たっくんのボードゲーム日記

No.88
暗黒の大広間
Finstere Flure

プレイ人数:2 - 7
プレイ時間:約40

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




モンスターに捕まらないように、自分の手駒を出口(ゴール)から脱出させるゲームです。



みんなで、この不気味な屋敷から逃げ出そう!


これが手駒。全部で4つあって、コマには数字が書かれている。
この数字が移動できるマス数。このコマなら6マス移動できる。



移動し終わったらコマを必ずひっくり返す。



1と書かれているので、次は1マスしか移動できない。

移動しては、ひっくり返してというのを繰り返すので
このコマは6マスー1マスー6マス・・・という感じで移動できる。


手駒は4つあるのだが、この数字の組み合わせがそれぞれ異なっていて

1-6、2-5、3-4、3-4という感じ

ちょうど、サイコロの表裏みたいに合計が7になるようになっている。



全プレイヤーが自分の4つのコマを全て動かしたら、モンスターが行動を開始する。




基本的に、モンスターの前方に誰かのコマがあればそのコマに向かって進む。

ボードのところどころにある「石」はモンスターの視界を遮ることができるので
見つからないように、隠れながら出口を目指す。
ちなみにコマの数字が6なら、6マスまで移動できるという意味なので
動くとモンスターに見つかりそうなら、動かないという選択肢もある。



ところで、モンスターは横にも視界が利いていて、基本は前進なのだが
横にプレイヤーコマが居れば・・・



当然曲がって追ってくる! こわー・・



左右両方にプレイヤーコマがある場合は、より近い方を追っかけてくる。


モンスターの移動距離は、こんな感じのタイルを1枚引くことで決定する。



十字架のタイルは、誰か1人のコマを捕まえると止まる(最大10マス移動する)
※間違い 正しくは最大20マス

それ以外の数字のタイルは、その数字分移動を終えるまで何人でも捕まえるのである。。


例えば、このタイルならモンスターは8マス移動する。




★モンスターに捕まったら?★

捕まったコマはスタート地点に戻される。
出口付近で捕まったりすると悲劇(T_T)



モンスターは壁にぶつかったら、反対側の壁から現れる。まさに神出鬼没!

4つのコマのうち、3つを最初に脱出させた人の勝ち。





Friese, Friedemann
プレイ記

5人プレイ


黄色:KGさん 緑:イズナさん 赤:ぐっさん 青:Sくん 紫:たっくん


勢い良く飛び出して行く、赤のぐっさん


怪物の格好のターゲットになっちゃうぞ・・・

でもたぶん、どっかで左に曲がるだろうな

そうなるといきなり全滅とか、そういうシナリオも考えられなくはない

なんか目隠しブロックの助け舟が来た




そうすると、フランケン(怪物)は直進していって




壁から壁へワープして、、出てきたーー!




「こうなると、ここへ来るでしょ?」


緻密な作戦会議がはじまった

血溜まりをつるーっと滑って、フランケンの背後に難を逃れる人々


でもそれで逃げ切れたと思うのはまだ早いw


と思ってたら、ヤバい状況。


青のSくんがフランケンを呼び寄せて、俺も巻き添えを食らってしまいそうな展開


ぐっさん「フランケン、動きまーす」



しかし、奇跡的に直前でストップ


でもねぇ、、俺もSくんのも次の移動力は1・・・

やべぇ


くそぅ、あっちは余裕だな。。




俺もSくんも、とにかく貴重な移動力1でなんとかフランケンの視界から脱出する


この分なら、俺はやられずに済むかな


しかし、ここでSくんの作戦が炸裂


なんとフランケンの視界に自ら躍り出てきた

そうすると、1マスは左にフランケンが誘導されるけど
すぐに方向転換して、その上のマスの黄色(KGさん)が犠牲になることに、、


ピンチは続いているけれど、見事なSくんのファインプレー




鬼の居ぬ間にそそくさと出口へまっしぐらな人々




さすがに、Sくんのあれは逃げられないけれど・・




たっくん「10歩動きます」




Sくんの青が1つ犠牲になったあと、出口の目の前に現れるフランケン


「うわーーーー」

犠牲になったのはまたしてもKGさん(黄色)


このチャンスを逃さず、フランケンの背後を駆け抜けねば


フランケンに見つからないように、壁際にぴったりはりつく面々



フランケンの現在位置、一見すると出口からかなり遠ざかっているように見えるけれど


あのコマたちは絶対に逃げるはず。そうするとフランケンは直進して・・

ということで、出口付近からクモの子を散らすように逃げ惑う人々


あっさりと




犠牲者2名




こんな状況



フランケンの両脇にはKGさんの黄色いコマ


頭の良くないフランケンは混乱して直進します


この時点で、青のSくんと赤のぐっさんが2つずつゴールしているのだが
Sくんの方が先にゴールしているので


KGさん「俺、勝つにはあの青をやっつけつつ、3つ全部生き残らなきゃいけないの?」

KGさん「きっついなぁ」


しかし、その奇跡が・・


犠牲になるのは青のコマ!

KGさん「え、マジで?勝ち??」

勝ちを確信したKGさん

意気揚々と、3つ目のコマをゴールの直前まで移動したのだが・・・

出たタイルは十字架


出口を目の前にして殺害されてしまいました。。

というわけで、Sくんの勝利



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

これは、なかなか面白い!多人数の詰め将棋みたいな感じだ。

モンスターは、ここをこう来てここで曲がって・・・
コマは1つずつ順番に動かすので、そのたびに状況が変わって
モンスターの予定進路も微妙に変化する。
また、コマは4つずつあるので1つを犠牲にして他の3つを生き残らせるとか
他のプレイヤーを道連れにするとかいうのもアリ。そういう立体感のある面白さがある。

加えてモンスターの移動距離を決めるタイルの引き運もあって
完全なアブストラクトゲームになっていないところがいい。
ただし、見える情報が多いので思考性はかなり高め。あのコマが動いたら、それを見て
自分も動かそうとか、熟練プレイヤー同士ではそのへんが激しい鍔迫り合いになる可能性がある。
計算高い人が有利になる感じだ。モンスターに見つからないように
コソコソ動くようなプレイも楽しいけどね。
でも本質的には、前述のような詰め将棋的楽しさを味わいたいところ。
モンスターのタイルは枚数も少ないので十分カウンティング可能であるし。

ちなみにプレイヤー人数が少ないときは、コマの数を増やしても面白いかもしれない。
6こずつとか。

迫り来るモンスターの怖さの表現もgoodだし、デザイン的な雰囲気も良く出ている。
まぁおどろおどろしい感じなので、好き嫌いはあると思うけど。。

ただ、モンスターのコマは紙じゃなくて樹脂製かなんかで作った方が良かったんじゃないかな。
ちょっと安定が悪いし、壊れやすそうな感じ。
ついでに言うと、プレイヤーのコマは別に怖そうな顔してなくていいと思う。

あと、そもそもこういうタッチの絵があまり好きじゃないんだよな・・
フリードマンらしい感じはするんだけどね。

でもゲームの内容はかなり良く出来てる、迷わず評価Bとしたい。


■追記

運要素がかなり少なめで、緻密な思考を楽しむタイプだと思うんだけれど
多人数プレイなら、それ自体が紛れを生み出す要因になるので
緻密なんだけど、意外とパーティ性も持ち合わせてるかもしれないと思った。

かなり異色な雰囲気がする一作。且つ面白いものに仕上がってる上に
ルールもコンポーネントも割とシンプルに出来てて遊びやすい。

ただ、テーマ性が好みかどうかというのと、パーティ性があるとは言っても
ワーッと盛り上がるようなタイプの作品ではないので、万人受けするかどうかはちょっと微妙なところ。

フリーゼ作の中では、かなり好みの部類のゲームデザイン。

でも絵がねぇ、、ちょっと好みのタッチじゃないんだよね。。

2013/08/07


JohnnyBet



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