たっくんのボードゲーム日記

No.305
サンマルコ
San Marco

プレイ人数:3 - 4
プレイ時間:約90

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




舞台は水の都・ヴェネツィア。その中心的な存在がサン・マルコ広場である。
とても美しい場所で、観光名所にもなっています。

ゲームでは、サン・マルコを含む6箇所のエリアに
より多くの自分の貴族を送り込み、名声点を獲得します。


ボード全景。実際のベネチアの地図とは異なっているのだが・・




運河で区切られたエリアには、そこから得ることのできる名声点が2つ書かれています。




サン・マルコは名声点が若干高い 8/6







ゲームは3フェイズで構成されています。


3フェイズ目が終わったらゲーム終了


名声点の獲得の仕方はエルグランデとちょっと似てて
各エリアに自分の貴族コマ(キューブ)を配置します。


この場合なら

白(貴族コマ5個):名声点6
黒(貴族コマ3個):名声点5

という感じで、名声点を獲得します。


つまり、

最も多く貴族コマを置いたプレイヤー そのエリアに書かれている大きい方の名声点
2番目に多く貴族コマを置いたプレイヤー そのエリアに書かれている小さい方の名声点
3位以下 0点
2位までしか名声点はもらえません。 各エリアにサイコロの目が描かれているのは、、貴族コマの初期配置決定用 ゲームの最初に、1人4回ずつダイスを振ります。 出た目のエリアに初期配置として、2個ずつ貴族コマを配置します。 (4回振るので、全部で8個ずつ) ただ、もちろんゲーム中にも貴族コマは配置できるわけで 各エリアに対応したアクションカードをプレイすることで そのエリアに貴族コマを1個配置することができる。 こんな感じですね。カード1枚で1個配置できます。 しかしがある場合は、隣接するエリアに貴族コマを置くこともできます。 橋は運河をまたいで、2つのエリアをつなげるように置きます。 橋は所有者が分かるように、貴族コマを1つ乗せます。 そうすると、アクションカードをプレイしたとき自分の所有する橋を渡って 隣のエリアに貴族コマを置ける 例:黒のプレイヤーは「San Polo」をプレイしたのだが、自分の橋を渡って   隣接する「Santa Crose」にコマを置きます。 次にこの赤いコマ、名前を「ドージェ」と言います。 ゲーム中、このコマは1つしかありません。 このドージェを移動させてくると、移動先のエリアで得点計算をすることができる これなら、ドージェが居るCastelloは黄色が1位で白が2位なので それぞれ7点、4点を獲得します。 というわけで、アクションカードの中にはこんなカードがあります。 「ドージェの配置/移動」と「橋の配置」 橋のカードは、任意の場所に自分の橋を置くことができる。 橋は、2つのエリア間に最大3つまで置くことができます。 ※ただし1人で同じ場所に2つ以上、橋を置くことはできない ドージェカードをプレイした場合は、ドージェを移動させて移動先で得点計算をします。 このとき、一番最初は好きな場所にドージェを置けるのだが・・ 2回目以降、ドージェは橋を使って移動します 自分の橋:無料で通れる 他人の橋:そのプレイヤーに1名声点支払う 橋が架かっていない場所:2名声点支払う(銀行に) となっている アクションカードにはもう2種類あります。 「寝返り」と「追放」 「寝返り」は、エリアを1つ選んで自分の貴族コマを1つ足して 他のプレイヤーのコマを1つ手元に戻させることができる。 「追放」の方も、エリアを1つ選びます。 で、サイコロを振って出た目の数だけ貴族コマを取り除く。 このとき、自分のコマを取り除かなければならないこともある 上記の例だと、黄色のプレイヤーが黒を除去しようと追放カードをプレイしたのだが 出た目が4なら、黒3つだけでなく自分のコマも1つ除去されてしまう。 これらのアクションカードはさまざまな魅力的な効果を持っているわけだが 下記のリミットカードは、できれば取りたくない負のカード なにしろ、リミットカードの合計が10以上になったら そのフェイズは手番がもうできない さらにフェイズ終了時に、リミットポイントが少ない人にはボーナスがあります。 まず、最もリミットポイントの大きい人との差分だけ名声点がもらえます。 さらに最もリミットポイントの少ない人は、カードを使うことなくフェイズの最後に「追放」を実行できる さて、これらのカードをどうやって獲得するか?であるが アクションカードを5枚、リミットカードを3枚、合計8枚を山札から引いて2セットに分けます 4枚ずつに分ける必要は無く、1枚と7枚とかでもOK たとえばこんな感じ で、これらのカードセットを獲得するわけだが 分けるのを見てた人(決定者)に、獲得するセットの選択権があって 分けた人(分配者)は余った方のセットをもらう つまり分配者は、なるべく公平になるように分けないと貧乏くじを引くことになる。 分配者と決定者が誰なのかは、ボード右上に描かれた表を使います。 4人プレイの場合は、こんな感じ この場合、青と黒のプレイヤーが分配者 黄色と白のプレイヤーが決定者 青プレイヤーが分配したセットから黄色プレイヤーが選び 黒プレイヤーが分配したセットから白プレイヤーが選びます。 3人プレイの場合はこうなる 青プレイヤーが分けたセットから まず、黄色プレイヤーが選び 次に黒プレイヤーが選びます。 で、余ったものを青プレイヤーが受け取るという流れ。 なので、3人プレイの場合は分配者は3セット作ります。 引くカードの枚数も増えて、アクション6枚にリミット4枚の計10枚 これを3セットに分けます。 ■初期セットアップ■ ・1人4回ずつサイコロを振って、出た目のエリアに2個ずつ(合計8個)貴族コマを置く。 ・橋は、1~2個ずつ初期配置します。 4人プレイ時:1人につき1つずつ 3人プレイ時:1人につき2つずつ ・アクションカードとリミットカードは、別々にシャッフルして  それぞれで山札を作ります。 ★フェイズの開始と終了★ このゲームでは1フェイズが複数のラウンドで構成されます(通常、逆なのだが・・) まず、スタートプレイヤーは決定者1になります。(表の左上にマーカーを置く) 残りの役割は、スタートプレイヤーが他のプレイヤーのマーカーを受け取って よく混ぜて、1つずつ引いていき 決定者1→分配者2→決定者2の順にマーカーを置いていく。 ※3人プレイの場合は、決定者1→決定者2 アクションの実行は、決定者→分配者の順で行います。 つまり、分配者が分けたセットを決定者が獲得したら そのまま獲得したカードを任意の順番でプレイします。 次に、分配者が残ったカードセットのカードをプレイします。 アクションカードはプレイしたら捨て札にしますが リミットカードは自分の前に並べていきます。 全員がカードをプレイしたら、1ラウンド終了。 また分配→決定→カードのプレイを繰り返します。 リミットの合計が10を超えたプレイヤーが出たら まず、3人以上同時にリミットが10以上になったら即フェイズ終了します。 リミットに達していないプレイヤーが複数居る場合は、もう1ラウンドだけやってフェイズ終了。 ただし次のフェイズに移る前に、リミットポイントのボーナス処理をします。 最初に書いたように3フェイズでゲーム終了 最後にドージェに関係なく全てのエリアについて得点計算して勝敗を決めます。 最も名声点を獲得したプレイヤーの勝ち
Weissblum, Aaron
Alan R. Moon
プレイ記

Kさん(黄色) Sさん(白) 俺(青)の3人プレイ



分配でかなり悩むSさん、結局この3セットに分けられた


んー、これなら真ん中のセットにしとくかな


橋建てて、



得点の高いサンマルコ広場からはキューブが追放されました




さて、めぐりめぐって俺がカードを分ける番



得点計算を発生させられるドージェにはキツめのリミットカードを付けてみたんだけど


もうちょっとうまく分ける方法あるかなぁ


Kさんの分配 なんと今回ドージェが4枚も入っている




第1決定者の俺は迷わずこのセットを選択




橋は割と豊富に持っているので、トップのエリアにドージェを呼んで連続決算


サンマルコに居るキューブは早く追放せねば・・


時代は最終第3フェーズへ


トップは白のSさん


そのSさんの分配


んー、橋が入ってるあのセットはナシかな


こっちを選択




黄色のエリアにキューブを2つ置く


これでなんとかトップ


追放でガラ空きになった紫のエリアにぽつんと1つキューブを置く




そしてドージェを呼ぶ


俺だけ得点!


なんとかトップに並んだ




しかし、最終決算。ほとんどのエリアで得点を得たSさんのぶっちぎり勝利




評価・・・

※評価の基準についてはこちら

ちょっといろいろ悩ましい部分は多々あるんだけれど、まあギリギリAでいいかな。

いろいろネットの評判を見ていると、もっとダレたプレイ感を想像していたんだけれど
4人プレイでもそこまで暇を持て余すような間だるっこさみたいなものは感じなかった。

キレが良いとは到底言えないんだけれど。

けど、全体的なゲームとしての一体感というか纏まり感は、もしかするとエルグランデなんかよりも
こっちの方がいいかもしれない。

細かいルールはそれなりにあるけれど、分かりにくくは無いし言語依存も無いので遊びにくくも無いと思う。

リミットカードの効能など、勘所もつかみ易い部類なんじゃないかなと。
プラスの効能を持つカードと、マイナスの効能を持つカードをどういう組み合わせにするか?
というのは分かりやすいし、ジレンマとしても面白い。

追放のダイスロールによる一喜一憂などの盛り上がり要素や、ほどほどの運要素もあるし
非常によくバランスが取れてると思った。

プレイ時間としては長めの部類だけれど、重たさはそんなに感じなかった。
ちなみに、4人プレイでやってみたところ、実プレイ時間は90分くらいかな。

分配の仕方とかは、場合によっては悩ましく、長考になりがちではあるけれど決してイヤな感じではなかった。
ただし、このへんは一緒に遊ぶ面子に左右される部分も大きいかな。

しかし、基本的に選択するよりも分配するほうがキツイ。
というのも、分配で「攻める」というのは極めて難しいんじゃないかと思うから。
「やられた!」と思わせるような分配方法というのは皆無に等しく
99%以上、選択者の方が左ウチワな感じだった。


それと巷で言われている通り、確かにこれは3人プレイの方が明らかに良さそう。

どうも4人プレイだと、カードの分配と選択で2グループに分かれてしまうのが気になる。
なんつーか、この時間は変則2人プレイみたいな感じ。

だったら1つのもの(カード)を3人で分けるほうが、インタラクション的にも良さげであるし
全体で3フェーズなら、3人プレイの方が理に適っているように思う。
それぞれのグループに配られたカード構成の価値に差が出てしまうケースがありそうなのも
ちょっと不公平なものを感じるし。

4人プレイだったら、むしろ2人プレイの方がいいんじゃないのか?と思ったくらい。
あ、でも決して4人プレイも悪くは無いと思うけどね。

コンポーネントの構成もシンプルだし、なによりボードやカードなどのデザインが秀逸。
特にボードなんか絵画を見てるみたいで、額に入れて飾っても十分絵になると思う。

もちろんゲームとしても標準以上の面白さがあることは確かだと思うし
エルグランデなんかとは一味違うプレイ感であるので、絶版ではあるんだけれど
もしプレイの機会があるなら、一度遊んでみる価値は十二分にある。

まあまあ、名作と呼んでも遜色は無さそう。


そう思ったからAにしたんだけどね(笑


■3人プレイ追記

やはりというか、これはやっぱり3人プレイの方が断然良いですね。
理由は先に述べたとおり。

メンツにもよると思うんだけれど、どうしても長考しがちなゲームではある。
プレイ感としてはそんなに極端に重い部類では無いと思うんだけれど。

重たいというか、ちょっとノッペリしたような印象(分かりづらい?^^;)

一見エルグランデと似ているようでいて、実際のプレイ感はかなり違いますね。


2013/02/20


JohnnyBet



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