たっくんのボードゲーム日記

No.269
カンパニー
Company

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約90

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要(日本語版)




ドミニオンベースの、所謂デッキビルドゲームです。

「会社経営」がテーマになっていて、より多くの資産(勝利点)の獲得を目指します。


この青いカードは、ドミニオンで言うところの「王国カード」




「+2カードを引く」とか、コインのアイコンとか


割とお馴染みの文言や表記が書かれています。


右上のコインの数字が獲得に必要なコスト


ドミニオンを知ってる人には敢えて言わなくても分かると思う。


なので、カードを買うには財宝が必要ということで


中央の「資本金」というのが、ドミニオンでいうところの「銅貨」


この「負債」というのは、「呪いカード」のようなもの
カードの右に赤い人のアイコンが描かれていて、これが勝利点-1を表している。


呪いカードと違うのは、負債はお金を払えば(借金を返せば)廃棄できるという点
銀色のコインの数字が廃棄に必要なコストとなっている。


この「借入金」は呪いと財宝の効果を併せ持つもので


ゲーム中は2コイン分の財宝として使えるのだが
最後まで持っていると1枚につき勝利点-1となってしまう。


さらに、高額の財宝カードは勝利点カードと合体していて


たとえば「法人」というカードは、4コインと5勝利点の効果を併せ持つ。

これらの3種類のカードのうち、どれかが場から尽きたらゲーム終了となる。

カード下部に書かれているのだが、この3種類のカードを「市場カード」と言います。



ちなみに、「法人」は3枚しかない。



はっきり言って、強力極まりないカード達なのであるが


コストを見ると、コインではなく青三角のアイコンと数字が書かれている。


そう、これらのカードは財宝では買えない

ドミニオン錬金術で登場したポーションなんかとちょっと似てるのだが

カンパニーでは、もう少し複雑なシステムを持っている


経営カード(王国カード)の中には、この青三角を供給できるものもあるのだが


なんせ、法人カードを獲得するためには青三角8が必要で
1程度ではまったく足りない。


基本的に、この青三角は商品を売ることで獲得します。


このゲームでは、小ボードを1つ使います。

こんな感じのボードなのだが


黄・青・赤のブロックが「商品」で6個ずつあります(4人プレイ時)


要するに、獲得するのに必要なコストや得られる効果が
「常に変動する、市場カード獲得のための財宝」と思えば分かりやすいと思う。


ただし、財宝カードと違うのは市場カード獲得のために商品を売ったら
それは廃棄(ボード上に戻す)しなければならないという点。


例えば、こんな感じであれば今この青い商品は1つにつき2コインで仕入れることができる。




そして、売却したときは上側の青三角の数字を見るわけで


これなら1つにつき4の価値が得られるので
2つで価値8となり、晴れて「法人カード」を獲得できる。

※売却を行うと、売った商品の数に関わらず、その商品の売却価値が1つ下がる
 (売却価値のチャート上で青いマーカーを1つ下げる)


さて、この商品であるがコインを払えば無尽蔵に持てるわけではない。


商品を仕入れたら、売却するまで保管しなければならない。
というわけで、基本的には倉庫を建ててここに商品を置いておきます。


この倉庫は「不動産」ということで、通常の手札循環には入れず
獲得したらずっと自分の前にオープンにしておきます

ところで、この不動産には「維持コスト」という少々やっかいなものが付いていて
手番が回ってくるたびに、コインを支払わなければならない。
で、維持コストを払えない場合は、負債カード(呪いカード)を獲得しなければならない。
※ただし十分なコインを持っている場合であっても、それは別で使いたいから
敢えて、負債カードを引くというのもOK



こんな感じで、仕入れた商品は売却するまで倉庫カードの上に置いておきます。




不動産には倉庫以外にもあって「オフィス」なら、商品を2つまで保管できる。




でも維持コストを払えなければ


コイツを引かなければならない



さて、ゲームスタート時のデッキは


資産カード(1の財宝)が6枚と、負債カードが3枚
これに後述の経営者カードを1枚加えて、計10枚です。

これらをよくシャッフルしてデッキにします。




で、5枚引いて手札にします。


この辺はまでは、ほとんどドミニオンと同じ


さて、件の経営者カードなのだが、8種類あります。


左上の「アントレプレナー」以外は1枚ずつしかなく、固有の能力を持っています。

ゲーム中は、その固有の能力を他の経営カードと同様にアクションとして実行できます。


最初に1人1枚ずつ選ぶのだが、、

基本となるのは、その「アントレプレナー」で、これだけはプレイ人数分用意されていて
初回プレイ時はこれを選択することが推奨されている。


基本的にどの経営者を選んでも「オフィス」を最初から持っています


この経営者の場合は、オフィスに加えて倉庫も最初から持っています。


しかも、この経営カードは攻撃カードで
他のプレイヤーの手札を4枚にさせることができる。


これは、商品のレートをいじることのできる「バイヤー」


こちらも倉庫を標準装備





さて、ターンの構成もほとんど同じなのだが

大きく違うのは、アクションフェイズが2つあります。


ドミニオンでは

1.アクション
2.購入
3.クリーンナップ

だったのだが


カンパニーでは

1.アクション
2.アクション2(商品の売却&市場カードの獲得)
3.購入
4.クリーンナップ

という4ステップになっている


まずはアクションフェイズ

場に出ている青のMの数だけ経営カードをプレイできます。


つまり、「青のMマーク=追加アクションの数」ということ
ちなみにMはManagementの頭文字

ドミニオンとちょっと違って
最初から1アクション付いてくるわけではありません。

ん?じゃあ、最初の1アクション目はどうするの?となるわけだが

すべての経営者は「オフィス」を持っていて、オフィスは不動産なので
常に場にオープンにされています。

で、そのオフィスカードを見てみると


しっかりMマークが付いてます^^;


次に、アクション2フェイズ(商品の売却&市場カードの獲得)

場にオープンになっているSマーク(Sale)の数だけ商品を売ることが出来ます。



もちろん、オフィスか倉庫に在庫が無ければ売ることはできません。


うまく売ることができたら、市場カードを獲得できます。



で、3.購入フェイズ

ここまで来ればおおよそ想像がつくと思う。ハイ、BuyのBです。


場に出ているBマークの数だけ、カードや商品を購入できます。
ただし、商品は前述したように保管できなければ買えない

負債カードの破棄や維持コストの支払いもこのフェイズで行います。
※これらの支払いに関してはBマークは必要ありません。

維持コストが支払えない(払わない)場合は代わりに負債カードを獲得します。



最後に4.クリーンナップ
場にオープンにした「不動産」以外のカードを全て捨て札にして
デッキから5枚引きます。

これで1手番終了

3種類の市場カードのうち、どれか1種類が尽きたらゲーム終了で
デッキに含まれる勝利点の合計がもっとも多いプレイヤーの勝ち。


ちなみに、3種類の商品の取引レートの初期値はサイコロで決めます




ボードの左上に、サイコロの目に対応するレートの補正値が書かれていて



たとえば、6の目なら+2なので




購入コストも、売却価値も2マス上げます



この最初のセットアップ時のみ、サイコロを使用します。




発展ルール~「市場の成熟」

3種類の市場カードを、ボード上部に配置して
カード山の下に「成熟カウンターコマ」を置きます。




市場カードが1枚取られるたびに



カウンターを1マス進めます




カウンターが赤いマスに到達(市場が成熟)したら




カード山をボードの上から下ろします


そうすると、その資産カードの額面が変わって
「個人」の資産カードは額面2なのだが
成熟してしまうと、額面1に減ってしまう。


他の市場カードも同様で、成熟すると額面が1ずつ下がります。






Takashi Sakaue
プレイ記



相棒と対戦、最初なので経営者は2人とも「アントレプレナー」を選択


ただし「市場の成熟」はアリでやってみることにした。



初期相場は、、黄色の商品が安い!というかタダ


でも売却価値も無いんだけどさ^^;


さて配牌。負債が2に資金が3か。


んー、、3コインで買えるもの


これにしてみるか「広告」


あとで黄色の商品を仕入れて、これで価値を上げてから売ってみようかと

俺「あ、まてよ。オフィスの維持コスト払わなきゃいけないのか」

俺「忘れるところだった」

俺「つーか、コイン全部使っちゃったし・・」

負債を1枚引く。。


相棒「じゃあ、私これで負債を返済」


あ、そーか。それも手だったか。。


相棒「で、タダで黄色ゲット」


んー、いきなりちょっと失敗だったかも



過ぎ去ったことを嘆いていてもしょうがない。今回も3コインあるから。。。


負債を1枚返済して、1コインは維持コストに充てて

俺「・・・」

俺「もう1コインしか無いじゃん。なんも買えん」


タダで買えるものを買うしかないな。




次手番、さっそくさっき買った「広告」が手札に来た




よし、黄色商品の宣伝をする




オフィスには商品が満載になったぞ




相棒「黄色1個売って、市場カード(個人)買う」


先を越されたか


相棒に先に売られてしまったので、売却価値が下がってしまった。




まあいい。俺には広告がある。


これで、商品価値を高めて売却だ。


俺も市場カード(個人)をゲット




契約書を買ってみることにする。


買える経営カードの中では唯一の攻撃カードだし
相手が仕入れた商品は公開情報なので、邪魔がしやすいと思ったので。



負債をとりあえず、バンバン返していけば手札が圧縮されて


5コインそろったので、ここで企画をゲット

コイツは早い段階から目をつけていたカード。
なにしろドミニオンの「村」と効果がそっくりなので
かなり使い勝手が良さそうな気がしていたのだ。

その分、価格が高いのだが・・


この手番は維持コストを払えないので負債を引く




相棒「じゃあ私はこれで」




相棒「広報を買う」





俺「うーむ、まあ経営者をプレイするのは確定だが」


俺「やはり、広告をプレイして黄色を売って市場カード(個人)を買うか」

俺「これさー、広告で価値上げるのって必ず2つじゃなきゃダメなのかなぁ?」

俺「1マスで止めたいんだけど^^;」

相棒「うーん、どうなんだろ」

俺「でも、他のもMAXで上げられない場合とかもあるよね」

相棒「そうねぇ」

俺「じゃあ、1マスだけ上げるのもアリってことで」←強引


2マス上げてしまうと、俺が売った後も黄色の売却価値が2になってしまい
相棒に売却されるのが懸念されたので^^;


今回は契約書が1枚


俺「あ、契約書ってプレイしたら、どうやってその商品が買えない状態か分かるようにすればいいんだろ?」

相棒「サイコロ置いておいとくってのはどう?」

俺「とりあえず、そうするか。じゃあ黄色、売買禁止ね」




来たぞ~ゴールデンコンビ




サクサクとプレイして




4コインで今度は青の商品を仕入れる


ポイントは、こいつは今売却価値が4でMAXなところ


次、派遣社員が手札に回ってきた



派遣社員:デッキから3枚引いて手札に加えて、2枚デッキの上へ戻す


引いた3枚は


もうMが残ってないから、右の2枚は残したところでしょうがない

というより、次回の手番用に戻しておいてコンボ確定w


5コインになったので、4金で青商品をもう1個仕入れる。


残り1コインはオフィスの家賃・・けっこうきついな物件の維持って


相棒「組合買う」


またしても先を越されたか・・


いやしかし、今回はさっき仕入れた青2つを一気に売って


組合をすっとばして、法人をゲット

相棒「あー・・」

相棒が青を仕入れたので


俺「出番ですよーw」




青の売買を禁止!




そして相変わらずのゴールデンコンビ




そしてこちらも相変わらず、黄色が美味しすぎる状態であるので




市場カードをゲットする




俺「ハイ、市場飽和しました」


相棒「えー、じゃあ個人のカード、価値1になっちゃうの?」

俺「そうだねー」 とは言いつつ、かなりきついなこれ^^;


とりあえず、手に入れた法人パワーを炸裂させて2枚目の企画をゲット




しかし直後。。相棒も法人カードを手に入れてあっという間に飽和。


というか、法人カードもう1枚取られたらゲーム終了だな。。

俺は思った。残り1枚の法人を手に入れた方の勝ちだ。

狙うは、さっきと同じく青MAX状態で2つ売却だ。


ゴールデントリオとなった我が布陣。


こうなると、かなり手札の循環が早くなって
欲しいカードを手元に残しておけるようになるんだよね


多そうに見えるけど、飽和してるので価値は5コイン




来たるべき売りに備えて営業を補強。





うーむ。アントレプレナー→広告で青の商品価値を上げつつ


青の商品を仕入れる。


さあ、これでモノは揃ったぞ。




相棒「組合買う」

んー、、組合もけっこう勝利点大きいんだよな。やばい早くしないと。



よーし、企画が2枚




これで大量に追加カードを引く




青商品2つは決め手なので、フィニッシュ手が来るまでの間
ボチボチ稼ぐために倉庫を拡充することにする。




相棒「赤、仕入れる」




俺「うーむ。。」

相棒「赤売って」

相棒「組合買う」

やべー、今負けてるかなぁ。法人買っても追いつけるかどうか・・


とりあえず、広告で




青の売却価値をMAXにもっていく


相棒は青を持ってないから、下げられる心配はないだろう


あとは、営業が手札に来るのを待つだけ!


来たーーーーー


俺「よっしゃぁ、じゃあこれで青売って・・」


相棒「契約書、契約書」


相棒「青、今は売れないでーすw」

俺「あ、くそっ」


その間にも・・




来た、やっと青2個売れる


相棒「あー、法人買われて終わり?」

俺「うん、終わり」


■結果

俺:17点




相棒:20点




負けたー・・


相棒「やっぱ組合かな、3枚取ったし」

俺「やっぱ追いつかなかったか」


所要時間:約90分



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

実はルール読み終えた段階の印象では、Cも厳しいかな・・と思っていた。

で、実際やってみたら。。すごい面白いのでびっくり!
大丈夫かなこれ・・・と思っていたので、なんだかホッとしてしまいました。

ただし、ドミニオンの基本的な戦術やおもしろさを知らない人にはお勧めしません。
逆にある程度ドミニオンをやったことがあって、面白かったという人にはとてもオススメ!

システムのベースはドミニオンなんだけど、今までのドミニオンでは
決して味わうことのできない面白さがそこかしこにあると思う。
相棒は評価Bと言っていたんだけど、たっくん的にはAでもいいかなと思った。

ただ、ドミニオン自体がちょっとクセのあるゲームで評価を二分していることと
ドミニオンを知らないと、かなり難しそうな部分が多々あるので、そのへんは難しそうなところ。
逆に言えば、ドミニオンを知ってさえいれば決して難しくないと思う。


まず、「不動産カード」というのが面白い。
たぶん海辺で登場した「次のターンも効果が持続するカード」を
参考にしたんじゃないかと思うんだけど、あれはその手番で効果が終わりなのかどうか
ちょっと分かりづらくて、プレイアビリティ的に良くない部分があった。

だったら、一度公開したら永続的に効果を発揮し続けるという方が分かりやすい。
ただ、これってゲームバランスを崩しかねないほど強力な効果を持つことになる。
そこで登場したのが「維持コスト」というシステム。
これによって、手に入れた後のことも考えなければならなくなり
とりあえず手に入れておけばOKとは決してなっていないところがすごくいい。
ある程度、中長期的な戦略を見据えて投資しなければただのお荷物になってしまう。
そういうのは「不動産」というもののイメージからくるものとピッタリマッチしてるし
ゲームバランスを壊すことなく、非常にうまく機能していると思う。

また、ドミニオンにおける呪いカードは単に「押し付けられる」ものだったのに対して
カンパニーの「負債カード」は、自ら進んで取りに行く戦略もあるというのが面白い。
まあ、攻撃系の経営カードとして負債を押し付けるというのもあっても良かったかもしれないけどね。


次に商品について

まず、フェイズの順番的に
①商品を売る
②商品を買う
となっている点がとても良く機能してる。

なんでかって言うと、これ逆だったとすると
仕入れた商品を保管しないで即売却というのができちゃうから。

これを自然な形で制限しているというのが素晴らしい。

これによって、最低でも1ターンは商品コマがオフィスや倉庫に保管されることになり
そして、それが他のプレイヤーに公開されている状況を作り出し
契約書や、コストアップなどで妨害を受けやすくなる。
これ、インタラクションの演出の仕方としてはとてもスマートで巧妙にできてる。

もしこれがないと、商品の相場チャートが持つ意味合いが半減してしまうくらいのものがあると思う。

商品そのものの仕入れコストや売却価値が変動するシステムというのは
そのインタラクションシステムのオプション要素に過ぎない。

これ、すごいなぁ・・


最初は「アントレプレナー」でプレイすることが推奨されてるけど、これは同意。
最初はオフィス1つでも維持するのが大変なので、オフィスと倉庫を最初から持っている
経営者とかいるけど、初回プレイではかなりキツイと思う。資金繰りが悪化する可能性大。
それに対して発展ルールの「市場の成熟」は標準ルールで入っていても良いと思う。
別段違和感は無かった。

特に、市場カードの「個人」の価値が2コイン→1コインに下落してしまうのがかなり痛い。
で、そうなってくると脚光を浴びるのが「借入金」。3コインで入手できて、2コイン分の
価値があるのでとても魅力的になってくる。
でも、市場カードは勝利点でもあるので悩みどころになりそう。
それにしても、借入金で借入金を返済してもいいのかな?
現実でそんなことやってたら多重債務地獄まっしぐらって感じだけど^^;

そうなってくるとカードを破棄できる経営カードの魅力も増してくる。
最初は借金でうまく回して、できるだけ早めに組合カードによる経営に
シフトしていくというのはイメージしやすい。


上記に述べたとおり、ゲームシステムとしての完成度は非常に高いと思うのだけれど
唯一、どうなんだろう?と思ったのは、製品の仕入れコストの相場チャート。
ゲームを通してほとんど動くことがなかった。

売却価値の方は、「売るたびに下がる」というのと「上げないと組合や法人に手が届かない」
という理由から積極的に、広告とかを使って価値を上げるのだが
コストに関しては、基本的に「お金を貯めてしまえばいい」わけで敢えて、他人にも利してしまう
コストダウンのアクションは取りづらい部分があった。
ちなみにコストアップはもっとやりづらい。自分の首を絞めてしまう上に
コストアップしても、他のプレイヤーが買えないようにできるかどうか不確定。
さらに「契約書」という強力な切り札があるので、コストを上げて邪魔するくらいなら
「契約書」を使った方がいいと思った。

なので、売却価値が自然と下がってしまうのと同じように

「商品を買ったら、コストが1つ上がる」

というのはどうだろう?

あまりに高くなり過ぎれば、必然的に下げざるを得ないし。
やっぱ、相場のあるゲームは相場が元気に動かないと、相場システムである意味がないと思う。



あと不動産カードの維持コストと購入価格があれで妥当なのかどうか
そのあたりが1回のプレイでは判断がつかなかった。
個人的には、特に店舗の維持コストが2コインというのが微妙に高すぎる気がするのだが・・


***


ある程度はしょうがないとは思うんだけど、やはり目についてしまうのはコンポーネント類。

まずサイコロに関してだけれど、ボードの左上に変換表が載っているのだが
これちょっとまどろっこしいかな。
変換表書くくらいなら、-2~2の数値をそのままダイス目にした
オリジナルダイスにして欲しかった。
まあ、最初のセットアップ時のみなので、そこまで気になるものでもなかったけどね。
というか、最初は全部真ん中でもいいような気がした。
要はゲーム中、元気に相場が動きやすければ良いわけで
最初だけとはいえ、このためだけのコンポーネントと作業というのはちょっと微妙。


あと、相場チャートの数字が少々読みづらい。
ゲーム中、常に見るものなので特にバックの配色が青になっているところに
青ベースのアイコン文字というのはいささか見づらい。
フォントサイズも含めて、もっと見やすい表記にして欲しかったかなぁ。


次に発展ルール用のカードスペースとチャートが描かれているのだが
最も気になったのは、カードに書かれている額面と、ゲーム上有効な額面に
差がある状態になってしまうこと。
書いてある数字と有効な数字が違うというのは、かなりの違和感を感じる。

だったら、せめてカードのコインの額面は敢えて記載しないで
ボード上のチャートなどで額面が分かるようにするという感じの方がいいかな。
理想を言えば、新しい額面が書かれた市場カードをもう1セット用意して
市場が成熟した後は、その市場カードを捨て札にする際に順次入れ替える
なんていうのが良かったかも。


あと、細かいことだけれど、商品コマの表面がザラザラしてるのはちょっと残念。
ボードゲームはコンポーネントの触感というのも魅力の1つだと思うので
ニスで仕上げたあと、耐水ペーパーかなんかで研磨して光沢を出して欲しかったなー。
交易王なんかの商品トークンみたいになってると嬉しかったのだが。。

カードも背面のデザインはすごくカッコ良くて魅力あるデザインなんだけど
表面の絵の雰囲気とはちょっとギャップがあるかな。。
ドミニオンのグラフィックデザインを知っているだけに、、というのは正直ちょっとある。
まあまあ許容できる範囲ではあるけれどね。
できれば市場カードや不動産カードあたりのグラフィックレベルで
統一してもらえると嬉しかったなー、というのはあるかな。。



***



まあ、コンポーネント類はもうすこし改良の余地がありそうだけど
全体的に見て完成度は非常に高いと思う。

今後の作品にも期待したいところ。
それもできれば、確立されたシステムのブラッシュアップではなくて
完全オリジナルの、全く新しいゲームを見てみたいなぁ。



2012/03/08



ちなみにカードスリーブはユーロサイズでOKです。


JohnnyBet



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