たっくんのボードゲーム日記

No.275
フィジー
Fiji

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約30

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




ちょっとおどろおどろしい顔が描かれたタイルです


これは勝利点チップで、1枚1点


勝利点を獲得するのに重要なものが、これらの宝石


4種類あります。


緑を5、赤を4、黄を3、青を2ずつ配ります



ゲームは全4ラウンド行うのだが

各ラウンドの最初で、毎回この配分で配りなおします。



宝石は各自、衝立の後ろに隠します。


そして、同じ数の宝石セットを場にも置きます。


各ラウンドの最初に、マーカーカード(一番左のカード)と
4枚のゴールカードをオープンにします。(マーカーカードの右側に一列に)


これでラウンドごとに順位を決めます。


ゴールカードは上下に意味があって


大きい宝石の絵が上になっている場合は
できるだけたくさん集めます。

逆に小さい宝石の絵が上になっている場合は、その宝石について
できるだけ少なくなるようにします。


そして、マーカーカードに近いカードが優先的に適用されます。


つまりこの場合、黄色の宝石の所持数が最も少ないプレイヤーが
そのラウンドで1位を獲得します。

タイの場合は、青の宝石を多く持っているプレイヤーの勝ちになります。

それでもタイの場合は、赤、最後に緑という感じで順位を決めます。



たとえば、あるラウンドの結果がこうなった場合


まず、黄色の宝石が最少のプレイヤーに順位の優先権があります。

プレイヤーBとCがタイなので、次は青の宝石が多い方が優先なのですが
ここでもタイなので、次に赤が少ない方をみると
プレイヤーCの赤5に対して、プレイヤーBは赤2なので
プレイヤーBが優先されます。

よってこのラウンドは

1位:プレイヤーB
2位:プレイヤーC
3位:プレイヤーA

となります。

そして、この順位に従って勝利点を獲得します。

獲得できる勝利点は

・プレイ人数 - 順位

この場合なら、プレイ人数は3なので

1位のプレイヤーBは、3-1で2勝利点を獲得します。
2位のプレイヤーCは、3-2で1勝利点、最下位のプレイヤーAは
このラウンドで勝利点を獲得できません。

最初に書いたとおり、全4ラウンドの合計で勝敗を決めます。



さて、ではラウンド内でどうやって宝石をやりとりするかであるが

2種類のカードを使用します。

1つが、この要求カード




もう1つが支払いカード




各ラウンドでは、それぞれ4枚ずつ場にオープンにして
要求カードと支払いカードを1枚ずつでペアにします。




各プレイヤーは、自分の手持ちから1~4個の宝石を握って一斉にオープンにします。




たとえばこんな感じだったとする




で、4つのペアについて見ていくのだが

まず一番左のペアの意味は


緑の宝石を最も多く出したプレイヤーが
赤の宝石を場から3つ獲得するという意味。


要求カードは、片手のカードと両手のカードがあるのだが


両手 → 最大
片手 → 最少

という意味になっていて


まあとりあえずこの場合、緑を一番多く出しているのはプレイヤーCなので


赤の宝石を場から3つ取って衝立の後ろに置きます。


次、このペアは要求が片手なので
条件は「青と赤の宝石の合計が最少のプレイヤー」


そして、下の支払いカードの意味は
要求カードの条件を満たしたプレイヤー以外のプレイヤーが
緑の宝石を1つずつ受け取ります。


ちなみに、要求カードの条件でタイの場合は両プレイヤーとも権利を失います。
全員が権利を失った場合や、支払いカードに描かれている分の宝石が
場に無い場合は、誰もそのカードを実行できない。


この支払いカードは、場にある青の宝石の半分を獲得します。(端数切捨て)




最後、このペアの意味は


出したすべての宝石の合計が最も少ないプレイヤーが
緑の宝石を4つ受け取ります。


で、このとき出した宝石は

全て場のストックとしてテーブルの真ん中に置きます。



要求カードと支払いカードは変えずに、これを3回行います。

1ラウンドの内容 1.宝石を配りなおす(最初に配ったのと同じように) 2.ゴールカード、要求カード、支払いカードを場にオープンにする
3.宝石の交換 3.1 各自1~4個の宝石を握って一斉にオープン 3.2 4つの要求・支払いカードのペアの指定に従って宝石を獲得する 3.3 握った宝石はすべて場に供託 これを3回繰り返す
4.決定した順位に従って勝利点をもらう(もらえる勝利点は、プレイ人数-順位)  (なので4人プレイで1位なら3点もらえる)
4ラウンドでゲーム終了 大まかにこんな流れかな。 支払いカードの中には、1枚こんなカードも入ってます。 このカードの意味は、4つのペアの処理を行った後 握った宝石を場に供託せずに手元に戻します。 さらにこんなカードも1枚ずつあります。 これらのカードはゴールカードをいじることができます。 ゴールカードを1枚選んで 上下を反転させてしまったり 2枚のゴールカードの位置を入れ替えたりできます。
Friese, Friedemann
プレイ記



相棒、ルフィくんと俺の3人プレイ




さて、第1ラウンドのラインナップ


うーん、やっかいなカードが混じってる。

ゴールカードの位置を入れ替えられちゃうと
全て水の泡になっちゃうな・・

入れ替えカードの取引(獲得)条件も緩いし

俺「決まった?」

俺「せーの、オープン」





俺&相棒「あ・・・かぶった」

うーむ


今一度、ゴールカードを確認する



とにかく現状では黄色を出来るだけ多く獲得することが重要なわけだが

ルフィくんは、さっき黄色3個吐き出したからこのままいけば
相棒との一騎打ちになる。

俺と相棒の黄色の宝石は今のところ同点。


2番目のゴールカードは緑の最多だけど、これも相棒とは現在同点。

3番目は赤の最少だから、ゴールカードを現状維持しつつ
赤を減らせば良いわけだ。

しかし、2個以上握ってしまうとゴールカードの位置を
入れ替えられてしまう可能性があるので

となると

俺「せーの!おーぷん」




俺「赤1個」

あぶねー、あぶねー

2個握ってたら、相棒にゴールカード入れ替えられちゃうところだった


もう、このラウンドは1個以外握る気は無い

ゴールカードの入れ替えだけは、なんとしても握りつぶす


第1ラウンドの結果

黄色を大量に吐き出しているルフィくんは脱落

相棒は・・




そして俺



俺「黄色と緑は同じ数だね」

俺「でも、3番目が赤が少ない方だから俺の勝ち」

相棒「あーー・・」

よっしゃぁ、幸先いいぞ



第2ラウンド




うーん、またしてもややこしいカードが混じってる


これは、まずは黄色を集めて3回目の取引でアイツをゲットする作戦でいこう


またしても黄色を大量放出するルフィくん


よし、いきなりライバルが減ったw

この時点でまたしてもルフィくんは脱落か? と思っていたのだが
このイマジネーションが後で、大失敗を招いてしまうことになる。


俺「じゃあ、好きなゴールカード反転させていいよ~」


ルフィくん「これかな?」


青を反転させた

まあ、ここではどれを反転させられてもあまり痛くない



2回目の取引


またしても相棒と俺が、青1つで被る・・

また同じこと考えてたか・・

ルフィくんは赤4つを放出


さて、第2ラウンドの3回目

予定通り、黄色を大量に投入してゴールカード反転の権利を得る

うーん・・俺は赤を出してないけど相棒も1つも出してなかったはず

黄色は、どうだったかな、これも同じだったような気がするなー

悩む俺。


結局、青を反転させる俺


相棒「あーあ、なにやってんの~」


ルフィくんの手持ち宝石



あー!そうだよ、ルフィくん赤1個も持ってないじゃん!!

大失敗

最初の印象で、ルフィくんはもう俺の仲では脱落したことになってた。。

痛い。痛すぎる。


第3ラウンド


ややこしいカードがもう出尽くしたので、ちょっと楽になったかな

一番左のゴールカードは、、赤の最少か



じゃあ、まあ、赤4個全部放出しとくべ




結果、しっかりルフィくんとかぶった


相棒「やっぱりね、そうなるよね」

相棒が出したのは青1個

え、ちょっと待て


もう一度カードを眺めてみる


赤が増えることは無いので、次は緑の最多勝負になるわけだが

俺「あれ?これもう決まっちゃった?」

相棒「うん、そうだね。決まっちゃったかもね」

しまった、そうか赤を手放すのは何時でもできたのか

それより2番目に重要な緑を獲得する手段が、その赤しかない

俺とルフィくんはもう手持ちの赤を全部吐き出してしまったわけで



相棒は、ゆうゆうと赤を小出しにして緑を根こそぎゲット


俺は、第2ラウンドに引き続きこのラウンドもドベ

相棒「てことは、最終ラウンドでドベを引かなければ勝ちかな?」


カードは、ん?これけっこうややこしいぞ


一番の勝負は赤の宝石の最多だが

下手すると、その赤をみんなに配ってしまうことになる

しかし、黄色と青の最少で赤がもらえる・・・わけがわからなくなってきたぞ


まあ、緑はゴミのようにどんどん捨てられていく(笑




結局、相棒の勝ちでした




所要時間約30分



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

軽いんだけど、すごい悩ましい。
間違いなく今までやったフリーゼ作の中ではコレがベストかと思う。

BかAか・・ここでもすごく悩ましかったんだけど
んー、もうひとつ何か背中を押してくれる決定打が欲しい気がしたので
一応Bにしとくことにする。

3種類のカードの組み合わせ次第で、様々な状況を生み出していて
あれがこうなって、これがこうなって・・・と考えるのがまず楽しい。
ちょっとしたパズルライクな感じ。

プラス、バッティングゲームの楽しさもあって
ハゲタカの餌食をちょっと複雑にしたような感じ。

軽いんだけど、考えることがいろいろあるので満足感は十分。

ラウンドごとに、宝石の手持ち数がリセットになるので
勝利点で負けていても、ラウンドごとに「またやりなおしが利く」ような気がして
勝負を投げてしまうような気分には、なりにくそうなところがすごくいい。

しかし、カードの状況はラウンドごとに違う顔を見せるので
宝石が同じだからといって、飽きることなく思考を楽しめる。

なかなかこういうプレイ感って今までになかった感じがする。


1ラウンドでやることは、宝石を3回握りこむだけ。

宝石以外の重要コンポーネントはカードだけで、これだけのボリューム感
というか内容になってるのはすごい。

かなり思考性の高いゲームなのだが、同時公開による盛り上がり要素も持ち合わせてる
そういうところでもちょっと珍しいタイプのゲームだと思った。

テーマ性があまり好みの部類ではないのと、コンポーネントの質が
それほど良いわけでもないところがちょっと気になったかな。

しかし、大きな欠点は見当たらず、かなり完成度の高そうな作品。
キレや収束性なんかも抜群にいい。

なんか、シャハトデザインみたいな気すらする。

フリーゼもこんなゲームデザインすることあるんだなぁ。

面白い!

2012/03/28


JohnnyBet



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