たっくんのボードゲーム日記

No.623
カイロ
Kairo

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約60

ルール難易度 ルール自体はそれほど難しくないが、少し高度な戦略が必要かも
日本語化 不要


ゲーム全景。カイロのバザール会場で露店を出して大きくしていくゲームです。
しかし、露店を大きくするにはお金がかかるので稼ぐことも重要です。



色が付いてるタイルが露店タイルで、お客さんを呼び込めるとお金がもらえます。



露店タイルは6色あります。1プレイヤーが1色を持つのではなくて、各色1枚ずつ持ちます。
タイル中央のマークが、持ち主のプレイヤーを表します。
人みたいな形のコマがお客さんです。お客さんも露店と同じく6色で1個ずつあります。


チグリスユーフラテス と同じ方式。

バザール会場は9個のエリアで区切られています。



あと、この部分はレストランエリアで、ここには紫の露店(レストラン)しか置けません。




こんな感じで初期配置します。
お客さんの初期位置は決まっていますが、何色をどこに置くかはランダムで1色はボードの外に置きます。


一応、上の図が初回プレイ時のおすすめの露店タイルの配置。

もちろん、好きなように露店を置くことにしても良い。

その場合は、スタートプレイヤーから順番に1枚ずつ好きな場所に置きます。
ただし、9個に区切られたエリアで、1つのエリアには2個までしか露店を置けません。(初期配置時のみの制限)

1人3枚ずつ置くまで続けます。



お金も露店やお客さんと同じように6色あって、各色1金ずつ最初にもらいます。



あと、露店カード。露店を出したり大きくしたり(拡張)するときに必要で、最初に3枚もらいます。




さて、手番でできることは、下記の3つのうち1つを選びます。

1. 露店カードを出して、露店カードで示されているエリアに新しく露店タイルを置く、あるいは露店を大きく(拡張)する。
2. お客さんコマを移動する。
3. カードを2枚引く。





例えば、この露店カードを出したとすると、このカードには中段左のエリアが示されています。



ということで、このエリアが露店や拡張タイルを置ける対象エリアになる。



例えばこんな風に置ける。


露店タイルのちょっと丸く出っ張ってるところが 露店の入口 で入口になるマスも空きマスである必要があります。
つまり、露店タイルを置くには最低2マス空いてる場所じゃないと置けません。
※他の露店タイルの入口になっているマスは空きマスではありません。

これも置けません、露店を隣同士には置けない。



露店の入口がボードの外を向いてしまっているので、当然これもダメ。



これは OK。角同士は隣接していることになりません。



これはダメ。紫のレストランエリアには紫の露店タイルしか置けない。



ということでこれなら置ける。




露店の拡張をする場合。

拡張タイルはこんな感じ。露店タイルと同じく、拡張タイルも出した露店カードで示されたエリアに置けます。



こんな感じ。露店タイルと同じ色の拡張タイルを隣接するマスに置きます。



露店の拡張を行ったとき、その露店の大きさが単独トップの場合は対応する色のゴールドメダルとシルバーメダルを貰います。


で、今獲得したメダルに書かれている数字の合計と拡張後の露店の大きさ(タイル数)を勝利点として貰います。

この場合、4(ゴールドメダル)+4(シルバーメダル)+2(露店の大きさ)= 10点 です。



露店の大きさがトップタイになった場合は、シルバーメダルだけ(シルバーメダルを持っているプレイヤーから)貰います。




単独トップのプレイヤーがさらに露店を拡張した場合は、メダルによる勝利点はもらえません。


さらに、露店の拡張を行うには、露店と同じ色のお金が拡張後のタイル数と同じだけ必要です。

つまり、赤の露店の大きさを2タイル分にしたら、赤のお金が2金必要になる。
他の色のお金2金で、その色のお金1金分に代用できますが、露店と同じ色のお金が最低でも1金必要です。



違う色なら、拡張タイルと露店タイルは隣接させることができます。



これは、赤の拡張タイルがどちらのプレイヤーのものか分からなくなってしまうので NG(置けない)。



自分の露店がまったく拡張できなくなった(他のプレイヤーの露店や拡張タイルで取り囲まれた)場合は、出した露店カードで示されたエリアに移動させることもできます。
※ただし、その露店が1度も拡張されていないことが条件。







お客さんを移動させることにした場合は、ボード上のお客さんコマを1つ選んで、同じ色の露店の入口に移動させます。

例えば、これで赤いお客さんを選んだとすると



赤いお客さんは、一番近い赤い店の入口にやってきます。
これが自分の露店だった場合は、露店の大きさと同じ分の同じ色のお金をもらえます。
この場合は、赤い露店の大きさが2なので赤いお金を2金もらえます。



他のプレイヤーの露店の場合は、まず手番プレイヤーが露店と同じ色のお金を1金もらいますが、露店の持ち主プレイヤーも露店の大きさと同じだけのお金をもらいます。

しかし、下記の客引きカードを出すと2番目に近い店にお客さんを誘導することができます。
※2枚出せば、3番目に近い店に移動させることができます。





お金をもらったら、移動させてきたお客さんコマをボード外に置かれているお客さんコマと交換します。





お客さんコマの移動について補足

・他のお客さんが居るマスを通過できる
・レストランエリアを通過できない
・露店や拡張タイルのマスを通過できない
・斜め移動はできない(上下左右の空きマスだけ移動できる)



露店タイル配置、拡張時の補足

全ての露店の入口は、全てのお客さんが到達可能である必要があります。

例えば、こんな状態のとき、ここにはタイルを置けません。



こう置いてしまうと、黄色のお客さんを閉じ込めてしまうことになります。



お客さんが居なかったとしても、紫の露店の入口に到達できなくなってしまう。



でもこれなら置けます。






以下の中から、合計2枚カードを引きます。

・山札の露店カード
・オープンになっている(4枚)の露店カード
・客引きカード



手札上限は4枚までです。
5枚になった場合は、4枚になるまで捨てなければなりません。

カード山がなくなったら捨て札の山をシャッフルして新しい山を作ります。


露店カードについて補足

露店カードには、3つのエリアが示されているカードがあります。
このカードを出す場合は、1金支払う必要がああります。(お金の色は任意)



露店カードを3枚いっぺんに出すと、どのエリアにもタイルを置けます。(お金は不要)


もちろん、露店や拡張タイルの配置ルールは守る必要があります。



ゲームの終了

1色の拡張タイルが全部なくなるか(各色6枚ずつあります)、2色の拡張タイルの残りが1枚ずつになったら終了フラグが立ちます。

これ以降は、お客さんの移動とカードを引くことができなくなります。
※手番をパスしたプレイヤーは、ゲームから抜けます。


最後に持っているメダル分の点数を貰います。
お金は3金につき1勝利点です。

合計点が一番多い人の勝ち。








Kimmo Sorsamo
プレイ記

Tomiiさん、tomoxさん、タケイさんと4人プレイ。



勝利点が高い緑の露店拡大を狙って、緑の上客に群がるの図。



タケイさんは初期資金を使って早速緑の露店を拡大。



まあ、こっちも負けてられない。が、先着された分、もらえる勝利点が少ないんだよな。



それでもメダルだけで4点ある。



点数が低い白は誰も見向きもしない。



露店1つ拡大したことだし、ここはお客さん呼んでおこう。



これで緑2金ゲット。



ま、それはタケイさんも同じ。



tomoxさん、その辺りは良い場所かもしれない・



タケイさん、緑露店、2回目の拡張。やばい、こっちの緑が窮屈な感じになってきてしまった。


その分、紫で頑張るしかないかなー

真ん中のエリアと上のエリアのカードがある。



あの辺、狙ってみるか。



予定が狂った。


白の露店は置けたけど、tomoxさんに先に拡張タイル置かれてしまった。

1、2、3、4、5、6、7。紫の客、ウチの店が一番近い。



紫3コインゲット。



真ん中が狭い狭い。



それにしても金がない。




紫のお客を呼び寄せて、紫3金さらに追加して、黄色のお客が登場。



そして次の手番、その黄色も自分の店に呼び寄せるというコンボが成立。



しかし、緑の方は完全に袋小路に追いやられた。



お金が貯まったのでカードを取ろうかと思っていたところで、赤の露店拡張タイルが売り切れ。


手持ちカードゼロなので、もはや何もできず・・これは痛い・・

タケイさんがダントツで勝ち。




評価・・・

※評価の基準についてはこちら

ちょっと惜しい感じもあるけど、かなり好きなタイプのゲーム。完成度は高いと思う。
インタラクションがかなり強く、同時にシビアなプレイ感。

他プレイヤーのお店にお客を動かすのは、その色のお金が欲しいってこと以外にも、自分のお店の入り口から邪魔な色の客をどかしたい時にもやる価値がありそう。
もちろん基本的には、お客さんを動かすときは自分のお店に呼ぶけどね。

お金を払って露店タイルや露店拡張タイルを置いて終わりじゃなくて、その露店を使ってお金を稼いで、それでさらに露店を大きくしてっていうサイクルが綺麗にできてる。

プエルトリコ も、畑とか建物を建てて製品作って、それを売ってお金を手にしてそれを元手にさらに投資してっていう流れに少し似てる。

露店を置いたり拡張したりする部分だけを取り出してみても、単に勝利てんや収入が増えるってだけじゃなくて、それによってお客さんの動線が変化したり、他プレイヤーの拡張スペースに影響を及ぼしたり色々な意味が生まれる。

お客さんの動きは正直ほぼ読めないけど、でも全く分からないかというとそんなこともなく、予測が効く部分もある。

得点システムも良く考えられてる。
単独トップになった時と、トップタイになった時の得点の入り方とか、あと、特定の色の露店だけを伸ばし続けてもあんまり良いことがないところとか。
競い合って、トップあるいはトップタイになれた時だけ大きく点数が入る。そういうところでも自然な形でインタラクションを促すデザインになってる。

ルールは割とシンプルに出来てる上に、プレイ時間は1時間前後とそんなに長すぎない点も良いと思う。
あまり欠点らしいところがない、強いて言えば難易度高めかもってことくらい、でもやること自体は分かりにくくは無いと思う。

これ、隠れた良作と言ってもまあまあ良いんじゃ無いだろうか?

4人プレイで全然良かったと思うけど、3人だとどうなんだろう。

2021/12/21


JohnnyBet



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