たっくんのボードゲーム日記

No.542
ヴァンパム
Wampum

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約30

ルール難易度 難しくはないけれど、簡単でもないかな・・
日本語化 不要


カードゲームです。
5種類の商品をインディアンと取引(物々交換)します。


商品カードは5色×18枚ずつ=90枚あります。

テーブルの真ん中にプレイ人数と同じだけの村カードを置きます。
村カードには、商品カードの枚数を表す絵が描かれていてプレイ人数によって以下の村カードを使用します
2、3人プレイ:2、3、4 4人プレイ:2、3、3、4 5人プレイ:2、3、3、3、4


商品カード90枚は良くシャッフルして山札にします。※プレイ人数によって抜くカードがあります。


村カードに描かれているのと同じ枚数の商品カードを山札から引いて、村カードの右側に置きます。



商品カードの山札から手札も配ります。1人5枚ずつです。



とりあえず、これで大体準備完了。


各プレイヤーは村に置かれている商品カードセットと手札のカードを交換しようとします。
交換に出すカードは手札から村カードの左側に置きます。

例えば、こんな感じで置くと紫の商品カード1枚に対して赤2枚、紫2枚を交換しようとしています。
1対4とは、不公平な取引ですね・・



次のプレイヤーも村を1つ選んで、その村が持っている商品に対して自分の商品を交換に出します。



交換に出す商品カードの組み合わせや枚数に制限はありません。



より多くの枚数の商品カードを出せば、すでに置かれている他のプレイヤーの商品カードを追い出すことができます。



追い出されたプレイヤーは、他の空いている場所に移動するか、より枚数の少ない場所のカードを追い出すことができます。



追い出すことができなければ、空いている場所に行くしかありません。
これで、全プレイヤーの取引相手となる村が決定しました。



取引は大きく分けて2種類あります

1.プレイヤーが出したカードの中に少なくとも1枚以上、村に置かれているカードと同じ色がある場合

各プレイヤーの取引相手の村からカードを全部取って手札に加えます。
プレイヤーが置いたカードは、村カードの右側に移動してその村の新しい持ち物になります。




2.プレイヤーが出したカードの色と村が持っているカードの色が全く違う場合

置いたカードの中から1色につき1枚を村の方に移動して、余ったカードは勝利点になります。




これだとなんだかカードを取られただけのように見えますが・

もし、仮にこう置いていたとすると



緑と紫のカードを1枚ずつ村に献上して



残ったカードは



まとめて裏返して(ヴァンパム ※首飾り が描かれています)



自分の木箱カードの下に入れます。


木箱に入れられたヴァンパムは1枚1勝利点です。


ゲームの流れ

1.スタートプレイヤーから順に手札から任意の枚数の商品カードを取って、村の左に置く
 ※出す商品カードの枚数で上回れば、すでに置かれている他のプレイヤーの商品カードを追い出すことができる

自分が出した商品カードは少しずらして置いて、さらに誰が置いたかを表す商人カードを置きます。



2.もっとも多い枚数の商品カードを出したプレイヤーが、スタートプレイヤーカードを受け取ります。



3.山札から2枚ずつ商品カードを配る(支給)

4.手札の商品カード枚数をチェックし上限を超えている場合は捨て札にする。(中身が分からないように伏せて捨てる)
 →最も多い枚数の商品カードを出したプレイヤー(スタートプレイヤーカードを取ったプレイヤー)の出した枚数+3枚。
 →つまり、4枚で最多だったラウンドなら+3枚で7枚が手札に持てる商品カード枚数の上限(全員共通)

5.村と商品カードの交換、もしくはヴァンパム(勝利点)と交換する

これで1ラウンド終了。

山札がなくなったら、もう1ラウンドだけ行います。(商品カードの支給はナシ)
最後に手札に残った商品カードは、1種類につき1枚だけヴァンパムとして木箱の下に入れることができます。
(つまり、商品カードは5種類あるので最大5枚)

もちろんヴァンパム(勝利点)が最も多いプレイヤーの勝ち。





Allers, Jeffrey

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

こういうアナログゲームが初めての人にはもしかしたら少し難しいかもしれない、と思うのだけれど
それを差し引いて考えても、非常に良く出来てる面白いゲーム。

一種の競りゲームなんだけれど、あまり競りという感じはしない。
というのも、1枚1枚の商品カードそのものに絶対的な価値の上下関係がなくて状況によって常に価値が変化するものだから。
強いて言えばカードの枚数が多いのは強かったり魅力的だったりするのだけど、でもそれですら手札の枚数制限というのがあるので微妙かもしれない。

先手番のプレイヤーは、欲しいところに先に置けるので部分的には有利だけど、後手番のプレイヤーには追い出しという強力な対抗策がある。
もし追い出されたときどうなるか?を考えつつ、出されたカードによって手札上限が変わるのでそのことも気にしつつ・・とても悩ましく面白い。
特にヴァンパム狙いで多くの枚数を出しているところで追い出されてしまうようなことが起きてしまうと非常に痛い。

改めてよく見てみると、このゲームは効果はおろか数字すら書かれていない5種類の商品カードだけでゲームとして成立していることに気づく。
それ以外のカードは全て、プレイしやすくするための補助ツールに過ぎないんですよね。

お金と競りの対象が同じゲームというと、酔いどれ猫のブルースあたりを思い出す。
あのゲームもたった6種類のカードだけでこれだけの面白さ、というのがあった。
そういうところは似ているといえば似ているかなーと思う。

一応のところ「競り」というのも共通してる。

ただし、プレイ感はだいぶ違う。
まず、酔いどれ猫のブルースほどのキツさは無い。
あれは手札枚数を減らし過ぎてしまうと、結構致命的でゲームに参加できない状態が続いてしまう。
そういうのが分かってるプレイヤー同士なら良いんだけど、やっぱシビア。

本作は一時的に手札0枚とかになっても全然大丈夫。
もちろんうまくやらないと点数は伸びないんだけど、少なくともゲームから半分脱落みたいなことにはならない。
あと、毎ラウンド全員必ずどこかの村と取引を行うことができるので印象としてはかなりマイルドかなと思う。

ただし、シビアなのがダメでマイルドなら遊びやすくて良いとかじゃなくて、あくまでタイプの違い。


基本的に1色の色をたくさん集めてそれをドカっとヴァンパムに交換できれば効率が良いんだけれど、変動する手札の上限制限がそれを自由にやらせてくれない。
まあヴァンパムへの交換が行われれば、必然的にその村にはたくさんの種類の商品が1枚ずつとかで並ぶことになるので偏らせて集めること自体が大変だったりするんだけど。。

色々な要素が連動していて、しかも非常にうまく機能している。
名作カードゲームと言って良いんじゃないかと思う。

2017/06/26


JohnnyBet



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