たっくんのボードゲーム日記

No.478
バロニィ
Barony

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約60

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要


運要素の無い、アブストラクト陣取りゲームです。


4種類のコマを置いて領地を広げ、勝利点を稼ぎます。


ボードは細かいパーツに分かれていて、毎回違う組み合わせで遊べます。



コマは都市、要塞、村、騎士の4種類



1人分のセット



領土を拡大していく拠点となる都市(お城みたいにみえるのだけれど)


都市は湖と森以外の場所に建てられます。


そして、都市には騎士を派遣することができます。



騎士は隣のマスに移動できます。 ※都市と同じく湖には進入不可、でも森はOK



騎士を取り除いて、代わりに村や要塞を建てることができます。


取り除いた騎士は手元に戻って、また都市に派遣することができます。


村や要塞を建てると、建てた土地の種類に応じて点数がもらえます


要塞と村で貰える点数に差はありません。

田園が5点、平原が4点、森が3点、山岳が2点(ゲーム中は黄色い大きい数字の方を見ます)


当然、できるだけ田園に村や要塞を建てることを目指すのだけれど。。

得点ボード



得点チップ15点になったらそれを支払って、得点ボード上で右に1マス、コマを動かすことができます。




このときお釣りは出ません。16点払っても1点おつりはもらえません。


村は都市にグレードアップできます。


このときも勝利点がもらえて、このときはチップをもらうのではなくいきなり得点ボード上でコマを動かします。



村を都市にしたときは10点もらえます。このときは、ボード上でコマを下に動かします。



一番右のマスに誰かのコマが入ったら、あと1回ずつ手番をやってゲーム終了。



手元に残ってしまった得点チップも加算します。


ただし、このときは銀色の小さい数字の方。山岳のチップは0点です。


さておさらい、都市に騎士を派遣して、それを動かして村や要塞を建てます。


村は都市にグレードアップできます。
で、建物を建てたときに勝利点がもらえる、という流れ。

要塞を建てても村を建てても貰える勝利点は変わりません。

しかし・・・

村は他のプレイヤーの騎士から攻撃されて取り除かれてしまうことがあります。





村を取り除かれたプレイヤーは、手元に勝利点チップを持っていればそれを1枚取られてしまいます。



こういう状況なら、まだ取り除かれませんが



黄色の騎士が移動してきて、他の色のコマを数で上回ると・・


この場合は、赤の騎士と青の村が取り除かれてしまいます。

そして、村を取り除かれた青のプレイヤーは勝利点チップを取られてしまいます。(持っていれば)

しかし、勝利点ボード上のコマを戻されたりすることはありません。


で、要塞。要塞が建てられているマスに、他のプレイヤーの騎士コマが入ることはできません。


つまり、要塞は攻撃を受けることがありません。
でも要塞は1人2個ずつしか持っていません。使い所が大事です。


あと、騎士や村であっても山岳の場合も他のプレイヤーは入ることができません。


でも山岳に村を建てても得点は低めなんですけどね。でも侵入をブロックするには有効。

あと、他のプレイヤーの同じ色のコマが2つ以上あるマスには地形関係なく入ることができません。
都市も侵入不可。

逆に言うと、他のプレイヤーのコマが居るマスに入れるケースというのは
そのマスに置かれているのが村か騎士のときだけで、それも同色のコマが1つだけの場合に限られます。


手番でやれることリスト。この中から1つだけ選んでアクションを実行します。


1.自分の都市にマスに手元から騎士を2つまたは3つまで派遣する。
  ※湖に隣接する都市の場合は3つまで派遣できます。

2.ボード上の騎士を2つ、隣接するマスに動かす。※同じ騎士コマを2マス動かすのは不可 。
  このとき、都市や要塞、他のプレイヤーの同じ色のコマが複数置かれているマス、1つであっても山岳に置かれているマスには入れない。
  その結果、自分のコマの数が2つ以上になった場合は、他のプレイヤーの騎士や村を取り除ける。
  さらに、村を取り除いた場合は勝利点チップを1枚奪うことができる。

3.ボード上の騎士を手元に戻して村か要塞を建てる。(複数の村や要塞を一度に建てることも可)
  ただし、そのマスに敵のコマが居る場合や、そのマスに別の建物がある場合は建てられない。
  村や要塞を建てた地形に応じて勝利点チップをもらいます。

4.村を1つ選んで都市にグレードアップ。このとき10点もらえます。
  森に建っている村は都市にできません。あと、都市同士は隣接して建てることができない。

5.手元から騎士コマを1つ捨てて(ゲームから完全除外)、手元からもう1つ騎士を取ってボード上の端のマスに置くことができる。

6.15点以上のチップを支払って、得点チャートを右に1マス進める。

この中から1つ選びます。
つまり、得点チャートを進めるにも1手番必要なんですね。


初期配置。


スタートプレイヤーから順に都市と騎士を1セットで、森と湖以外のマスに置いていきます。
このときも都市同士を隣接させて置くことはできない。

全員が1セットずつ置いたら、今度は最後のプレイヤーから反対回りに都市と騎士コマ1つずつのセットを2つずつ置きます。

なので、都市と騎士が3個ずつ置かれた状態でゲームスタートします。





André, Marc
プレイ記

フォルテさん、usalapbitさん、たっくんの3人プレイ












こういう陣取りゲーの基本「端は効率が良いことが多い」というのに従って配置してみる。



右下のusalapbitさんの都市から来るであろう騎士をブロックすべく、あるいは田園を奪いに行くべく先手を打って騎士を送り込む



一方のフォルテさん、


あのへんは攻め込もうと思えば、2箇所の都市から攻略可能(あくまで今のところの話だけれど)なので様子見にする。

それよりこっちの緊張感がヤバイ・・


臨戦態勢的雰囲気

出陣!



あちらはかなり悠々自適にやられてしまっているが、しょうがない



ここは将来ポイントになると見て、2つしかない要塞を1つ使うことにする





ライバルの居ないところを狙ってる感じで騎士を送り込んでくるフォルテさん



usalapbitさんの赤い騎士が単騎でやってきた



あっちにも



先にこっちをブロックしとかないとかな





村にする



得点ボードの状況。都市を新しく建ててるusalapbitさんは1つ下段に動いてる。









少し時間的猶予があるタイミングができたので、騎士を送り込んでおく


山岳に村を作られてしまったのでもう攻略は不可なんだけど。

そろそろ、青の村を攻略しにかかる


そうすると、もちろんフォルテさんも防衛用の騎士を送り込んでくる
しかし、、こうして敵の騎士を動けない状態にしておいて、裏(右の都市)から別の部隊を派遣することもできる。

とかやってる間に、やべっ、、自分の村が襲われてしまった。


ケチケチしないで要塞にしときゃよかった。

急いで別の部隊を派遣して、山岳に陣取らせる。


これで一安心だけど、これは手痛いロスになっちゃったな。





下の方の平原エリアは制圧したものの、それよりも隣の田園エリアを押さえられてしまったのが。。


なんとかしないと。

こちらは、村→都市にしてしまう。


騎士はここを拠点にして送り込み直せばいいや。


なんとか赤の田園王国を崩したく、騎士を送り込むものの湖や都市がいい感じでブロックになっててキツイ



そろそろ終盤



まずは自分の領地に村を作って得点を稼ぐか



そして、機があればいつでも攻め込める準備を整えつつ




村を建てると



田園王国に攻め込むには、もうここを拠点にするしかないな


途中の村を襲って得点チップを奪いつついければ最高なんだけれど


しかしその前に、フォルテさんの騎士部隊が近づいてきた


これはマズイ・・田園王国攻略作戦を最優先で進めたいところだけれどここはケアせざるを得ない

1手番ロスしたものの、騎士をいよいよ送り込む


いろいろ後手を踏んでた間に、都市にされちゃったりしてるんだけどさ

usalapbitさんも応戦、左からはフォルテさんの騎士団も近づいてきた


3つ巴の争いになるか?!

usalapbitさん必死の防衛戦



そうなれば、こちらはもう本丸目指して一直線



usalapbitさん、こちらも防衛部隊を送り込んでくるのだけれど
そうなれば手薄になった裏手のスキを突きたいところ



フォルテさん「村にします」


あれ?次の手版であれをボード上の得点に変えられちゃったらマズイ?

目標変更、フォルテさんの領土に攻め込む


usalapbitさんの部隊も攻めこんで、一気に2枚の得点タイルを奪取する


しかしそうすると、usalapbitさんの得点タイルが15点溜まってしまい万事休す


序盤で田園に要塞を建てることを選択しなかったことと、攻め込むタイミングが遅れたのが痛かった

手元に残ってしまったチップ




usalapbitさんの勝利



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

3人プレイと4人プレイを1回ずつやってみたのだけれど、どっちも楽しめた。
アクションが6種類あるのだけれど、1つしか選べないため非常にテンポよくゲームが進む。
手元にあるのはオープン情報のコマと得点チップだけで、数もそんなに多くないため取り回しが比較的楽で、総じてプレイアビリティが高い。

ルール量もそんなに多くないし、割とすんなり入っていけるんじゃないかなと思う。
遊びやすさという点では、かなり完成度が高い。

そして肝心の面白さだけれど、これも高い水準で纏まってると思う。

砂漠を越えてレーベンヘルツ新版を足して2で割った感じのプレイ感を感じたのだけれど、どっちかというと後者の雰囲気が強めかな。

で、確かに面白いんだけど、ちょっと地味な印象も拭えない。

特に終盤は、詰碁・詰将棋的なところもあって余計に地味に感じてしまうのかも。

初期セットアップで、ラスト手番のプレイヤーが3つの都市を一気に置けるというのが若干有利に働いているかもと思え無くもないんだけれど今のところそれほど気にはなってない。
まあ、2個いっぺんに置かないで3周目をやるようにしても良いんじゃないかなーとは思ったけど。


繰り返しになるけれど、確かに面白い。

面白いんだけど、レーベンヘルツ新版ほどの凄みは感じなかった。

これだけ良くできてるのになんでなんだろう?ってずっと考えてたんだけれども、他人の打った手をうまく利用した作戦を考えづらいからなのかな?ってちょっと思ってる。
レーベンヘルツ新版の場合はそれに相当する要素は、言わずもがな国境線まわりのルール。

他のプレイヤーが置いた国境線をうまく利用して自分の領土を作ることができる。

無論、本作でも他のプレイヤーの行動が自分の行動に影響を及ぼさないわけじゃないけれど
でもそれはあくまで、敵の動きに合わせてこちらも備えるという類のものが多めで、自分にとってプラス要素をもたらす展開に思考を繋げづらいのかなと思う。

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領土をぶった切られたりとか、収入源を奪われたりとかそういうのがあまり無いので、レーベンヘルツ新版よりはマイルドな感じ。
その分、レーベンヘルツ新版より遊びやすいんじゃないかなとは思うけどね。

2015/06/08


JohnnyBet



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