たっくんのボードゲーム日記

No.246
大聖堂の建設
Die Säulen der Erde Duell der Baumeister

プレイ人数:2
プレイ時間:約60

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 一部のカードの日本語化が必要





2人専用の対戦型ゲームで、それぞれ建物の建築を競います。



お城(赤い方)と大聖堂(青い方)、それぞれ3ブロックに分かれている。


建物はブロックごとに、完成したらカードをひっくり返していく



これで2ブロック完成したところ。


建物を建てるには、材料が必要。ということで原料チップ。




原料チップにも表と裏があって、原料を加工すると資材になる。



石を加工して石材に、羊を加工すると布になる。


つまり
①原料を獲得する
②原料を加工して資材にする
③資材を使って建築する

建築はこの3ステップで成り立っている。


建物は1ブロックにつき決められた資材が3つ必要で
さっきの③の工程で、資材を建物カードの上に置いていき、3つ揃ったら
そのブロックが完成する。




ではどうやって原料を獲得したり、加工したりするのかというと、、
こういうアクションカードを使う。



原料を取って来たり、加工したり、売買ができるマーケットなんてのもある。
中にはテキストで書かれた、特別な効果を発揮するカードもある。


その中に、お金を払うことで紋章を獲得できるカードがある。



紋章はアクションカードを獲得するときに使うのだが、ここではちょっと保留。
あとで説明します。


さて、両プレイヤーはそれぞれこの人物チップを3つずつ持ちます。



これもアクションカードを取るとき使うのだが


アクションカードはこんな風に3×3の状態にして場に並べる。



それで、さっきの人物チップを縦、横、斜めのいずれか1列になるように置く。
基本的にこのとき置いた3枚のアクションカードが獲得できるアクションカードになる。

片方のプレイヤーが先に3つ置いて、後手番のプレイヤーも同じように置くのだが
1つルールがあって

必ず1枚のカードがバッティングするように置かなければならない

写真の例で言うと、右上のカードがバッティングしている。


こんな感じで人物チップが2枚置かれてバッティングしている。



このアクションカードがどちらのものになるのかを決めるのが
さっき保留にした紋章というやつで


これが紋章。青と赤はそれぞれのプレイヤー専用のチップで灰色のが共通で使えるチップ。



これも表と裏があって
5の裏は0、4の裏は1、3の裏は2となっている。


これをどうするのかというと、こんな風に指の上に乗せて
コイントスみたいに弾く。



要するにこのとき、出た数字の大きい方が勝ちというわけ。
紋章チップは持っている限りいくつでも弾くことができる(数字の合計で勝負する)
のだが灰色のチップは使い捨て(※負けたほうは1枚だけ手元に戻せる)

なので、アクションカードでこの紋章を買い戻すことができるようになっている。

ちなみに、青と赤のチップは常に手元に戻せるのだが
こいつらを弾いてしまうと、それ以降はその手番でチップを弾けなくなる。


こんな感じでそれぞれアクションカードを獲得して1枚ずつ実行して1フェーズ終了。

次のフェーズではまた新しくアクションカードを9枚めくって同じようにして獲得していく。

3フェーズで1ラウンド終了。

そして4ラウンドでゲーム終了となる。より多く建築している方の勝ち。
ただし、3ブロック先に建築したらそれでそのまま勝ちになる。





Feld, Stefan
プレイ記



相棒と対戦


俺がウォーレン(赤)で相棒がフィリップ(青)

なんか、赤い城ってのが「魔王の城」みたいに見えるらしい


さて、最初の場札9枚




チップの配置は、こういう感じになった




俺の狙いは、この2枚


貴重な鉄資源を早い段階でゲットしにいくのと同時に
初期で配られている資源を2つ無料で加工できるというのは美味しい。


よし、これは幸先がいいぞ




ウォーレン相棒は大量の資源を獲得


羊を売れるカードとか入ってるんだよな。。


地道に1つずつ建築を開始


まとめて建築するとコストが高いからな・・

※加工した資材を建築するとき、使った資材の数に応じてお金がかかる
資材1つ → 2コイン
資材2つ → 6コイン
資材3つ → 12コイン



次、ここはお金も欲しいけど、手に入れた鉄を使って
さっさと城門を作っておきたい(赤い矢印のカード)




そして、このカード。
カードの上に置かれた相手のマーカーを1つ手元に戻させる攻撃的なカードだ。


ウォーレン側の赤い人物カードは、こういう攻撃的なカードがいくつか入っている。


よし、真ん中のブロックがあと羊毛が手に入れば完成する。




しかし相棒も同じような状況。
先着完成ゴホウビの、10コインは是が非でも取っておきたい。。




あの砂をセメントに加工されるのだけは阻止せねば




場札の状況。




ポイントは争奪戦になった、このカード。


好きな資源を加工できてしまう、このカードは渡してはならない。。

チップ勝負!

の結果、俺の勝ち!よっしゃぁ!

相棒「いいもん。この女の人使って、そのカード(いま争奪戦になったカード)使う」

俺「ダメだよ。×1のカードには使えないよ」

相棒「あ、ダメなの?読んでなかった。。」

俺「そのくらいは、ちゃんと計算してますよw」

相棒「しまった。。計算が狂った」


しかしいっこうに羊がゲットできないので、なかなか完成できない。。




羊が出ないので、嫌がらせでもするか




これである。建築済みの資材を1つストックに戻させてしまう凶悪なカード。


相棒「これ、やらしいなぁ・・」

お金も6コインゲットだ



しかし、ここは相棒の方が上手だった。


相棒「いや、たっくんがコインたくさん取ったあとでこれ使えばいいかなって」

なるほど、やるなぁ。。



よし、念願の羊が出てきたぞ


しかし相棒も当然、かぶせてくる


しかし、チップの絶対量の差で羊戦争は敗北。


俺「とりあえず、6コイン・・」

してやったり顔の相棒

でもね、右下のカードの特殊効果を使って
(※マーカーの置かれていないカードを使うことができる)


コイツを使う


好きな原料を5コインで獲得して、さらにそれを即加工してしまうことができる。

なにを持ってくるかって、もはや愚問でしょ(笑


羊を持ってきて、あっという間に真ん中のブロック完成!


めでたく10コインのゴホウビもゲット!



しかし、、相棒もコツコツ資材をゲットしていて




相棒「じゃこれで第3ブロック完成ね」




相棒「で、ゴホウビを使って好きな資源2つを加工する」



うおおお、なにそれ!
もう第1ブロックの必要な資材が全部加工済みで揃っちゃってるじゃん。。


その直後、俺も第3ブロックを完成させるのだが




ゴホウビが使えず、資源の加工ができない。この差はあまりに痛い。
しかもセメントは材料の砂すらまだ獲得できてないし。



相棒「でも建築にはお金かかるでしょ」

相棒「お金無いんだよねー」

なるほど、まだ若干勝ち目あるかな?


次、後手番の俺は、是が非でも砂(右下のカード)をゲットしたいので
チップはもうこう置くしかなかった。




そして、バッティングさせたカードがまた超重要。


中立のチップ1つ払うごとに資源を1つ加工できる。

俺は今、中立チップを3つ持っている。

相棒「え、なに?てことは、3つあっという間に加工して建築されちゃう可能性もあるの?」

あーあ、ばれちゃった・・・


このときの俺の手持ち資源状況




第1ブロックで必要な資材





なのでここは相棒も全力で止めにくる。




というわけで、俺も貴重なチップを2つ吐き出させられてしまう。




中立チップ1つしか残っていないので、加工できたのは1つだけ


相棒「じゃ、2コインで1つ建築する~」

くそー・・



次のターン、相棒は必要な資材を既に加工済みであるので


6コインさえ確保できれば、、めでたく完成


一歩及ばず・・くやしい




評価・・・

※評価の基準についてはこちら

ちょっとカードテキストの解釈に手間取って、プレイを何回かやりなおしたのだが
んー、ルールそのものはちゃんと説明すれば全然難しくないのだが
相変わらずルールブックの書き方は分かりづらいことこの上ない。

でもゲームそのものは、少なくとも佳作くらいの評価には十分値する出来だ。

チップのバッティングが1箇所(カード1枚)だけだとインタラクション的に
どうかな?と思っていたのだが、自分にとって欲しいカードは
相手にとっても欲しいカードなので、自然と争奪戦になる感じで
思っていたよりも深い相互干渉がある印象。

フェルトらしく、爽快感やキレのようなものはそれほど無いのだが
悩ましさという点ではバッチリ楽しめる。

自分の建設はもちろん進めたいけれど、時によってはそれよりも
相手の建設の進行をブロックすることが優先される状況だったり。

ウォーレン側の人物カードは、少々いやらしい攻撃タイプが何枚か
混じってて、こいつらが場に出ているときにフィリップが
スタートプレイヤーだったりすると、本当に嫌らしい(相棒談)

建設した資材を破棄させてしまうカードなど、結構凶悪だw

チップの裏表の出目による一喜一憂もあって、ゲームに起伏をつけているように思う。

でもこれ、チップじゃなくてサイコロでも良かったんじゃないかなと思った。

どうも、コイントスって苦手でやりづらかったので、ダイスタワーを使って
チップを放り込むことにしてプレイした。

どうせなら、ダイスに優劣というかランクみたいなものをつけて
より良い目が出るダイスにランクアップさせられるアクションカードとか
あっても面白かったかもしれない。

プレイ時間も小一時間程と、個人的にちょうどいい感じだった。

収束性も素晴らしく、後半は加速度的に終局に向かっていく。

あまりガチバトルという感じでもなく、そのへんは
建物の建設競争というテーマにも良く合ってる感じだ。

細々したチップの扱いと最初のセットアップが若干面倒だけど
プレイ中はほとんど面倒なことは皆無。非常にプレイアビリティがいい。


欠点らしい欠点が見当たらない良作だと思うんだけど、決定打も見当たらないのが残念。

まあ、例のコイントスがこのゲームの華と言えなくもないんだけど
これだけでは正直インパクトに欠けるかなー・・

でも思っていた以上に悩ましいゲームではあるので、フェルト好きなら
持ってて損は無さそう。

と、思っていたのだが相棒は、あまり悩むことは無かったらしい。


2011/12/06


JohnnyBet



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