たっくんのボードゲーム日記

No.626
ヘックメック カードゲーム
Heckmeck am Karteneck

プレイ人数:2 - 6
プレイ時間:約25

ルール難易度 簡単な部類かな
日本語化 不要


ヘックメック がカードゲームになりました。

虫タイルです。ヘックメック とはちょっと構成が違いますが、獲得したタイルに描かれている虫の数の合計が点数になるところは同じです。



タイルはちょっと薄め、質感は本家と大体同じような感じかな。



カードゲームということで、ダイスの代わりにカードを使います。
本家に使われているダイスの目と同じような構成になっていて1〜5まで各17枚ずつあります。
虫(右下の灰色のカード)だけは25枚あって、本家と同じく数字としては5として扱います。



虫カードには通し番号が付いています。これは同点の時の解決用で、詳細は後ほど。



虫タイルは3人プレイの場合は6枚、4人プレイの場合は2枚ランダムで抜きます。
※それ以外のプレイ人数では全部使います。

タイルはシャッフルして、プレイ人数と同じ枚数を場にオープンにして並べます。



カードもシャッフルして6枚ずつ初期手札として配ります。
残りのカードは山札とします。



手番では、手札から1種類のカードを1枚以上、自分の前にオープンにして出します。



カードを出したら山札から1枚引きます。


手番でやることは基本的にこれだけ。

ただし、既に自分の前に置いたカードと同じカードは出せません。
以下のように出したら、次の手番以降では1や2を出すことができません。



カードを出したら、合計数を宣言します。


手番でカードを出せない、あるいは出したくない場合は、パスします。



パスしたとき出したカードの中に虫カード(灰色のカード)が1枚も無い場合は場に並べられた虫タイルの中から一番数字が小さいタイルを獲得します。



虫カードを出している状態でパスした時は、すぐに虫タイルを取りません。
この場合は全員がパスした後、同じように虫カードを出しているプレイヤー同士で出したカードの合計数を比較します。
それで、合計が大きいプレイヤーから順に数字の大きい虫タイルを獲得します。



この時、同点だった場合は、より大きな数字が書かれている虫カードを出しているプレイヤーの順位が上になります。



虫カードを出したかどうかに関係なく、パスしたら山札からカードを2枚引きます。
ただし、最後にパスしたプレイヤーはカードを引けません。



それぞれ、獲得したタイルはオープンにして自分の前に置いておきます。

最初と同じようにタイル山から人数と同じ虫タイルをオープンにして次のラウンドに入ります。

獲得したタイルは重ねて置くようにして、最後に取ったタイルは一番上に置くようにします。

これの繰り返しで、山タイルが無くなったらゲーム終了です。
獲得した虫タイルの合計が多いプレイヤーの勝ち。(同点の場合は、その中でもっとも大きい数字の虫タイルを持っているプレイヤーの勝ち)


さて、虫カードを出している状態でパスしたとき、出したカードの合計と他のプレイヤーの虫タイル山の一番上が同じ場合はそれを盗むことができます。




取ったタイルは、自分のタイル山の一番上に置きます。


ちなみに、本作は数字0のタイルが3枚あります。
虫が描かれてないので点数としては0点ですが、盗まれることもないので下のタイルを守ることができます。






Knizia, Reiner

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

これはたぶん本家 ヘックメック より良いかもしれない。
本家のダイスをカードに変えただけで、ルール自体は基本的に踏襲する感じになっているがプレイ感自体は結構違う。

まず適正プレイ人数が違ってて、本家は2、3人くらいまでの少人数が良かったのに対して、本作はまず間違いなく多人数向け。
最低でも4人は欲しいところ。ギークを見ると適正は5人になってるけど、6人よりは5人の方が良いのかな?その辺はちょっとよく分からない。

それで、その理由なんだけど

本家 ヘックメック の場合、ダイスを振って選んでというのを複数回繰り返す。
そのため1手番の中で考えることが多くなり、ダウンタイムも長くなりがち。
故に基本的に少人数の方が良い、ってことになる。

それに対して、本作は手番でやることはカードを出して1枚引くだけとなっていて、本家に比べて圧倒的にシンプルにできてる。
この辺のプレイ感は モダンアート・カードゲーム あたりに近いかもしれない。
なので、ダウンタイムが短くなって大人数でもテンポ良くゲームが進行する。ってことかな。

それと、他のプレイヤーのタイルを盗むって部分について、カードの出し方を見れば誰のタイルが狙われているのかラウンドの序盤から割と明らかになりやすい。
であれば、ターゲットの数(プレイ人数)が多いほど選択肢とか可能性に幅が出てきて面白くなるんだと思う。
自分のタイルが狙われていると分かれば、その自分のタイルの数字に合うようにカードを出すことで一度盗まれてもそれを取り返すようなことも可能だったりする。
こういう面白さ、楽しさ、盛り上がりというのもやっぱり多人数ならではなんじゃないかな。

ダウンタイムの長ささえなければ、本家のダイスでも同じようなことができるのかな?
例えば、ダイス振って出た目を確保するのを1回ずつやってそれで1手番にしてしまうとか。

でもそれなら、運任せのダイスロールじゃなくて、予め手札として持ってた方が戦略性が深まって面白いんだろうな。

そもそも、本家はダイスロールで出た目の中から2回目以降のダイスロールを考えて何を残して何を振るか考える部分に醍醐味があるんだと思うし。
やっぱり一見似ているようで中身は大分違う。

モダンアート・カードゲーム と似ているところもあるけど、やっぱり全然違うし。

手札が少なくなれば良いタイルを取るよりも手札を整えることに注力してみたり、場に並んだタイルを見てそれほど良いカードを突っ込まなくても良さそうだったり、これほどシンプルでありながら考えることは割と多岐に渡る。

つくづく、クニツィアの凄さを感じる1作。

素晴らしき傑作。

2022/02/06




JohnnyBet



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