たっくんのボードゲーム日記

No.375
ショーマネージャー
Showmanager

プレイ人数:2 - 6
プレイ時間:約60

ルール難易度 簡単な部類だと思う
日本語化 不要


タレントを雇って、ミュージカルの公演をするゲームです。

レベルの高い公演を行うと高い勝利点がもらえますが
タレントにも役柄によって向き不向きがあり
能力の高いタレントを雇っても、ミスキャストをしてしまうと点数は伸びません。


ミュージカルは4種類あります









例えば、青の「Moon light」という演目なら
A~Fまで6人のタレントが必要で
ミスキャストを出さずに公演することができれば、ボーナスがあります。

黄色の「Rats」なら、必要なタレントは3人
しかしその分、ボーナスも低め。


さて、ミュージカルに出演してもらうタレントさんたちです




全部で132人(枚)ものタレントたちが用意されています。




例えば、この人なら赤の演目(Lipstick)でEの役を演じることができます。
そしてその技量レベルはです。


他にも緑の演目でBの役、青の演目でDの役を演じることができますが
その技量レベルはそれぞれ2となっていて、ちょっと低めなので
出演してもらうなら、LipstickのE役で出てもらいたいところです。



この人なら、青の演目でCとEの役を演じることができます。


でももちろん、1人2役なんてことはできません。
たとえば、この人にEの役をやってもらうなら、Cは他のタレントさんを
連れてこなければなりません。


この人はどんな演目のどんな役でもこなしてくれる、マルチタレントです。


ただし、その技量レベルは常に1。

しかしミスキャストの発生を防ぐには、こういう人も必要なのです。



さて、各プレイヤーは4つの演目に対応したプロダクションタイルを受け取ります。




タイルに付いている楽器は、プレイヤーを識別するためのもので
各プレイヤーは好きな楽器を選んでタイルを4つもらいます。


※2人プレイの場合は2セットずつ


では、ボード全景。ステージと客席が描かれています。




ステージにはもちろんタレントさんが並びます


カードスペースが4つあるのだが、公演を行うときにここにタレントカードを並べるわけじゃなくて
ここに並べられたタレントの中から誰を雇うか?を決めます。

カードスペース上部に書かれている金額が雇うのに必要なコスト
一番右に置かれたタレントは無料で雇うことができます。


公演が行われる都市は5箇所あるのだが
(ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ストックホルム)
同じ演目は複数の都市で公演されません


ということは演目は4つしかないので、5つの都市のうち1都市ではまったく公演が行われません。



公演を行ったら、プロダクションタイルをこんな感じで置いていきます。


タイル配置スペースの左に書かれた数字が勝利点。
上に行くほど高いので、もちろんできるだけ上のほうに置きたいところです。

質の高い公演を行ったタイルほど、上に置くことができます。


そこで重要になるのが、先ほどのタレントが持っている技量レベル。

例えば、黄色の「Rats」をこの3人で公演するとすると


Aの役とBの役は、こなせるタレントが居ますが
Cの役をこなせる人が居ません。

こうなるとミスキャスト。

※でも公演を行うには必要な人数は必ず揃えなければなりません



もしこの3人なら、それほどレベルは高くないものの
公演で必要な役ができる人を全部揃えることができます。


この場合はミスキャスト無しなのでボーナス3が適用されます。(ただし勝利点ではない)

出演するタレントの技量レベルと、ミスキャスト無しならこのボーナスの数字を全部足します。

これなら、2+3+2+3=10となる。

※前述のミスキャストありのパターンだと、2+3=5


この数字をプロダクションタイルの上部に書きこみます。


※ちなみに書いた数字は、こすれば簡単に消せます

これが、その公演の質の高さということになり、この数字が高いタイルほど上のマスに置けます。


同点の場合は、後から置いた方が下になります。


それなら、タレントをたくさん掻き集めてから公演すればいいと思ってしまうのだが


プロダクションタイルの裏にはこんな数字が書いてある。


これは、この公演を行うときの手札(雇っているタレント)数の上限で

黄色の公演を行おうとするときは、雇える上限は5人まで。


青の公演なら8人まで。


余分なタレントさんは2人までしか雇えないようになっています。


そのタレントさんの雇い方であるが、別に難しいことは無く


ボード上部に4人並べられているので、


欲しい人(カード)を、上部に書かれたお金を銀行に払ってカードを獲得します。




空いたスペースは右に詰めて、$3000のマスには山札から引いて補充します。




お金が足りなくなってきたら、借金ができます。

ただし、借金をするには公演を1つ以上行っていることが必要で
公演中のプロダクションタイルに書かれた数字1ポイントを$1000に換えることができる。


使ったポイントとの差分をタイルの下に書いておきます。

もちろん、今後は新しく書かれた数字で演目の順位が決まります。


手番の流れとしてはこんな感じ


タレントの入れ替えというのは、ボード上に並べられた4枚のカードを捨て札にして
新しく山札から4枚引いて並べることができる(ただし費用$2000)

タレントの入れ替えと借金は任意で行えます。

基本的にはタレントを1人雇うか、公演を行うかの2択。

これは必ずどちらか選ばなければなりません。



全プレイヤーが、手持ちのプロダクションタイルを全て置いたらゲーム終了。
勝利点の合計が最も多いプレイヤーの勝ち。

同点の場合は持ち金で勝敗を決めます。

プロダクションタイルに書かれた数字は勝敗には関係ありません。





Henn, Dirk

評価・・・

※評価の基準についてはこちら

非常に安定感がありますね、とっつきやすく分かりやすいルールに加えて面白さも分かりやすい。
チケットトゥライドレベルと言っても過言じゃないくらい。
ゲームの内容はもちろん全然違うんだけど、プレイ感はけっこう似てると思った。

システムの骨格としては、アルハンブラに通じるものをいくらか感じるんだけれど
どちらかというとこっちの方が好きかな。

質の高いタレントカードをうまく揃えられると、もうそのこと自体が面白いというか楽しい感じ。
余分なカードは2枚までしか持てないというのが非常によくゲームを引き締めてる。
そしてその若干きつめの制限が、良い手札を揃えられたときの喜びにつながってる。

アルハンブラと同じく、直接的な相互干渉は薄めなので経験者と初心者が混じってても比較的大丈夫な方だと思う。


*****


いいな!と思った点は他にもあるので、とりあえず箇条書きにしてみようと思う。

・テーマとシステムの一体感
・手番でやることのシンプルさ
・情報の集約性と見やすさ/把握のしやすさ

こんなとこかな

チケットトゥライドレベルの分かりやすさに面白さと最初に書いたけれど、もう少し掘り下げると
それは手番でやることとテーマ性が実に見事にマッチしているからという部分が大きいと思う。
上演するミュージカルに適したタレントを揃えられれば質の高い公演になり高い勝利点につながる
というのは感覚的にとても理解しやすいと思う。

加えて、最高のミュージカルをやりたい!という夢とかロマンじみたものもある。

このゲームの魅力の6割くらいはその辺りにあるんじゃないかな。

残りの2つに関しては、要約すると「プレイしやすい」ということ。

手番でやることが単純にできてるなら、それは当然遊びやすさに直結する。
ついでに言うと、このゲームは多人数向けだと思うのでゲームがテンポ良く進むというのは
少人数向けゲームよりも重要になってくる。

情報が集約されているというのは、知りたいことがボード上に一目瞭然になっているということ。
そんなに特筆するようなことでは無いのかもしれないけれど、アルハンブラなんかだと
プレイヤーごとに別々の庭園を作っていくので、どの分野で自分が何位なのか
トータルでどのくらい優勢なのか、あるいは劣勢なのか、少々分かりづらいかな?と思ったので敢えて書いてみた。


逆に少し改善して欲しいと思ったところは

・ボードからカードをとりづらい

先日も同じことを書いたんだけれど、ゲームボードの上に置かれたカード1枚ってちょっと取りづらいと思う
システムとしてはすごくテンポのいいゲームなので、そういうところがボトルネックになってしまっているように感じたのは少し気になった。
あと、手番ごとにカードを移動させて補充して、というのも少々面倒かな。

なまじテンポが良すぎるから気になっちゃうのかもしれないけど。


・紙のお札というコンポーネント

これもだいぶ前に書いたことあるんだけれど、個人的に好みじゃない


・ペンで書き込むという手順がある

リメイクされて劇的に改善されているんだとは思うんだけど
できればそういう筆記用具は不要なシステムだったらなお良かったかな。



最後に

たしかに、がっちりとした安心・安定感があるんだけれどちょっと突き抜け方が物足りないかな。

なんていうか、ノーザンテーストみたいな感じ。
※分かる人だけ分かって下さい^^;



2013/06/20


JohnnyBet



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