たっくんのボードゲーム日記

No.135
クオ ヴァディス
Quo Vadis?

プレイ人数:3 - 5
プレイ時間:約50

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




ボード全景。かなり小さめの箱の割には、けっこうしっかりしたボード。



部屋みたいなのは「議会」で、一番上が元老院。
議会はそれぞれ定数があって、1,3,5となっている。

元老院の定数は5

ここに自分の議員を最低1人、送り込むことが目的の1つになっている。


議会と議会の間には勝利点チップ(月桂樹チップ)が置かれていて
下の議会から上の議会へ議員を送り込むときにもらえる。



これが目的の2つ目。

つまり、より上の議会の議員になることを目指して勝利点をかき集めるのだ。
元老院の定数が埋まったらゲーム終了。


ここの議員になることを目指す・・




自分の議員(手駒)は8個で、手番では
一番下の議会にコマを置くか、、




既に議会に置かれている自分の議員コマを1つ上の議会へ移動させることができる。



このとき、定数1の議会から上へあがるときは無条件なのだが

定数3および5の議会から上へあがるときは
その議会の議員の過半数の承認が必要になる。


例えば、赤のプレイヤーがこの定数3の議会から上にあがるには



青のプレイヤーか黄色のプレイヤーの同意を得なければならない。


しかし、この黒のように1プレイヤーで既に過半数を占めている場合は
他のプレイヤーの承認は必要ない。



ただし、上にあがれるのは1つだけで
上の議会が一杯の場合はあがることができない。


うまく上にあがることができたら勝利点チップをもらいます。




さて、同意だの承認だのと書いたが、ここがこのゲームの心臓部で
要するにこれは交渉なのである。

つまり、自分が上にあがるために同意してもらう代わりに
自分も他のプレイヤーが上にあがるのを承認したりする。

しかし、ここはどんな交渉の仕方をしてもOKで
勝利点チップを差し出してみたり、あとで紹介するカエサルを
都合のいいように動かすことを条件にしたり、いろいろな同意の得方がある。

そこはプレイヤーの交渉力次第。




さて、カエサルである。

最初は元老院の直下においてある勝利点チップの上に置かれている。



手番では第3の選択肢として、このカエサルを好きなところ
(勝利点チップの上)に移動させることができる。


カエサルがいるルートをあがる場合は
例の過半数の承認無しでOKになる。
ただし、その代わり勝利点チップはもらえない。


勝利点チップの中にはカエサルのマークがついているものもあって



これは勝利点を獲得すると同時にカエサルを動かせる。


元老院が埋まったらゲーム終了。




得た勝利点チップの最も多いプレイヤーの勝ち。



ただし、元老院に最低1人は議員を送り込んでいることが条件である。。





Knizia, Reiner
プレイ記



父、弟と俺の3人プレイ



俺が赤で、父が青、そして弟が黒。



みんな、他のプレイヤーの承認を必要としない定数1の議会とか
過半数を自分だけで押さえてから上の議会に上げていくので、、



割と淡々と黙々と進行する

うーん

俺「親父、これ賛成してくんない?」

見返りは用意してないのだが(笑

当然

親父「ノー!」


ま、そりゃそうだよな^^;


写真上部の、定数3の議会はそれぞれ1人ずつ議員を送り込んで膠着状態。。
定数5の議会も弟(黒)が過半数を押さえてて、かついっこうに動かそうとしないので
ここもどうすることもできず。。



しょうがない、定数1の議会から地道に上げるか。

その後、、


真ん中の定数3の議会(青の矢印)は赤の俺が過半数を押さえているので
他のプレイヤーの承認無しで上に上がれる。



できればその上の定数5の議会に議員を送り込みたいのだが
カエサルチップが置かれていて、勝利点チップを取れない。。

俺「親父、このカエサル動かしてくれない?」

俺「そしたら、こっちの議会で賛成するからさぁ・・」

親父「えー?」

弟「兄貴が自分の手番でカエサル動かすのが面倒だから人にやってもらおうってことでしょ?」

まぁ、そういうことだ。


しかし、親父は話の内容を理解できず、結局交渉は不成立。


しょうがねぇなぁ、自分で動かすか・・

自分の手番でカエサルを移動させる


ところが!



同じ場所に舞い戻ってくるカエサル。

なにすんの~~!!!

俺と親父で、カエサルを行ったり来たりさせてる間に
1人ホクホクの弟。。


親父は青。



上の議会が一杯で議員を進ませることができない。。

親父「・・・」

親父「この議員、抹殺できるってルールは無いの?」



そんなの無い無い^^;


俺「この3人議会で親父が賛成してくれたら空き席ができて、上に進められるよ」

親父に再び交渉


この交渉が成立すれば俺と親父は3点ずつもらって、
目下たぶんトップ目の弟との差を詰められる。

しかし、、弟の巧妙な口車にだまされて、またも交渉不成立。

くそー


最後は弟がカエサルを移動させて、最後の元老院の空き席を埋めてゲーム終了。



微妙だけど、勝ってるんじゃないかなー

俺「おまえ何点?」

弟「22点」

俺は、、20点。負けたー、逆転したと思ってたんだけどなー。


プレイ記2

5人プレイ



手番はイズナさんから


定数3のあの議会はなかなか美味しいんですよね

みんな下院に2つ目のコマを置いていく中、俺は上院へ進めてみる



青のイズナさんの賛成を取り付けられればさらに上にいける


いや、ここは逆にイズナさんに譲っておいてあとで協力してもらうか

俺「イズナさん、この定数3のとこでイズナさんに賛成するんで」

俺「あとで右上あたりで賛成してもらえませんか?」

イズナさん「いいですよ」


コネを確保しつつ、単独過半数を確保したぞ

黄色のぐっさんがのこった1議席に上がってきた



うーむ、右上の定数3の議会はイズナさんの賛成票が計算できるから


左上の議会から元老院に送り込むことを計算していた

MTさんは定数5の議会で単独過半数を確保


MTさん「チップもらいますね」

しかし、、まったく動かないカエサル


直下の議会から元老院へ次々とコマが送り込まれ
あっという間に定数5の元老院が3席も埋まってしまった

まずいな。。。

しかし、黄色のぐっさんから渡された多額の賄賂に目がくらみ
元老院へ上がることを承認してしまう。


単に元老院へ送り込むだけじゃ勝利点が足りなさそうだったので

最後の1席をかけて黒のYさんと決戦かな

しかし、左下の議会でYさんは、ぐっさんの賛成を取り付けられてしまい



元老院埋まるの早すぎ、負け。


悔しかったので2戦目を申し込む



今回は定数5の議会もちょっと重視してみる



前回の反省を踏まえて、なるべく早い段階で元老院に送り込んでおきたいな


カエサルが居るうちに、定数5の上院へ行きたい

ワラワラ集まってきた



今回はカエサルが移動してしまったためタダでは通れない


しかし、代わりに現れた勝利点5は美味しいな

だが、2人の賛成を取り付けなければならないのも厳しい

イズナさん「たっくん、こっちの3人議会で賛成してくれたら」

イズナさん「元老院の下の5人議会で賛成しますよ」

なるほど、それはうまいかも

俺「いいですね、賛成します」

というわけで、めでたく元老院一番乗り



ふーむ、1人議会からは無条件で上に上がれる


俺「MTさん(赤)、こっちの3人議会で賛成してくれたら」

俺「(元老院に通じる)5人議会で賛成しますよ」

イズナさん「その交渉、俺がやりたかったんだけどな・・」

今回は5人全員、元老院に行けました。



得点チップは・・



イズナさん「19点です」

俺「19点!」

同点でした



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

もっといろいろ頻繁に交渉が発生するのかなと思ってたのだが
基本的には自分の議員だけで多数派を作って上に上がっていく感じで
交渉は、ここぞというときピンポイントでやる印象だった。
そういう意味では、交渉が始まるまではちょっと単調で地味。

で、もちろんその交渉こそがこのゲームの醍醐味。
相変わらず収束性は素晴らしく、洗練されたデザインだ。

交渉以外は、コマを移動させるだけ、チップを移動させるだけと
これ以上無いくらいシンプルに出来ているため
どこで、どんな交渉をするかという部分にスポットライトが当たっている感じがする。
得点チップの配置のされ方で、どの議会を重要視するかとか
戦略が変わってくるのも面白い。

それとカエサルチップがまた絶妙なものを演出していて
賛成無しで上に上がれる代わりにチップが取れなくなるという
これもこれで強烈なジレンマになっている。

よくこんなん考えるよなぁ、ホントつくづく感心させられる。
ただ、チップはもうちょっと大きめに作って欲しかったかな。
ちょっとちっこくて扱いづらい。

交渉という、相手の利益について考えて譲歩を引き出す能力が要求されるため
対象年齢は若干高めかな、小学校低学年の子にはちょっと難しいかもしれない。

その分、大人にはやりがいがある。歳の功というか
こういうのは経験を積み重ねた年配の人が有利な場合も多いかもしれない。

一見地味な印象なのだが、交渉でした約束が反故にされたりすると
ある種の盛り上がりを見せたりするので、そういうのがあると周りは大爆笑^^;

まぁ、あくまでゲームの中のことなので、人間関係にはヒビが入らないように・・・^^;


いろいろ見ているとこのゲーム、それほど評価は高くないようだが
個人的にはそんなことは無いと思う。非常に良く出来てるよ。
さすがに傑作とまでは言わないけどね。




■追記

以前やったときは、交渉はピンポイントでという印象が強かったのだけれど
これはやはりプレイヤー次第だな。というかプレイ人数の影響が大きいかも。

たぶん、ベストはMAXの5人プレイ。

けっこう濃密な交渉ゲーでありながら、お手軽さも兼ね備えてるのが素晴らしい。
A評価にしても良いような感じもするけど、何かもう1つ背中を押してくれるものが
欲しかったので、ここはBのまま変更無しにしとく。

遊びやすい、いい交渉ゲーだと思います。
クニツィア先生にしては割と珍しい作風かも。

2013/06/11


JohnnyBet



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