たっくんのボードゲーム日記

No.219
コンテナ
Container

プレイ人数:3 - 5
プレイ時間:約120

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




コンテナを生産して、売り買いするゲームです。


こんな感じの、個人ボード貨物船コマを持ちます。




色んなマスが描かれているのだが、大きく3つのエリアに分かれています。



コンテナは、①工場で生産して、②倉庫で保管する。
そして、③から貨物船に載せられて出航します。

ざっくり言うとそんな流れ


これはテーブル中央に置く共用ボード。



港から出航したコンテナは、最終的にここに運ばれてきます。

運ばれてきたコンテナは、競り(一斉入札)にかけられます。
コンテナを運んできたプレイヤーがオークショナーとなり
その他のプレイヤー全員で入札します。

オークショナーは落札金額を落札者から受け取り、さらに同じ金額を
銀行から受け取ります。
つまり、10ドルで落札されたら20ドルの収入になる。

※ちなみにオークショナーは自分で落札することもできる。
 その場合、代金は銀行に支払います(当然、銀行からの収入はナシ)


で、落札したコンテナはボード上の自分の色の区画に配置します。

この配置したコンテナが勝利点になる。


コンテナは5色(5種類)




こんなカードを1人1枚ずつ秘密裏に持ちます。



これが、そのプレイヤーにとってのコンテナの価値。
例えばこの場合、先ほどの共用ボードの自分の区画に
オレンジのコンテナを3個、置くことができれば30勝利点。

5/10と書いてあるのは、基本5点なのだが
5色全部そろえることができれば、1つ10点になるというもの。

ただし、最も多く獲得したコンテナは無条件で捨てなければならない

例えば、

オレンジ:4個、肌色:3個、白:6個、黒:2個、茶:3個

こんな感じで獲得したとすると

まず、5色全部揃えたので、肌色のコンテナは1つ10点に格上げ。
そして最も多く獲得した白のコンテナは全部捨てなければならない。

そうすると

オレンジ:4個×10点
肌色:3個×10点
白:0個×6点
黒:2個×4点
茶:3個×2点
というわけで、40+30+0+8+6=84点となる。 これに持ち金などを足して、最終的な勝利点になります。 さて、最初に戻って少し細かくご紹介。 コンテナは工場で生産できます。 この妙な丸い形したのが工場。 工場と同じ色のコンテナを1つずつ生産します。 この場合、黒と肌色のコンテナを1つずつ。 このとき、なぜか右隣のプレイヤーに1ドル支払います 生産したコンテナは、工場の前の1~4の数字の区画に自由に置きます。 この数字は、コンテナの販売価格 例えばこの場合、黒のコンテナは2ドルで肌色のコンテナは3ドルの価格設定。 このとき、自分の生産したコンテナを自分で買うことはできない 必ず他のプレイヤーから買わなければならないのである。 例えば、白とオレンジのコンテナを1つずつ他のプレイヤーの工場から買い付けてみる。 買い付けたコンテナは、倉庫に並べます。 このときも、コンテナを並べるスペースには数字が書いてあって これが貨物船に載せるときの販売価格 これも工場で生産したとき同様、自由に値段をつけることができる。 ただし、建てている倉庫と同じ数しかコンテナを並べることはできない。 例えば倉庫が2つなら、並べられるコンテナも2つまで。 工場も倉庫もお金を払えば増築できます。 工場なら2つ目は6ドル、3つ目は9ドル 倉庫なら、2つ目は4ドル、3つ目は5ドル さて、倉庫のコンテナは入港してきた貨物船にお金を払って積みこめます。 このときも、自分の貨物船を自分の港に入港させることはできない コンテナは5つまで積めるので、色んなプレイヤーの港を回って コンテナを買い付けることができます。 で、これでいいと思ったら、真ん中の共用ボードに接岸して競りにかけます。 手番でできることを整理すると ・工場/倉庫の建設 ・コンテナの生産(これだけは1手番で1回だけ) ・コンテナの買い付け ・貨物船の入港/出航 この中から2つ選んで実行できます ちなみに貨物船は 1.港に入港中 2.海(テーブル)を航海中 3.真ん中の島(共用ボード)に接岸中 この3種類の状態があって、それぞれ往来するたびに1アクションが必要になる。 ※往来は必ず海を経由する必要があって、港から港、港から島へ  直接移動させることはできない。 例えば、Aさんの港からBさんの港へ移動したいと思ったら Aさんの港→海(1アクション) 海→Bさんの港(1アクション) という感じになる。
Delonge, Franz-Benno
プレイ記



ちきさん、ぐんまさん、kunさん、COQさん、俺の5人プレイ



んー、まず何をやったらいいのかさっぱり分からん。


とりあえず、ちきさんの出方を見るか。



ちきさん「じゃ、倉庫建てます」

ちきさん「たぶん、倉庫は1つだけじゃ話にならないです」

なるほど・・・


とりあえず、設備を拡充して足元を固めておくか



倉庫と工場を建てることにする


それに倣って、みんなも倉庫を1つずつ建設。


COQさんの船が、ぐんまさんの港にコンテナを買い付けにいく

ふーむ、こりゃ確かにお金がすぐ無くなるな。

かと言って、工場や倉庫にコンテナ並べてても
需要の方向性が見えない序盤は安く買い叩かれるのが関の山かな、と思った。

よし、競りだ。コンテナを競りにかけて稼ごう。

あまりに安値しか付かないようであれば、自分で落札してしまえばいい。



一度にたくさんのコンテナを買い付けられる(たくさん倉庫に置いてある)
ちきさんの港に入港する



でも、3つ買うほど余裕は無いな。

オレンジのコンテナは、10点(自分にとって)なので、こいつはちょっと保留にしよう。


俺「3つ全部買わなくてもいいんですよね?」

ちきさん「もちろん、一部だけ買うのもありです」

俺「じゃぁ黒と白、2つ買います」

ちきさん「まいどあり~」

よし、これを売るぞ!



だんだん、他の人の船もコンテナの買い付けに動き出す





俺は一足先に中央の島へ一番乗り!



さあ、初競りですよ~

品物は白と黒。いくら付くかな~~


一斉に入札!



ではでは、オープン

kunさん「3」

ぐんまさん「4」

COQさん「5」

ちきさん「お、金持ち~」


5ドルってことは、銀行からも5ドルもらえるから
合計10ドルの収入だよな。いいんじゃないの。

俺「COQさん、売ります」


よしよし、なかなかいい収入になったぞ。



ちきさん「5ドルか~~、ちきしょう付けとけば良かったかな~」

COQさん「さすが、ちきだけに(笑」

kunさん「序盤の5ドルはでかいかもですね」


ちきさん「はやく競りかけろよそれ~、こっちは待ってんだから(笑」

COQさんの船を指さす、ちきさん

COQさん「そうなんですけど、、あ、いい出物があるじゃないですか~」

ちきさん「あるよ~、5ドルで持ってけよ、これ(笑」


ぐんまさんのコンテナが競りに入ってきた



ちきさん「黒と茶色かーー」

お金は比較的あるし、今度は俺が落札狙ってみるか。

5ドルを握る。


オープン!

よし、俺が最高値。



ぐんまさん「売ります」

今のところ、コンテナ2つは5ドル前後が相場ってところみたいだな。


COQさん「こっちのは、日本製ですから(品質いいですよ)」(笑



ちきさん「安いぜ~、俺のコンテナ」

ぐんまさん「いや、安いんですけど・・・」

COQさん「なんか品質が悪そう(笑」

俺「安かろう、悪かろうですね^^;」

ちきさん「零細企業なんだから、買ってよ(笑」


俺「COQさんのは高かろう悪かろうですね」

COQさん「いやいやいや。。」

COQさん「高いものは良いものだ」

ちきさん「3ドルも付けて~」


ぐんまさん「じゃ、ちきさんから2つ買います」

ちきさん「あ、ありがとうございます~」



さらに、俺の手番

ちきさんの港に入港させる。ここらへんで勝負のオレンジコンテナを買い付ける。



ちきさん「お、全部買ってくれるの?」

ちきさん「ありがとうございますー」

俺「さらに、工場で生産するので1ドル差し上げます」



COQさん「じゃ接岸します(競りにかけます)」



COQさん「ちき社製・・白コンテナ。。。」


コンテナ3つかー

俺「品質悪そうだな。。」

COQさん「いやいや、この輝き」

せーの

ちきさん「9ドル!!」

COQさん「来たーーー、売ります。やったぁ、ちきさん最高!」


なるほどね、、今のはかなり本気で取りに来てたな・・・


ちきさん「わかってんだろ?この次な?」

COQさん「そうですねーー」

ちきさん「これ、取引って言うんだよ?(笑」

COQさん「いや、癒着じゃないですか^^;」



kunさん「なんとなく分かってきました」

ちきさん「ホント?」

kunさん「ルールが(笑」



俺「じゃあ、出航して」

俺「競りいきます。トン、、トンと^^」




ちきさん「味しめたな(笑」

ええ、味しめましたよ^^ 競り美味しすぎです。


俺「オレンジ、初物ですよ初物」

高く売れるならそれはそれでいいし、カス値だったら
自分で買ってしまえばいい。なにしろオレンジは1個10点なので。

というより、そこそこの値段がついても自分で買っていいくらいだ。


ちきさん「うわー、これどうすりゃいいんだ・・」

せーの

ちきさん「6」

COQさん「6」

おー、競ってくれた。いい展開だ^^


再入札


ちきさん「あー、何にも握ってねぇな?(笑」

せーの!

ちきさん「7」

COQさん「7」

ちきさん「あ、握ってた!」


ふーん、じゃこれで俺はどっちに売るか選べると。

7なら自分で買っちゃってもいいだけどな。


俺「こっちが○○で、こっちが××というわけですね」
※○○と××には、アジアの国名が入ります

ちきさん「なんで俺が××なんだよー。あ、でも○○よりはいいか」

COQさん「いえいえいえ、こっちは日本ですよJAPAN。めいどいんじゃぱん!」

ぐんまさん「どっちも微妙・・」


俺「じゃー、○○に売ります」

ちきさん「えー、なんでだよーーー」


経験者である、ちきさんの利になることはできれば避けておくのがベターかなと。

まあ、とにかく資金を稼ぐことには成功した。


さて、そのCOQさんの港



COQさん「じゃあ、倉庫を建てて」

COQさん「これ買います」


ちきさん「また微妙な(値段の)とこ置いたなー」

COQさん「1手番で4つ載せられるんだから、それなりの価値はあるでしょ」

COQさん「ウチは・・まけませんよ、、ビタ一文」


kunさん「白とオレンジがホント多いな。ウチらが一生懸命作ってるからかな」

ちきさん「まけねぇとか言ってるヤツのところから買う必要ねえからな(笑」

COQさん「いやいや、勝つためには必要ですよ」

COQさん「良いものの価値が分かる人にしか売らない」

COQさん「そうやって、潰れていったメーカーがたくさんあるんですよ」



kunさん「これで、工場増やします」

kunさん「で生産」





ちきさん「え、全部2ドル?」

kunさん「即金が欲しいんです、即金が」

俺「借金ありますよ、借金」

kunさん「借金は・・考え中です。全部買ってくださいよマハラジャさん」


その後、ぐんまさんが島に接岸する。

よーし

俺「13ドル!!!」



ちきさん「金持ちだねー」

オレンジ2つ入りの4コンテナですから
ここは是が非でも落札しておきたかったんですよ。

COQ「巨大資本・・」

いえいえ、これでもうスカンピンです(笑


COQさん「26ドルかーーでかいな」



ちきさん「じゃあ、これで競売」



んー、4つか~~

ちきさん「これはちょっといいんじゃない?白持ってない人は」

COQさん「ちょっと借金してもいいですか?」

ちきさん「入札の前だったらいいよ」

ちきさん「ほら、借金した人もいるよ。みんな心して入札するように^^」


俺「9」

どうやら、落札できた。微妙なところかなと思ったんだけど。

ちきさん「9ドルは美味しいよな」


大量のコンテナを落札したのだが、これで無一文。




ちきさん「それにしても、さっきの26ドル美味しいよな~・・」



COQさん「・・・さっぱり売れねえな、ウチの商品」

COQさん「高いからかな?」

そうだと思いますよ。

俺「高かろう、悪かろうですからww」

COQさん「いえいえ。。」


kunさん「お金ばっかり増えるな・・」

ちきさん「お金ばっかり増える?いいことじゃんww」


俺「・・・カネがないとなにもできないな」

俺「借金します」


借金したお金で細々と買い付けて競りにかける




残りのストックコンテナ。そろそろ大詰め。




kunさん「あれ、全部買わないんですか?」

俺「とても全部買えない^^;」

kunさん「借金すればいい(笑」

いえいえ、2枚目の借用書は受け取れません。。


kunさん「だんだん、、面白くなってきたww」

ちきさん「なにを言ってんの?wwwww」



さーて、あとやることは。

あちこちの港をまわって、茶色と黒のコンテナを仕入れて、、

ちきさん「まだ載せるの??」

ちきさん「もうあんまり要らないんだけどな・・」


ええ、抱き合わせ販売というやつです(笑


さあ!いくらで買ってくれますか?


ちきさん!!




ちきさん「ちょっと考えさせてこれ」

俺「景気良くいきましょうよ、4つですよ」

ふふふふふ。

これは絶対にちきさんは欲しいはず。


せーので

ちきさん「18!」

俺「売ります!」


なんとこれで36ドルの収入(そのうち10は借金返済)

なんにしてもこれはでかい。


その後、kunさんが生産して終了。


終了時の様子。



なにしろ、さっきちきさんに18ドルで落札してもらったのが大きい


結果は。。

みごと勝利!!



COQさん「いやー、もう1手番あれば挽回できたのになー」

俺も、ちきさんをまくれるところまでいっていたとは思いませんでしたw



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

文句無く面白い!

自分で自分の商品を買い付けできないというのが、これでもかというくらい
効いていて、仕入れと売却でどれだけ利ざやを稼ぐかとか
ある種の物流を考える楽しさとかが満載だ。

そして、最後は競りで締めるというゲームの盛り上げ方もまた見事。

その競りも「一斉入札」であるため、思いもかけない高値がついたり
逆に激安で落札できたり、揺れ幅が大きい競り方法であるところが
悩ましさを増幅させていて面白い。

非公開情報が少ないゲームなので、そのくらいの不確定要素はあっていいと思う。

これはもう、会社経営の縮図そのものと言っても良いと思う。
何をいくらで仕入れるか、そして仕入れたものにいくらの値段をつけるか。
場の状況を見ながら需要と供給のバランスを探るのが本当に面白い。

ただまあ、最初はホントに何をしていいのか分からない。
モダンアートを初めてやったときの値付け感覚が分からなかったのと同じような感じ。

コンテナを自分の工場で生産するのか、他から買い付けるのか
設備投資するのか・・・ルール自体は決して難しくないのだが
特にゲーム慣れしてない人なんかだと、途方に暮れてしまうこと請け合いだ。

あと、プレイ時間が少々長めかな。
今回は5人でショートゲーム(コンテナのストック数を減らす)だったのだが
それでも90分かかった。たぶん、本ゲームなら2時間半コースといったところだろうか。
間違いなくゲームとしては重い部類。

でも、このゲームはプレイ時間が短いと満足できないと思う。
投資して成長させて成果を挙げる楽しさを実感するには
最低でもそれくらいの時間が必要だと思う。

傑作であることはもはや間違いないのだが

前述したように初心者に優しくないというのと、このプレイ時間と重量感。

そして、プレイ人数はMAXの5人じゃないとおそらくダメ。

人数が減るごとに面白さも目減りしていくと思う。


そのへんの敷居の高さが最大のネックではあるかな。
価格も高いし。

でもそれでも、1つ買っておこうかなと思ったくらいに面白い。

あ、それから若干コンポーネントに難ありかな。
プレイヤーカラーが少し識別しづらい。
あと、コンテナの色も原色と白黒あたりを使えばよかったのにと思う。

特に茶色とベージュのコンテナが少々紛らわしい。

貨物船の色とボードの色が若干一致しないところもあり、そのへんは改良の余地ありかな。

でもプレイヤー自身がマーケットを作って、その市場のニーズを見極めて
買い付け、値付け、販売、競り。商売のエッセンスをこれほど見事に盛り込んだゲームって
なかなか他に思い当たらない。

決して万人には勧められないけれど、プエルトリコあたりを楽しめるようであれば
是非やってみて欲しいと思う。
逆にゲーム慣れしている人であれば、そんなにとっつきは悪くない。

それから、会社経営なんかに興味がある人にもオススメできるかもしれないね(笑


JohnnyBet



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