゲーム。

そこそこの長時間ゲーなんだけど、あまり重たさは感じない。
※ちなみにプレイ時間はたぶん、3〜40分×プレイ人数というところ。

たぶん3人プレイくらいがちょうどいいかな、やってないけど2人プレイも十分いけると思う。
4人以上になるとちょっとプレイ時間の長さが気になってくるような気がする。


コンポーネントを含めて、枝葉は改良して欲しいところ満載なんだけどこの面白さにはAを付けておこうと思う。

2013/07/02


JohnnyBet



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