たっくんのボードゲーム日記

No.255
ユリウスカエサル
Julius Caesar

ルール和訳
プレイ人数:2
プレイ時間:約90

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 7枚のイベントカードは日本語化した方がいいかな・・




ローマ内戦(49BC~45BC)がテーマの2人専用のウォー(戦争)ゲームです。

プレイヤーはカエサルか、ポンペイウスとなって、ローマの覇権を争います。


ボード全景。地中海を中心に南ヨーロッパと北アフリカ周辺の地図が描かれています。


都市と都市は「街道」で結ばれています。



マッシリア-MASSILIA(現在のマルセイユです)がカエサル側の拠点


青四角の中の数字が勝利点で、マッシリアは1点

勝利点が付いている都市は全部で11都市あって、基本的に1点なのだが
ローマアレキサンドリアだけは2点となっている。


アテネ、ビザンチウム、エフェソス




ローマは2点




エジプトのアレキサンドリアも2点


なので勝利点の合計は13点

このうち10点を取る(都市を制圧する)とゲームに勝利します。

ということで、カエサルもポンペイウスも、都市を制圧するための
部隊コマ(ブロック)を31個ずつ持ちます。


カエサル軍




こちらがポンペイウス軍



部隊の構成や能力値に若干違いがある。


これがリーダー(指導者)のカエサルコマとポンペイウスコマ
とりあえず、コマの能力値の見方なのだが 各辺のギリシャ数字が兵力量になっていて カエサルの場合は最大で兵力Ⅲ。ブロックの上端の数字が現在の兵力量を表している。 で、敵の攻撃を受けて兵力が減ると、ブロックを90度回転させて Ⅱ、Ⅰを上にしていく。 逆に徴兵して兵力量を増強すると、減らしたときとは逆に回転させるといった具合。 兵力量は、部隊のHPであり、攻撃力でありといったところ。(詳細は後述) 右上のアルファベットと数字は「戦闘力」を表していて まず、アルファベットは部隊によってA~Dまであって 意味合い的には「すばやさ」のようなもの。Aの方が高い素早さを表している。 当然、CよりはB、BよりはAの方が良い 数字の方は「攻撃力」のベースのようなもので 先の兵力量との掛け算で実際の攻撃力になる。 これらの部隊コマを都市に配置していきます。 自分の部隊が置かれた都市は支配下においたことになり友好都市と呼びます。 部隊コマは立てて置かれ、敵の部隊コマの中身は見ることができません。 敵の部隊と自分の部隊が同じ都市に入ると、戦闘になる。 ここで初めて、お互いの部隊コマをオープンにします。 攻撃は、すばやさ(アルファベット)の若い順にターンが回ってきます。 この場合、ポンペイウスの"B"が最高なのでコイツから行動します。 ポンペイウスの現在の兵力レベルはⅢ ターンが回ってきた部隊は、現在の兵力レベルと同じ数のサイコロを振ります 2,2,4と出たとします。 部隊の攻撃力の数値を確認して その数値以内の目が出たサイコロの数を調べます。 ポンペイウスの攻撃力は3なので、 この場合、該当するサイコロは2つ。 これが攻撃の成功数となり、敵部隊の兵力レベルを下げることができる。 敵(カエサル軍)の兵力レベルは、最初ⅡとⅣであったのだが ポンペイウスの攻撃が2つ成功したことによって まず1段階、兵力レベルが減らされ さらにもう1段階、下がります 敵部隊の中で、最も大きい兵力レベルの部隊がターゲットになる。 そんな感じで、アルファベット順に攻撃アクションを行っていって 兵力レベルがⅠ以下にされてしまった部隊は全滅となり、その部隊コマは手元に戻されます。 ただし兵力がやばくなってきたら、部隊を撤退させることも可能。 敵部隊コマを全滅させるか、撤退させたら勝利となりその都市を掌握します。 戦闘は最大4ラウンド(1つの部隊につき最大4ターンずつ)まわってくるのだが 決着がつかなかった場合は、攻撃側は撤退しなければならない 部隊を移動させたり、兵力を増強したりするにはこういうカードをプレイします。 カードは大きく分けて2種類あって 1.コマンドカード:移動ポイント徴兵ポイントが書かれている(20枚) 2.イベントカード:特殊アクションの実行(7枚) まず、コマンドカードは左上の旗に書かれたギリシャ数字が移動ポイントで その下の丸いトークンの数が徴兵ポイントとなっていて この場合、どちらも2 まず移動。移動ポイントの数字だけ任意の部隊グループを動かすことができるのだが 「グループ」というのは1つの都市に固まっている複数の部隊のカタマリのこと。 移動の際は、グループごと(あるいはその一部も可)移動させることができる。 この場合、移動ポイントは2なので、2都市分移動できる。 都市と都市を結ぶ街道には基本的に2種類あって 実線:主要街道4部隊まで移動可能 点線:補助街道2部隊まで移動可能 つまりこの場合は、グループに含まれる部隊は2部隊なので 主要街道も補助街道も両方通過できる。 敵の居る都市に移動すると前述の戦闘になるわけだが その場合(戦闘を起こす場合)は隣接する都市にしか移動できない。 さて、徴兵ポイントの方は1ポイントで 手元のストックから新しい部隊ブロックを登場させられる(兵力レベルはⅠ) このとき、ブロックを置ける都市は友好都市(自分のコマがある都市)である必要があり 登場させるブロックによっては、都市名が指定されていたりする場合もある。 徴兵ポイントのもう1つの使い方は、減らされてしまった兵力レベルの回復 1ポイントで既存のボード上の部隊の兵力レベルを1上げることができる ただし、戦闘中の都市の部隊の兵力は回復させることができない。 イベントカードの方は全部で7枚あるのだが 2都市以上移動しつつ、戦闘を仕掛けられるものとか 先制攻撃ができるものとか、結構強力な内容のものばかり。 さて、部隊ブロックの中には海軍もある 海軍は、港(海岸線の都市すべて)と海域のみ移動可能となっている。 戦闘力はすべてDランクなので、他の陸上部隊との戦闘ではかなり不利。 こんな感じで、海軍は海域へ入ることができる。 都市と同じく、敵の海軍が同じ海域に入ってきたら同様に戦闘になる。 海軍は港から隣接する海域へ、海域からさらに隣接する別の海域や港へ移動できる。 港から港へ直接移動することはできず、必ず海域を経由します。 こうして、海域に海軍が置かれると、友好都市と同じように友好海域となります。 陸上部隊は港から港へ友好海域を経由して移動することが出来る。 この場合、港→友好海域→港と2ステップ移動しているので、2移動ポイントで 移動させることができる。 ■ゲームの流れ 1.27枚のカードを全てシャッフルして6枚ずつ配る 2.配られた6枚を見て、1枚を伏せたまま捨て札にする 3.手札から1枚ずつ伏せて出して、一斉にオープン 4.移動ポイントの高いカードを出した方からアクション(3フェイズ)を行う   ※同じ場合はカエサル側が優先 5. 3.と4.を全部で5回(手札を全部プレイする)行ったら1年終了 6. これを5回(5年)やったらゲーム終了    制圧している都市(友好都市)の勝利点の合計が多い方の勝ち ただし、毎年の終わりで10ポイントに到達していたら、そのプレイヤーの勝ち。 おおまかな構成
1ゲーム
(5年)
1年
1ターン
フェイズ1 - カードのプレイ カードを1枚ずつ伏せて出して同時にオープン
フェイズ2 - コマンドの実行 移動ポイントと徴兵ポイントの使用
フェイズ3 - 戦闘 4戦闘ラウンドを処理する(紛争地域がある場合のみ)
戦闘ランクA→B→C→Dの順に
ブロック(コマ)単位で次の3つの中から選択する
①攻撃(ダイスを振る) ②退却(最初の戦闘ラウンドでは選択不可) ①パス
1ターン 3フェイズ
1ターン 3フェイズ
1ターン 3フェイズ
1ターン 3フェイズ
1年 5ターン
1年 5ターン
1年 5ターン
1年 5ターン
まあ、詳しくはルール和訳をご参照。。
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Grant, Dalgliesh
Justin, Thompson
プレイ記



フォルテさんと対戦


俺がカエサル、フォルテさんがポンペイウス

カエサルの方が条件が厳しそうだったため、インスト役の俺が厳しい方を選択。


さて、最初の6枚


アポロ(コピー)とマーズ(先制攻撃)か・・

とりあえず、左端のⅡ-1のカードを捨てることにする。

イベントカードはどれも強力だからな。


ギリシャ~トルコの空白地帯を押さえることも重要だが・・




やはり1手目は、これ1択か





せーの、オープン。


フォルテさんもやはり移動ポイントⅢのカードで来た

その場合は、こちら(カエサル側)が先に動ける。
これも計算済み。


で、どうするのかというと、とにかく勝利ポイント2のローマを押さえる


もう、カエサル側の初手はこれしかないんじゃないの?と思った。


次は、やはりビザンチウム。ここも最重要ポイントの1つだろう。


急いで部隊を派遣する


総大将(カエサル)自ら先陣を切って進軍する



マーズによる先制攻撃は、見事にイベントカードがかぶって失敗。


第1ラウンド終了時。特に戦闘も無く、静かな立ち上がり。




第2ラウンド、手札にはバルカンとプルート




ビザンチウムに到着。ついでにここで雇える強力な部隊を徴兵。


"B3"は強いよな


海峡を挟んで睨み合い状態。


プルートを使えば2部隊送り込めるのだが、基本的に防御側が有利な上
3対2では勝ち目は薄い・・


バルカンを使うか



俺「これ、減らしてくださいw」

ナポリを指差す俺 ナポリを攻略できればまた新しい部隊が雇えるので
これを足がかりにしてシチリア島~アフリカと中央突破を図る作戦。



ふふふ、、

フォルテさん「アポロを使ってそのバルカンをコピーします」

なぬ!

ビザンチウムを指定するフォルテさん。やべえ

急いで徴兵して、体制を立て直すのだが。


やばい!挟まれた


しかし、あそこはどーにもならんので

こちらはこちらで予定通りナポリを攻める。


初期勝利点に極端に差があるので
特にカエサル側はどうしてもどこかで仕掛けざるを得ない


ナポリでの戦闘 ローマの守りはとりあえず投石器部隊のみ。
今投入できる最大力を持ってナポリを攻める



まあ、バルカンであらかじめ削ってある上に部隊数でもこちらが有利であるので

ほとんど兵力を失うことなく、大勝利を収める



続いて、イベリア半島の方も着々と攻略の準備を進める




しかし時代は既にラウンド3


もたもたはしていられない。


決戦の準備は整った!



よし行くぞ!!!

フォルテさん「マーズ」



なにぃ、そんなカード持ってたの?

ビザンチウムに向けて不意打ちを仕掛けられたー




サイコロ運に恵まれて、多少は反撃できたのだが

やはり、先制攻撃が痛すぎる。

あっという間にボロボロ・・



俺「退却・・」

できないじゃん!(泣


あえなく全滅、カエサル討ち死




しかし、リーダーがやられてしまってもイタリアではカエサル軍は連戦連勝!




ついにパレルモの攻略に成功する




なんかシチリア島にドカドカやってきた


でも、パレルモへの道は2部隊しか通れないので
こちらも精鋭2部隊配備していることだし、まず大丈夫だろうと。

それより、後ろがガラ空きになっているのが気になる。

どうにかして、アフリカ側からとで挟み撃ちにできないかな?


海軍を出して、海上経由で乗り込むことを画策したのだが


一手早く、守りを固められてしまう。くそー


その後、なんと6部隊も配備されてしまいもはや攻略不可


イベリア半島は落としたものの、一歩及ばず。

7対8で負け



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

とりあえずのところ、最も気になったのは視認性の悪さ。

手元から部隊を出すときに、配置可能な都市名が指定されている場合
その都市がどこなのか?が非常に分かりづらく、でも戦略上とても重要なので
ボード上を目を皿のようにして探してまわったのがちょっと疲れたかな。

あと、1つの都市には複数の部隊を配置できるのだが
コマを置く場所が無いため、その部隊が今どこに居るのか
これもちょっと分かりづらい。

さらに、相手が部隊を配置したとき、本当にその部隊を配置可能な都市なのかどうか
兵力レベルはⅠで配置されているかなど、確認することができないため
ミスがあった場合に指摘ができない。これがかなり気になった。

逆も然りなのだが。

あと、ボードと箱はもうちょっとしっかり作って欲しかったかなー。
特にボードがペラペラなのはかなり残念な感じ。


しかし、もし上記の欠点が全て解消されたなら。
これかなりの傑作なんじゃないかと思う。

ウォーゲームというもの自体、初めてで難易度も決して低くは無いんだけれど
やりこみ甲斐は十分感じた。

指輪物語 対決をちょっと本格的に複雑にしたような感じ。

コマを回転させて現在の兵力レベルを表すというアイデアや
サイコロを使った戦闘処理等々、運もそれなり強いけれど
それ以上に戦略性の高さや奥の深さを感じる。

まだ1回しかやってないのだが、ちょっとカエサル側はキツめかな?
まあでもそれはそれで悪いことではないと思う。

システムデザインとして気になったのは「マーズ」がちょっと強力すぎるかな?という点。

あのカード1枚引けるかどうかで、戦局がガラっと変わってしまう感じがしたので
ちょっとそこだけはゲームバランス的にどうなのか?という気はした。

でも正直、難しい感じのゲームではあると思うけれど基本的なシステムはとても良く出来てるし
すごく面白いと思う。

あとは、プレイアビリティを考えたコンポーネントデザインを改善してくれれば良いんじゃないかなと。

まあ、ガチンコバトルゲーなので決して万人受けはしないと思うけれど。

でもカード運やサイコロ運もあるし、緻密なゲームでありながら意外と気楽に楽しめる部分もあって
そういうところは良くバランスが取られていると思う。

ウォーゲームの入門に、とは聞いていたのだが、んーやっぱりこういうのは
人によって好みが分かれそうなのは否めないかな。入門ゲームと言っても
多くのドイツゲームなんかと比較すれば、かなり複雑な部類だと思うし。

相手してくれる人が居れば、プレイエイドとか自作して再戦したいんだけどなー。

相棒には「パス」っていわれちゃったし^^;

2012/01/18


JohnnyBet



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