たっくんのボードゲーム日記

No.240
メディチ
Medici

プレイ人数:3 - 6
プレイ時間:約60

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




クニツィア3大競りゲーの1つである本作。
(※残りの2つはモダンアートラー)

ボード全景。外周部は得点トラック、、ではなく軍資金を表します。


そして、ボード中央には5色のピラミッド、これは商品を表しています。


初期軍資金は30(※5,6人プレイ時)、そして5つのピラミッドの一番下に自分のコマを1つずつ置きます。


ピラミッドの上の方に行くと、10とか20とか書いてあります。


さて、では何を競るのかというと、0~5までの数字が書かれた商品カード


もちろんボード上のピラミッドの数と同じく5色あります。


商品カードは1人5枚までしか持つことができない。


全員が5枚の商品カードを落札したら1ラウンド終了で、
落札した商品カードの価値(数字)の合計で順位をつけて収入を得ます。
※ここではカードの色は関係ありません

順位 プレイ人数
3人 4人 5人 6人
1位 30 30 30 30
2位 15 20 20 20
3位 - 10 10 10
4位 - - 10
5位 - - -
6位 - - - -
まあ、1人5枚までという制限の中で、できるだけ大きい数字のカードを たくさん集めることを目指すということになる。 これがまず基本。 競りのやり方は、まず手番プレイヤーが競りにかける商品カードを山札から1枚めくります で、めくられた商品カードに対して、手番プレイヤーの左隣のプレイヤーから順に 1回ずつ値段を付けていきます。買いたくない場合はパスします。 ※値段を付ける場合は、前のプレイヤーより高い金額で入札しなければならない。 最後に値段を付ける権利があるのは、手番プレイヤー。つまり、手番プレイヤーが 圧倒的に有利な競りとなっている。 もし全員がパスしたら、めくられた商品カードは捨て札になります。 商品カードは1枚だけでなく、3枚までめくることができる 複数枚のカードがめくられた場合、これらの商品カードはセットで競りにかけられます。 このとき、手持ちカードが5枚を超えてしまうプレイヤーは この商品セットに対して入札することができなくなる。 商品(セット)を落札したプレイヤーは、入札した金額分チャートを減らしてカードをゲットします。 さて、数字が0の商品カードにどういう価値があるのか?という話であるが 収益は数字の合計による順位だけでなく、商品ごとの副収入があります。 たとえば、こんな感じで落札したとすると 青が1枚、緑が2枚、茶色が2枚 ※このときは数字は関係なく、どんな数字であっても1枚は1枚と数えます それで、獲得したカードの枚数だけそれぞれの商品ピラミッドの自分のコマを上に上げます。 先の例では、緑のカードは2枚であったので緑のピラミッドで2段上に上げます。 全員分のコマを上げ終わったら、1番上のプレイヤーに10金 2番目のプレイヤーに5金の副収入がもらえます。 この例だと茶色の商品については、現在トップの緑プレイヤーが10金 2位の紫プレイヤーが5金を得ます これを5つの商品すべてについて行います。 さらに、ピラミッド上部の10、20のマスまで到達したら数字分の収入を別でもらえます。 これを3ラウンドやって、もっとも持ち金が多いプレイヤーの勝ち ちなみに、1枚だけ価値10の商品カードがある ただし、このカードだけは5種類の商品のいずれにも属さず 商品ピラミッド上のコマを上に上げる効果はありません。
Knizia, Reiner
プレイ記

Sさん(黄)、KDさん(黒)、KGさん(青)、たっくん(赤)の4人プレイ



手番はKGさんから


2枚引いたところで、商品は青0に赤1

美味しくねぇ・・・


KGさん「もう1枚引いてみるよ」

しかし、、


結果、誰も入札しない

KGさん「うーん、落札しとくかな」

タダ同然でゲットしていったのだが

あれならスルーしてもいいかな


Sさんが引いたのは、緑4に赤4の商品


もちろんこれなら応札する

たっくん「10」

KDさん「11」

KGさん「パス」

Sさん「パス」


結局落札できず、まあいいか。


その後、赤0、緑5、緑0を6金で落札


商品価値(数字)の合計でSさんとKDさんと張り合っても徒労に終わりそうだったので
商品の種類で差を出していく作戦。同時に、出費も極力抑える。

高価な商品を落札しまくってるKDさんはすでに持ち金16

悪くは無いはず・・


俺以外は、全員商品5つずつ落札したところで

俺の手番、2枚引いてみると・・


これはラッキー!お宝をタダ同然でゲット


第1ラウンド終了時


緑の商品を伸ばしていきたいところだな



というわけで、緑を優先的に落札していく。




しかしお宝再び登場!


緑が入ってないのが俺にとっては魅力減なんだけど

しかしこれだけの価値なら落札しとくか


合計24 これならまず間違いなく1位だ。

そんなわけで第2ラウンドは早々に抜ける。


予定通り1位で30金ゲットして、ぶっちぎりのトップ


KGさん「だれかあの赤い船、沈めて来い!w」


第3ラウンド まず出てきたのは緑2枚


しかも数字も4と5 欲しい!!

15金くらいなら出す価値あるかな?


俺「15!」

他のプレイヤーにとっては、そこまでの魅力が無いというのもミソ


見事落札


俺の手番 三度引いてきた宝箱


KGさん「10」

俺「じゃあ11金で落札します」


結局3回も宝箱を落札してしまった。




最終結果


赤の商品ボーナスが効いて、Sさんにだいぶ追い上げられたけど
なんとか逃げ切り勝利!



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

メディチ対ストロッチと同じく、値段の付け方が非常に難しいゲーム。
競りは順番に1回ずつ値段をつける、いわゆる"1巡の競り"であるため
基本的には、最後に値段をつける手番プレイヤーが有利なのであるが

「商品カードは1人5枚まで」というのが嫌というほど良く効いていて
これによって、超破格の値段での落札も十分可能なところが非常に悩ましい。

メディチ対ストロッチも十分面白かったのだが、やはりこの手の競りは3人~の方が
より楽しめるのは間違いなさそうだ。

モダンアートなんかと比較しても甲乙付けがたい完成度の高さ。面白い!

ただ、どちらにしても値付けの難しさはあるので、あまり初心者向きでは無いかもしれない。
そしてモダンアートと比較しても、その難しさはメディチの方が明らかに上。

クニツィア3大競りゲーの中で言えば、ラーがやはり一番初心者に優しいかな。
プレイのし易さという点では。

けど、面白さの絶対値で言えばモダンアートかこのメディチだと思うので
いろいろ難しいところ。でも少しゲームに慣れてきたら、できれば後者のどちらかをやってみて欲しい。


それにしても、お金は別でポーカーチップかなんかを用意してプレイしても良さそうな感じ。

特に、リメイクされたリオグランデ版なんかだと得点トラックの数字が
ことさら読みづらいみたいなので、無理して使う必要は無いような気がする。

あと、誰がどの色を使っているのか分かりづらかったので、同じ色のコンポーネントを
別のゲームから持ってきて、各プレイヤーの前に置いておくとかの対策はした方が良さそう。

前述のポーカーチップを使ってプレイするようにすれば、得点トラックに置くコマが
必要無くなるので、これを各プレイヤーの使用色表示用に使ってもいいかもしれない。

ちょっと競りゲーに慣れてきた人には非常に面白いゲームだと思う。
そういう意味で、決して万人には勧められないんだけど
それを考慮しても、これには最高評価をつけたい。

次回プレイ時はプレイレポートもちゃんと書こう。。


2011/11/19


■追記

良く出来ててとても面白いことに変わりは無いんだけれど

早々に商品を5つ競り落としてしまうと場合によってちょっとヒマかな?

ゲーム終了まで、緊張感が途切れることなく進行してくれたらと尚よかったかなと。

"競り"という部分さえクリアできれば、ルールは難しくないし遊びやすい。


ちなみにリオグランデ版は確かに良く改良されてるんだけど、実際プレイしてみてちょっと気になったことがあった。
プレイ人数によって、商品タイルをラウンドの最初に抜く作業があるんだけれど
これはタイルよりもカードの方がやりやすいですね。

具体的に言うと、内容を伏せたまま抜くのがやりづらい。

これ、カードだったら簡単なんだけれど、タイルを袋から引くとなると
タイルの裏面と表面が触感では分からないため、抜いたタイルが何なのかちょっと隠しづらい。

麻雀牌みたいに、タイルを全部伏せてテーブルに並べてシャッフル(洗牌)してから抜くとか
少し工夫が必要な感じで、ちょっと面倒だなと思った。

でもそれ以外はかなり良い感じだった。

タイルにはカードよりも優れている点もあると思うので、、いいとこ取りできないかな?


2013/04/17


JohnnyBet



番外編


メディチは色々なバージョンが存在しますが、リオグランデ版とリュイメーム版(フランス版)をちょっとご紹介してみます。



まずリオグランデ版のボードから


デザインが円形になっています。
どの席に座ったプレイヤーからも見易いようにという配慮だと思いますが、非常にいいですね。
大きさも非常にコンパクトになってます。


ボードは小さくてもコマはちゃんと置きやすく考えられてます。


細かな変更点として、各商品のボーナスで20、10の下に5が追加されてます。


商品はカードではなくタイルに変更になっています。



そして、各プレイヤーごとの個人ボードも用意されました。


競り落とせる商品数の上限と、プレイヤーカラーを識別する役割も果たしていて
とても良い追加コンポーネントだと思います。

ただ唯一残念なのが、この個人ボードの作りが・・・かなりペラペラなこと。


メインボードと同じ品質になってれば満点だったのにな。。



さて、リュイメーム版


こちらも非常にコンパクトです。

ボード、かなり味わい深いタッチのデザインですね。






ただちょっとボードの作りが雑なのと、厚さが薄いかな・・



プレイヤーの色を識別するためのコンポーネントはちゃんと入ってます。



そして、資金マーカーは船になってます。


紙製ですが、いい雰囲気ですね。

商品カード


こちらも独特のタッチのデザインですが・・


これはちょっとシンプルすぎるかな



そして、リュイメーム版オリジナルの特殊効果を持つカードが4枚入ってます。







リュイメーム版の変更点についてはこちらで紹介されています。
パリノアメリカノウゼンカズラ様

特殊効果のあるカードが入った以外では、競りが1巡ではなくなったというのと
商品カードをめくるときに自分が競り落とせる枚数しかめくれない、あたりが違っているようです。
※原版ルールでは、誰かが競り落とせる枚数までならめくれる




■総評

リュイメーム版も独特の魅力があるのだけれど、これはやっぱりリオグランデ版の"配慮"が光ってる感じ。
もうホント、不満なのは個人ボードの品質だけ。アミーゴの初版も良く出来てるんだけど
リオグランデ版は、良さを損なうことなく見事にリメイクされてると思う。

すばらしい

2013/03/11


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