たっくんのボードゲーム日記

No.144
パトリツィア
Patrizier

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約45

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




ボード全景。9~10個に色分けされているのはイタリアの都市。



けっこうキレイなボードだ。


各都市には、得点チップが2つと、塔建設予定地がやっぱり2つ



そして、カード1枚が置かれている。

それと、青丸のローマ数字をちょっと覚えておいて欲しい。
この都市は(7)。


さて、塔ってなんじゃろか?ということで、こんな感じ。



各都市には2箇所ずつ塔の建設予定地があって、ここに
それぞれの塔コマを置いていく。

で、さっきのローマ数字は置ける塔コマの最大数を示していて
この都市は7なので、2箇所合わせて7個まで置ける。

んで、高い方の塔に最もたくさん置いているプレイヤーが大きい得点チップを
低い方の塔に最もたくさん置いているプレイヤーが小さい方の得点チップをもらう。

つまり、この写真の例だと高い方の塔は4コマで、そのうち白のコマが3つで最大。
低い方の塔は3コマで、そのうち黒のコマが2つで最大。

なので白のプレイヤーが7点、黒のプレイヤーが4点のチップを貰えるというわけ。


さて、では塔コマをどうやって置くかであるが、こんなカードが3枚ずつ配られる。



カードには都市と同じ色が描かれていて・・

例えば、この緑のカードをプレイしたら




緑の都市の建設予定地に自分の塔コマを1つ置ける。




紋章が2つ描かれているカードもあって、このカードをプレイすると




塔コマを2つ置ける。2つの建設予定地に1つずつでもOK。




コマを置いたら、その都市に置いてあるカードを自分の手札に加える。



で、山札から都市のカード置き場にカードを補充

手番でやることは基本的にこれだけ。


さて、カードの中にはちょっと特殊な効果を持つものがあって



左のカードは、建設済みの塔コマを1つ移動させることができる。
ただし制限があって、その手番で塔を置いた都市以外で
自分の塔コマが1つ以上置かれている都市でなければならない。

右のカードは、カードを手札に加えるときに
どの都市からでも取ることができるカード。
通常は塔コマを置いた都市からしか取れないので、これがけっこう重要。


プレイしたカードは捨て札にするのではなく、自分の前に溜めていきます。



全員の手札がすべてプレイされたらゲーム終了。

ここで、同じ顔の貴族3人を1セットにグループ分けします。

で、1セットにつき6勝利点がもらえる。


もっとも勝利点の多いプレイヤーの勝ち。





Schacht, Michael
プレイ記




父、弟と俺の3人プレイ




俺の最初の手札。



ふーむ。

全ての都市の得点チップをまんべんなく取れるわけはないんだから
ある程度狙いは絞った方がいいよな。


手札に赤があるから、、あの茶色が取れて・・・




その茶色をプレイすると、また赤が手に入る。



とりあえず、そういう方針でいくか。


赤の都市に塔を建てる。ちなみに俺のプレーヤーカラーも赤。



父が白で、弟が黒。


さて次、手札はこんな感じ。灰色をプレイすると



あの緑が手に入って



こっちの青につなげられる。



そうすると、同じ貴族が3人揃うな。よーし。


狙ってたわけじゃなかったけど、黄色の都市のチップは
2つとも俺のものになることが確定。



まぁ、そんなに高い点数じゃないんだけどね。


この都市はチップ取りにいきたいところ



しかし、紫のカードが手に入らない。
どうすっかな。。


塔を移動できるカードを温存しておいて
弟(黒)が塔を置いてきたら、すかさず移動させてしまう作戦でいく。




しかし、、







弟「じゃあこれで確定したから紫の都市、決算ね」

あれ?ちょっと待て。

もしかして、俺チップまったく貰えないの??これ???

弟「そうだよ」

ぐやじい~~~!!!


最終形



踏んだり蹴ったりだった俺はドベでした(T_T


プレイ記2



フォルテさん、JOSSさんと俺の3人プレイ


フォルテさん ⇒ 赤
JOSSさん ⇒ 白
たっくん   ⇒ 黒


さて、どうしますかね・・


ま、最初のうちはコマの移動とかはあまり意味が無いので
人物付きのカードか塔を2つ置けるカード中心にプレイするのがいいかな。


ピンクの都市にズデーンと2つ重ねて置く




俺がプレイしたカード


4手番目で、前述の2カードのタネが尽きたので
このあたりで、好きなカードを引けるカードをプレイすることにする。


ボードはこんな状況。まあ、まだ誰が優勢とかそういう状況ではないな。


右下の赤い都市に置かれてるカードは人物が2つ付いてるから欲しいな


さーて、どのコマを移動させるかな?


やっぱあれかな


俺の黒い塔の上に乗っかってるのを


移動、と。

フォルテさん「あ、せっかく置いたのに・・w」


しかしやったらやり返されるのがこのゲーム。


まあ、全ての都市で勝つことなどできないのだが


しかし黄色のカードは持っている。


しかも人物2つ付きなので、これはプレイしといた方がいいな。


それはそれとして、赤のコマを2つ置きつつ


欲しかった、あの人物2つ付きカードをゲット

速攻でプレイする




よし、これで人物3つが2セット揃った




黄色の都市の勝利点チップは結局フォルテさんに取られてしまった


これはしょうがないかな、黄色のカードはどちらかと言うと
人物重視で置いたカードなので、ここは良しとしておこう。


緑の都市は勝利点チップもらえることは確定


しかし、MAX5個の都市は、3つ置かれてるところに
最後に2つ被せるように置くのがベストではあるんだけれど。


ローマ(赤の都市)もフォルテさんに総取りされてしまった


んー、これはちょっとまずかったかな。


でも俺は、人物3セット目の完成が確定


これだけで18点なので、まんざら戦況が悪いわけじゃない


しかし3度フォルテさんにやられてしまう


緑の都市、1個置いただけで高得点の方のチップを持っていかれてしまう。

これは、ちとくやしいな・・


一応俺も勝利点チップゲット


でもそろそろ、高い点数のチップも欲しいな


水色の高い塔は何とか俺が制した




シルバーの都市は2個総取り


盛り返してきたぞ


高い塔を3つの都市で制圧 もう1個くらい欲しいところだが




最後の攻防

フォルテさんが茶色の都市にコマ1つ置けるカードをプレイする


フォルテさん「どっちに置くかなー」

フォルテさん「たっくんが何のカード持ってるかなんだよな・・・」

フォルテさんしばし考える

ふふ、茶色のカードは持ってるんですよ。

右の塔に置いてくれ!(心の声)

結局、フォルテさんの選択は、右の低い塔


結果、こうなりました


俺「やったぁ」


俺が獲得したカードとチップ




■結果

たっくん51点
フォルテさん48点
JOSSさん42点
俺「最後の茶色のアレで勝敗が決まりましたね」 なんとか勝利

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

マンハッタンに似てるのかなぁと思ってたのだが、実際やってみると全然違った。
基本的に塔を建てた場所ののカードをもらうので、そのカードをあそこで使って
そうするとそれをさらにあそこで使って・・・と連鎖的に考えをめぐらせることになる。
そのへんの感覚はマンハッタンには全く無かった点だ。

熱いのは塔の移動。これによってチップ独占だったはずが
あっという間に崩されてしまったりするのは、してやったりだったり
くやしさ全開だったり。それを踏まえた作戦を立てたりするのも面白い。
相手の手札が見えてもおそらく問題ないので
いっそオープンカードでやっても面白いかもしれない。

塔の移動に関して、今建設した都市ではできないというルールがあるけれど
多分これは許してしまうと強力過ぎるという、ゲームバランスの問題から来てるんだと思う。
でもこれを開放してガチンコの殴り合いにしても面白いかもしれない。
もう少し深いカラミを演出してもいい感じはする。

ただ、ちょっと選択肢の幅が狭すぎるかなぁ。やりたいことがなかなかやれない。
マンハッタンは自由度が高すぎてアレな感じだったけど、こちらは少々縛りがキツ過ぎ。
もうちょっといろいろ手を選ばせて欲しい気がする。

ゲームの収束性、キレ、プレイアビリティは相変わらず素晴らしい。
ルールもかなり簡単な部類なので小学校低学年くらいからできると思う。
時間も1時間はかからない。長考しなければ30分前後といったところ。
ま、そんなに長考するほど選択肢は多くないんだけどね。

ボードや箱の絵柄は美麗だし、木製の塔コマもよくできてる。
欲を言えば、塔コマは全部同じ数用意して欲しかったかな。
やっぱ、いつも使ってる色を使いたい^^;

総論として、狭い選択肢の割にはかなり面白いゲームだと思う。
これならおそらく2人プレイでも遜色ない面白さであろうとも感じる。

それにしても、何回やっても勝てなかった・・・ニガテなんだろうか。



■追記

他のプレイヤーに相乗りすることで効率よく得点を稼ぐという点は
同じ作者の王と枢機卿に良く似ている。
プレイ感も良く似ているのだけれど、こっちの方が若干初心者に優しいかな。
王と枢機卿の場合、枢機卿で大量得点するには一定レベル以上の戦略眼が必要だったが
パトリツィアの場合は、特に人物カードはとにかく3人そろえれば6点と
それなりの点数になるので、非常に分かりやすい得点源と言える。

カード選択の自由度も王と枢機卿よりは低いので、そのへんも実力差の緩和に役立ってると思う。

個人的には、その頭打ちさ加減がちょっと物足りない感じではあるんだけれど
もちろん考えどころはゼロではないし、このシャープな切れ味とテンポの良さは
実にシャハトらしいと思う。

シャハトの作品の中では比較的とっつきやすいルールだと思うのと
2人プレイが可能なので、やったこと無い人には是非プレイしてみて欲しいなぁ。

で、物足りなくなってきたら、王と枢機卿へ進んで欲しいんだけど
残念ながらあちらは絶版なんだよな。。再販を強く希望したい作品の1つ。

リメイクのチャイナも悪くは無いんだけどね・・・

2012/04/16


JohnnyBet



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