たっくんのボードゲーム日記

No.53
モダンアート
Modern Art

プレイ人数:3 - 5
プレイ時間:約40

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




プレイヤーは画商となって、5人の画家の絵を競り落とします。
しかし全ての画家の絵に価値が付くわけではなく
最も市場に出回った順に高値が付いていき
5人のうち、2人の画家の絵は紙くずになってしまいます。

どの画家の絵に値段がつきそうかを見極めながら
絵の適正価格を判断し、より大きな利ざやを狙っていくゲームです。

最終的に最も大きな利益をあげたプレイヤーが勝利します。


ボード全景。 縦に5列、5人の画家が書かれています。



画家は以下の5人

・lite metal
・yoko
・christin p.
・karl gitter
・krypto


名前の下のマル4つは、その画家の絵の値段チップを置いていきます。
全4ラウンドでゲームは終了します。



競りにかけられる絵画カード



画家ごとに色分けされている。


手番では、手札から絵画カードを1枚(場合によっては2枚)出して競りにかけます。



落札されたら、落札金は手番プレイヤー(オークショナー)が受け取ります。
※手番プレイヤーが落札したら、銀行に支払う


落札した絵画は自分の前に表向けて置いていきます。

手番(オークショナー)は時計回りに順番に回っていきます。


5人の画家のうち、誰か1人の画家の絵が5枚表向けて置かれたら
即ラウンドは終了します。



※5枚目の絵がオークションにかけられようとした瞬間終了します(競りは行われない)

この写真の例だと、yoko(緑)の絵が5枚出されたのでラウンド終了する


で、最も場に置かれている絵(この場合はyokoの絵)から順に高値がついていきます。


こんな感じかな、最も多く市場に出回ったyokoの絵は1枚30



2番目がchristin p.で20
3番目がlite metalで10 残りの画家の絵は0(紙くず)です


つまり、christin p.の絵を2枚落札していれば



1枚20なので

20×2=40で、ラウンド終了時に売却することができる。



この売却価格は2ラウンド以降、今までの累計になります。

例えば、第2ラウンドはこんな感じで値がついたとすると



lite metalの絵は10+20=30となり、1枚30で売却できる

それに対してyokoの絵は第1ラウンドで30の値がついたのだが
第2ラウンドは値がつかなかったため、ここでは紙くずになってしまう。

同様に、christin p.は1枚50 karl gitterは10


しかし第3ラウンド以降、そのラウンドで値段がつけば累積で計算される。

たとえば、第3ラウンドでyokoの絵に10がついたとしたら
第1ラウンドの30と合わせて40で売却できる。



さて、競りの方法は5種類あって絵画カードの角のマークで描かれている。


1.フリーオークション(十字のマーク)



それぞれのプレイヤーが自由に入札します。
最も高い値をつけたプレイヤーが落札します。


2.一斉入札(1箇所欠けたマーク)



落札したい金額を手のひらに握り、一斉にオープンします。
最も高い金額を握ったプレイヤーが落札します。


3.順番に1回ずつ入札(1回転の矢印)



時計回りに1回ずつ値段を付けます。
つまり、より高い値をつけるかパスするかです。


4.指値入札($マーク)



オークショナーが価格を設定し、順番にその価格で落札するか
どうかを決めます。最初に買うことを決めたプレイヤーが落札します。


5.2枚同時入札(=マーク)



同じ画家の、もう1枚別の入札方法の絵と一緒に入札されます。
入札方法は2枚目の絵の入札方法に従います。
2枚の絵は、必ず同じ画家でなければなりません。


※2枚目のカードをプレイしない(できない)場合
2枚目のカードをプレイする権利は左回りに移っていきます。
(誰も2枚目のカードをプレイしない場合は
 1枚目のカードはプレイしたプレイヤーが無料で獲得します)

もし、2枚目のカードがプレイされた場合は、そのプレイヤーが
オークションの収益を総取りします。
つまり、1枚目のカードをプレイしたプレイヤーは収益を受け取れません。

メイフェア版付属のルールでは1枚目のカードと2枚目のカードをプレイしたプレイヤーで
収益を折半する記述がありますが、これは間違いのようです。



■ゲームの流れ

各プレイヤーは持ち金を隠す「ついたて」と、資金100を受け取ります。

ゲームは全体で4ラウンドで構成されていて、各ラウンドの最初にプレイ人数に応じた絵画カードを受け取ります

プレイ人数 ラウンド1 ラウンド2 ラウンド3 ラウンド4
3人プレイ 10枚 6枚 6枚 0枚
4人プレイ 9枚 4枚 4枚 0枚
5人プレイ 8枚 3枚 3枚 0枚
いずれのプレイ人数でも、第4ラウンドでは追加のカードは配られません。 手番のプレイヤーは手札から絵画カードを選んでオークションにかけます。 で、絵画カードを落札したプレイヤーは手番プレイヤーに落札金額分のお金を払って 絵画カードを獲得します。 獲得した絵画カードは表向けて自分の前に置いておきます。 時計回りに手番(オークショナー)が回っていき、同じ画家のカードが場に5枚オープンに置かれたらラウンド終了。 落札した絵画を売却して次のラウンドに入ります。(このとき追加のカードを配る) 4ラウンド終了したらゲーム終了。 最もお金を稼いだプレイヤーの勝ち。 手札に残った絵画カードは何の価値もありません。
Knizia, Reiner

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

Great!これだけ単純なコンポーネントでこれほどまでの面白さを演出するとは見事。
自作しようと思えばなんとかなりそうな感じなので、値段と内容物を
単純に見比べてしまうとちょっとどうなのかなと思ってしまうのだが
この面白さに対する代金だと思えばぜんぜん納得できる。

評判を裏切らない面白さ!

序盤はみんな相場観がつかめず適当な値を付けていたのだが
だんだん人気画家と売れない画家が出始めると熱くなってくる。
「この画家推してるんだよ~」とか「こいつはやっぱり一発屋だったな」とか
会話も自然と盛り上がる。

勝負のポイントは、やはりオークショナーに有利な一巡入札と
一気に2枚、場に流通させることができる抱き合わせのカード。

お金の稼ぎ方には、出品した絵を他のプレイヤーに落札してもらうのと
落札した絵をラウンドの最後で売却する2通りがあるので
それはもう悩む悩む。出品するにしても落札するにしても適正価格を探るのに必死だ。

常に高値で取引される人気画家だと思って、大枚はたいて落札してみたものの
結局紙くずと化したときはボーゼン・・

あと一斉入札は非常に盛り上がる。結果がどうなるか読みにくいけど
この入札方法はとても面白いと思う!せーのでオープンするときの緊張感がイイ。
落札してもらって稼ぐなら、自由入札がいいかもしれない
適度に自分も入札して値を徐々に吊り上げるのだ。

稼ぐ方法が2パターンあるという点と、絵の相場が常に変化していくというのが
本当に絶妙なものを演出していて、よく出来ている。
さまざまな入札方法が、そこに相乗効果で面白味を倍増させている感じだ。

どこでも言われていることだが敢えて繰り返しておこうと思う。
競りゲームの最高峰と言っていいんじゃないだろうか。

どう考えても傑作だ、面白い。


■追記 2011/08/11

メイフェア版とペガサス版を比較してみたのだが
好みの問題もあると思うが、総合的に見てメイフェア版が良いと思う。


■理由1 - コンパクト
なんというかペガサス版は無駄に大きいコンポーネントになっている気がする。
その分、しっかりした厚手のタイルだったりするのだが
個人的にはメイフェア版のコンパクトさが好きである。


■理由2 - プラスチック製のコイン
ペガサス版は紙タイルのコインなのだが、一斉入札が気になる。
というのは、紙が手の汗を吸ってしまわないか?という不安がある。
メイフェア版のプラスチック製ならその心配は無い


■理由3 - 親しみやすい画家の名前と絵
こうなるともう完全に好みの問題になるのだが
ペガサス版よりもメイフェア版(ハンス版)の画家の名前の方がしっくりくる。
また、絵の内容もメイフェア版の方がそれっぽい感じがする。


上2つの理由が大きいかな、まあ今流通してるのはメイフェア版が中心なので
あまり声高に言う必要は無いことなのかもしれないが。。


JohnnyBet



番外編


長らく入手困難状態が続いていた本作ですが、、ニューゲームズオーダーさんからリメイクされました!


ついでなので、ハンス版も一緒に比較しながらご紹介してみたいと思います。


箱のコンパクトさは相変わらず良い感じですね〜

所要時間の表記が少し上積みされてました。


たしかに45〜60分くらいが妥当でしょうね。

慣れてきたメンツでも3人プレイで40分くらいかなと思います。

箱はコンパクトですが、ボードは2つ折りになってるので大きさに極端な差はありません。



裏面は滑り止めが付いてるのも地味にいいですね。



さて、カードは質感も含めてほとんど見分けがつかないくらいの出来映えです。


アイコンが若干細めのデザインになったのと、画家の名前のフォントがちょっと変わったかな?程度です。



色合いが微妙に淡い感じかな?


敢えて、日本語に訳されていません。

まあ、この辺は外国語でもほとんど遊ぶ上での支障にはならないし、だったら原板のイメージを崩さないようにということですね。


カードのバックも基本的には同じデザインになってます。



衝立は、箱の大きさの関係上だと思いますが少し違いがあります。



そして、衝立の裏面のサマリはさすがに日本語です。



価格表示タイルは、3桁区切りのカンマが入ってさらに下3桁のゼロがより小さく描かれています。


お金の額面は変えずに(雰囲気を壊さないように)、でも実際にプレイするときはカンマより左側だけを見れば良いように
より見やすく改良されています。

ただ、、もうちょい大きめに作って欲しかったかな〜 ちょっと扱いづらそう。


そしてコイントークン


額面20,000のコインが追加されています。







枚数もかなり多めに入ってます。


これなら足りなくなることはほぼ無さそうです。


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非常にいい完成度ですねー
この内容で3000円とは恐れ入ります。

今度からモダンアートを持ち出すときは、このバージョンのにしようかと思います。


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