たっくんのボードゲーム日記

No.324
カサブランカ
Casablanca

プレイ人数:2 - 8
プレイ時間:約60

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要


ボード全景 カサブランカはモロッコの都市です。


ここを舞台に8人のエージェントが暗躍します。


街は黒い線で区画(マス)に区切られています。




8人のエージェント


プレイ人数に関わらず全部使います。


各エージェントは2人ずつ、ボードの角の建物をアジトにしています。














こんな感じでセットアップします。




ボード中央のバザー会場には黒いトランクが1つ置かれます。


ゲームの目的は、このトランクをアジトに持ち帰ること

1人のエージェントが自分のアジトにトランクを持ち帰ったとき

そのエージェントに最も多くのお金を送金していたプレイヤーがゲームに勝利します。


各プレイヤーは特定のエージェントを担当するわけではありません。



どのエージェントにいくら送金(肩入れ)しているのかは、専用の用紙に記録します。




用紙の見方としてはこんな感じ


たとえば、CAFEをアジトにしているのは緑と紫のエージェントです。


左に書かれているKapital-planというのが送金可能な金額。トータルで$10000です。




送金額は機密情報なので、専用のファイルに入れて厳重に管理しますw




エージェントに送金するときは、Kapital-planの中から金額を1つ選んで線で消します。


それで消した数字を、送金したいエージェントの欄に書き写します。



手番でできることは

・任意のエージェントを1マス移動させる
・任意のエージェントに送金する
・エージェントを暗殺する

この3つの中から1つを選択します。


まず、エージェントの移動。これは簡単。


エージェントを1つ選んで隣接するマスに移動させるだけ。


1つのマスに複数のエージェントが居ても構いません。


このとき、トランクのあるマスから移動するときは




トランクも一緒に持っていくことができます。



8人のエージェントのうちのだれかがアジトに持って帰ったらゲーム終了です。





送金に関しては前述の通り。

Kapital-planから残っている数字を選んで任意のエージェントの欄に書き写します。


暗殺は2人以上のエージェントが同じマスに居るときに実行できます。


暗殺されたエージェントはゲームから除外されます。
しかも暗殺されたエージェントに送金していたお金は戻ってきません。



もう1つ条件があって、暗殺を実行させるエージェントの送金額を$1000減らす必要があります。


つまり、あらかじめ$1000以上送金済みのエージェントにしか暗殺を実行させることはできません。

暗殺を実行させたら、送金欄から$1000消します。


■チャレンジ

誰かがエージェントを移動、もしくは暗殺を実行させようとするときに
他のプレイヤーは異議を申し立てることができます。

例えば上記の例で、赤のエージェントが緑のエージェントを暗殺しようとするのをやめさせることができます。

そのとき、そのエージェント(この場合は赤のエージェント)に対する送金額(トータル額)を公表します。

暗殺をしようとするプレイヤーAと、やめさせようとするプレイヤーBで送金額について競りをします。

プレイヤーAの赤エージェントに対する送金額は$1500だったとして、
プレイヤーBはこれを上回る金額を赤エージェントに送金しなければ暗殺を止めることはできません。


まずチャレンジ側(プレイヤーB)から送金額を公表します。

それに対して、手番側(プレイヤーA)は、提示された金額額が自分の送金額を下回っている場合は
「ホールド」とコールします。

たとえば、プレイヤーBが$500と提示してきた場合は、プレイヤーAは「ホールド」。

上回ってきた場合は、さらに上積みするかあきらめるかを選択します。

上積みした場合は、どんどんKapital-planから数字を消して書き写していきます。



要するに、このやりとりが発生すると

他のプレイヤーの特定のエージェントに対する送金額が明らかになります


そんな感じのゲーム





Solomon, Eric
プレイ記

フォルテさん、ツエツキさん、イズナさん、俺の4人プレイ




しばらく様子を窺っていたのだが

よし、とりあえず$1000送金しておこう


はっきり言ってどのエージェントでも良かったのだが
なんとなく赤を選んでみる。

みんなそこそこ送金しているので、たくさん送金されてそうなエージェントを抹殺してしまおうと。

そのための$1000(笑


なんか白と青のエージェントの動きが怪しい・・




なんかエージェントがトランクの周りに集まってきた


至急、赤のエージェントに抹殺指令を出しておく

特に青と白の動きには注意だ

俺「なんか、みんな集まってきましたねぇ」

イズナさん「きっと良いBarかなんかがあるんですよ、ここらへんにw」

俺「なるほど、今日もお互いお疲れ様ーって感じですかねー」


その裏で・・


黄色と青にも$1000ずつ送金して、第一級警戒態勢


青に$1000送金したのは白を監視するため



その後もなかなかトランクがホテルから離れていかない


ちょっと仕掛けてみるか

俺「黄色でグレーを暗殺します」

場に緊張した空気が流れる

イズナさん「拒否します」

俺「いくら送金します?」

イズナさん「えーと、グレーですよね」

イズナさん「2700」

マジっすか?2700って、もうそんなに送金してたんですか

イズナさん「あれ?これって黄色に対して送金するんでしたっけ?」

そうですよー

イズナさん「あ、間違えた・・」

俺「おっと、これは重要な情報ですねw」


フォルテさん「でも、今から黄色に送金して金額バレちゃうよりは」

フォルテさん「グレーはあきらめて、別のエージェントに送金した方がいいかもですね」

イズナさん「そうですね、、あきらめます」



というわけで犠牲者第1号




ふーむ、とりあえず細かい数字でコツコツ送金して黄色をもう1回暗殺者に仕立て上げておくか


でかい数字は、いざというときガバっと送金できるようにとっておこう


ツエツキさん「青で黄色を暗殺します」

なにー、せっかく送金してたのに

しかし、青は俺も少し送金してたので少し頑張ってみる

俺「1300」

ツエツキさん「ホールド」

俺「1600」

ツエツキさん「ホールド」

俺「1800」

ツエツキさん「ホールド」

むー、まだホールドか

俺「2000!」

ツエツキさん「うーん、2500」

$1000無駄になっちゃうけどここはあきらめておいた方がいいかな


犠牲者2人目




その後、おーっとこれはやばい


少なくとも青のエージェントの送金額はツエツキさんに負けていることは確実なので


全力で、青をホテルから離す




と、その横で紫のエージェントがトランクを持って2マス移動させられたので

俺とフォルテさんで連携して2マス戻す

怪しい・・消しとくか

俺「赤で紫を暗殺します」

イズナさん「この人(紫)、ちょっと動いただけで刺されましたよ^^;」






現在の送金状況


黄色は殺害されてしまっているので、残る主力は青と赤

赤にかなり送金しているので、スキあらばトランクを持ち帰りたいところ



このとき、ちょっとした油断があった

ツエツキさん「白で赤を暗殺します」




ヤバイ!

俺「異議あり!」


急遽、白のエージェントに$3000まで送金するのだが



ツエツキさん「$3500」

資金を使い果たしてしまった

俺「諦めます」

というか諦めざるを得ない


しまった・・俺の赤が。。。



イズナさん「ここに白が移動してきたときに、察知しなければいけなかったんですね・・」


しかし、$3000も送金した白までもあっさり殺害


もう送金を上積みできないので成す術なし



もう俺に残されたのは$2000を送金している青しかいない

しかし、青への送金額はツエツキさんが少なくとも$2500あるのでこのままでは勝てない



ここまでずっと静かに戦況を見守っていた茶色をここで出動させることにする

執拗に茶色に青を追い回させる



俺の狙いはもちろん、ツエツキさんに青で茶色を殺害してもらうこと

茶色の存在に恐怖を感じてくれれば・・・


ツエツキさん「青で茶色を殺害します」

願いが通じた

これでツエツキさんの青への送金額を2000以下にできた可能性がある


もうこのタイミングしかない

俺「青をゴールさせます」




トップの送金額は俺の$2000

でも他のみんなも$1900とか$1800とかで、微差でした。

辛勝 でも痺れたw



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

純粋な面白さだけならA評価で良いと思う。それくらい面白かった。

これを傑作だと言う人が居るのも良く分かる。

ただ、若干ポイントが分かりづらいかな?
暗殺プレイが始まってからが本番なので、初回プレイではそのへんを少し解説しておいた方がいいかも。

誰がどのエージェントにいくら送金しているかが少しずつ明らかになってくると俄然面白くなる。

アンダーカバーみたいな正体隠匿系っぽい部分もあるんだけれど、誰がどのエージェントを担当しているか
言い換えると当たりかハズレか2つに1つとなっていないところが面白い。

どのエージェントにどの程度肩入れするか、その割合を決められるというのが斬新というか。
このシステムによって、送金額がある程度バレてもゲームが破綻しないところがとても優れていると思う。



ただ紙に送金額を書き込まなきゃいけなかったりするのは、ちょっとプレイアビリティが良くないかな。
古いゲームなので、歴史を感じさせてくれるものでもあるような気がするけど。

何回もリメイクされている理由が分かる面白さがある。
でももう1回リメイクして、筆記用具を必要としないコンポーネントにして欲しいなー。

それ以外は、これ以上ないくらいテンポもいいしテーマ性も非常にマッチしてて
入り込みやすい世界観になってる。このへんは見事。

ゲーム慣れしている人同士でないとちょっと難しい部分はあるかもしれないけれど、非常に面白い。



ちなみにプレイ人数は4人でちょうどいい感じだった。

リメイク再版希望します。

2012/11/26


JohnnyBet



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