たっくんのボードゲーム日記

No.217
ルプスブルグ
Lupusburg

ルールブック和訳
プレイ人数:4 - 8
プレイ時間:約30

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




人狼=多人数という概念を打ち破った作品です。

プレイヤーは村人or人狼の役割を秘密裏に決定し、演じます。

人狼は1人しかいません。

夜になると、人狼は村人を1人殺害してしまいます。
そして、昼には村人たちによる魔女狩りならぬ人狼狩り。

基本的に、人狼だけが生き残りに成功したら人狼の勝ち。

そのまえに人狼を血祭りにあげることができたら、村人たちの勝ち。
さらにこのゲームでは、誰が人狼かを予想することで勝利点を稼ぎ
最も高い勝利点を獲得したプレイヤーがゲームに勝利します。


村人たち。男性と女性がいます。




そして、盗賊(左)と人狼(右) ※盗賊については後述・・



これらの役割カードをよく切って、1人2枚ずつ秘密裏に受け取ります。
つまり、1人2役を演じます。

※盗賊と人狼を同じプレイヤーが両方とも引いてしまった場合は配りなおします。


各プレイヤーは自分の色を決めて、対応する家カードをやはり2枚ずつ受け取ります。




裏返すと、片方の家だけ宝箱が置かれています。



この家カードの下に、自分の演じるキャラクターカードを置く(住まわせる)
のだが、宝箱のある家には盗賊もしくは人狼を置けない

これけっこう重要なので覚えておいてね(笑


こんな感じ。各自、家カードの下にキャラクターカードを置きます。





さて、ゲームは夜フェイズ昼フェイズに大きく分かれます。

夜は盗賊と人狼だけが暗躍し、その他のプレイヤーはずっと目を閉じます。

昼は全員が目を開けて活動します。



■夜フェイズ

スタートプレイヤー(市長)の合図で、まず盗賊だけが目を開けます。

そして、任意の建物カードを1枚、静かにめくって見ることが出来ます。



もし宝箱のある家であれば、そこには人狼は住んでいないのだから・・・

見たら、元に戻して目を閉じます。(盗賊のターン終わり)



次に市長の合図で、こわーい人狼が目を開けます。

人狼は「人狼の爪タイル」を使って、殺害したいキャラクターを1人指し示します。



カモフラージュのために、人狼は自分の2人いるキャラクターのうち
人狼ではない方を指し示す(殺害する)こともできる

指し示したら目を閉じます(人狼のターン終わり)



■昼フェイズ

市長の合図で、全員が目を開けます。昼の始まりです。

まず市長は、他のプレイヤーの好きなキャラクターを1人選んで秘密裏に見ることができます。
ただしその後、自分のキャラクターも1人、そのプレイヤーにだけ開示しなくてはなりません。


次に賭けの時間、誰が人狼であるかベットします(任意)
やはりカモフラージュで、人狼もベットできます


ベットに使うコイン。ちょっと数字が読み取りづらいのだが1~8まであります。



これを袋に入れて、3枚ランダムで引いて1枚を選びます。


選んだら、自分の賭けタイルを上に重ねて、コインの額面が見えないようにします。




で、人狼だと思うプレイヤーの前に置きます。





あ、そうそう。人狼に殺されてしまったキャラクターは、家カードとともに重ねて
ゲームから除外しておきます。(決してカードの中身は開示しない)




その後、全プレイヤーで誰が人狼なのか話し合い・・・


そして、血祭りにあげるキャラクターを1人2票で投票して決めます。


投票に使うタイル。




で投票の結果、1位と2位のキャラクターで決選投票をします。



このとき
・殺害されたキャラクター
・1位と2位に指名された容疑者キャラクター

これらのキャラクターは決選投票に参加できず
例えば、自分のキャラクターが2人とも殺害されていれば
この決選投票の投票権はありません。


容疑者となったキャラクターには、容疑者タイルが置かれます






そして、決選投票も1回目と同じタイルを使用します。



裏表のデザインが容疑者タイルと同じになっているので

それぞれの投票権(投票可能数)に従って
人狼だと思う方の面を上に向けて置いて、上から手をかぶせます。


そして一斉にオープン!



血祭りにあげられるキャラクターが決定します。

これで見事、人狼を血祭りにできればそこでゲーム終了。
人狼のプレイヤーは自動的に負けとなります。


そして、村人たちは

・生き残ったキャラクター1人につき2点
・生き残ったキャラクターの家にある宝箱1つにつき1点
・賭けタイルによる得点
 - 正しく狼男を指し示せたタイルにつきコインの価値と同じ得点
 - 0点:正しく狼男を指し示せなかったタイル
 - 1点:未使用のタイル

これらの合計点が最も多いプレイヤーの勝利となります。



しかし、血祭りにあげたのが人狼でなかったら・・
スタートプレイヤーは左隣に移動し、暗い夜のフェイズが再び始まります。



■人狼の勝利条件

人狼以外のプレイヤーが持つ生き残りキャラクターの合計と
 人狼プレイヤーの生き残りキャラクター数が同じになったら、人狼の勝ち
つまり、2対2 もしくは1対1





Giorgio, Domenico
プレイ記



COQさん、もりさん、もぎさん、ちきさん、俺の5人プレイ

俺のインストミスによるルール間違いを訂正しながら何回かプレイ。

今回は、、俺が人狼を引いた・・・



この時点で内心もうドッキドキ、つくづく小心者だなと思う。


しかもスタートプレイヤーが俺

スタートプレイヤーは、誰かと見せ合いしなきゃならないんだよな・・・

俺「じゃあ全員目を閉じてください」

俺「怪盗の人、目を開けてください」

俺「10数えます、10、9、8・・・」

俺「怪盗の人、目を閉じてください」

俺「人狼の人目を開けてください」

と、言いながら目を開ける俺


誰を殺すか

候補としては、COQさんかもぎさんあたり。

どうもこの2人は観察眼が鋭いので、早めに始末して口を封じておいた方が今後のためだろうと(笑

もぎさんを殺害することにしてみる


一同「ははははは」

もぎさん「はは、そんなに俺を殺りたいか」

もぎさん「じゃ、これは死亡と」

もぎさん「当然、ゲームは終わりませんよ(笑」

もぎさん「残ったこっちのカードは人狼である可能性はあると」

COQさん「じゃあ、スタートプレイヤーの人、確認してください」


もりさんのカードを選ぶ俺。

敢えてカードを見せるなら、もりさんが一番無難な気がしたのだ。なんとなく(他意はありません)

しっかし、人狼でスタートプレイヤーというのはキツイ


カードを見せ合う、俺ともりさん

もりさん「まあ、村人ですよ」

COQさん「どうですか?、お互い」

もりさん「村人でした」

俺「村人です」


もぎさん「まあ、これが人狼なら、こっちを渡すわけはないんだけど(笑」

ギクッっ・・・


まさに、もぎさんが指差してるそれが人狼ですよ。。

もりさん「でも、これは村人でした」


COQさん「でも、1ついいですか?」

COQ「両方村人だったら、わざわざこっちのカードを渡しますか?」

俺のカードを指差すCOQさん

ヤバイヤバイ・・ヤバ過ぎる(T_T


もぎさん「はははは、選んだってことね」

COQさん「選んだんです」

COQさん「アイツが怪しい」

もぎさん「まあ、怪しいは怪しいね」

もぎさん「(こっちのカードの方が)持ち上げる距離が近いと言えば近いかもしれない」

俺「まあ、そう言われればそうかもしれない」

こういうとき、何て言って話をはぐらかせばいいのか分からない俺。


COQさん「そういったところから、犯人はボロを出していくんです」

なんなのこの人・・^^;

COQ「でも、もりさんもたっくんさんもシロだと言ってますから」

COQ「お互い見た、それはシロなんでしょうね」

COQさん「それは紛れもない事実です」

そこから、2人とも無実だという方向に持っていってくれ^^;


COQさん「僕とちきさんをリンチにするというのは確率が悪いんですよ」

COQさん「まだ材料が無いわけですから」

そうねー、それは客観的事実だからそうかもしんないねー


もぎさん「今度こそ引いたんじゃない?人狼を・・」

お、助け舟が出た!ここはすかさず話を広げる方向に持っていかねば!!

俺「そうですよね、今度こそCOQさんが狼なんじゃないですか~?」

COQさん「いやいや・・」

もぎさん「狼じゃないけど、人狼だよ、みたいな(笑」

はははは

いいぞ!もっとやれやれ(笑


もぎさん「ベットはまだしないですかね?」

ベット(賭け)は全員無し

てことは、まだ半信半疑だってことだよな。

なんとか助かったかな?


もりさん「なんか、申し開きはないんですか?」

俺に聞いてくる


もう俺に話を振らないでくれ~~!!!

俺「いや、特に理由はないですけど・・」

下手なことを言ってボロが出るのが一番まずい。

もりさん「左手が使いやすいとか」 (おれは左手でカードを取ってもりさんに見せた)

COQさん「いや、彼は右利きです」

もぎさん「まあ時計、左手にしてるしね」

あ、そうなの?

腕時計って男は左手で、女の人は右手にするのが一般的なのかと思ってた。


COQさん「みなさんやってみてください。大事なカードを左手で扱いますか?」

COQさん「僕は扱いません」

もぎさん「俺は割と左手だけどな・・」

俺「いや、そんなことは無いですよ」

COQ「私の答弁は以上です」

またまたヤバイ展開・・・

ちきさん「すっごいなあこれ(笑」



さて、投票。

めでたく、俺の人狼がリンチにされる。

こうして村に平和が訪れました。

めでたしめでたし。。


って、全然めでたくなーーい!

なす術なく完敗。



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

ゲームとして良くできてるとかダメだとかいう以前に、やっぱりこういうのは
まったく性に合ってない。
他人のウソを見破るとか、演技力とか、べしゃりとかホント駄目。

もう人狼ゲームからは手を引こうと思う。

でもけっして楽しくなくは無いんだけど、でも人狼引いたときの重圧が強烈過ぎ。

これがバレるか隠し通せるかが、このゲームの全てだからねー。。


ましてや、人狼は1人しか居ない。このプレッシャーたるや・

言うまでもなく、人狼を引いたプレイヤーは勝つためにはかなりの演技力が要る。
昼間は村人を装い、夜は凶悪な狼に変身する・・

その孤独感、プレッシャーに打ち勝てる、というか逆にそういうのを
楽しめる度量のある人じゃないと無理!

最初ルールを間違っていた上に、おそらく人狼にはまったく向いてないと思われる
人ばかりが人狼を引いてしまっていたので、人狼の勝ち筋がまだなかなか見えない。

一見すると、ゲームの主役でありキーパーソンなので、なんとなく派手な印象だが
実際のプレイでは、その目立ちすぎる特性をプレイヤーの演技力でいかに隠すか?
というのがポイントだと思うので、これ相当に人を選ぶよなぁ・・

特に人狼は。

人並みはずれた頭のキレも必要だし。


逆に、こういうのが大好きな人は確実に居ると思う。
先日のプレイでも、人狼をやってみたかったという人がチラホラ。

目を開けたとき、人狼の爪が自分の方を向いていたときのドキドキ感もたまらないし
なんつーか、個人の感じ方にもよるんだろうけど、緊張感のカタマリみたいなゲーム。

評価Cをつけたけど、これはあくまで個人的な感性による主観的な評価に過ぎない。
あまり人狼はやったことないけど、進行役が不要な少人数でも楽しめる人狼として
決して出来は悪くないんじゃないかと思う。

少なくともレジスタンスよりはこっちのが良いかな。

好きな人はとことん好きなんだろうな~、こういうのは。



■後日追記

ちょっと大きな勘違いをしていた。
というか実はプレイを繰り返す中で誰もが思っていたことがある。

それは

人狼の勝利条件、理不尽に厳しすぎるんじゃないの?

と。

で、これは何かがおかしい

何かルールミスがあるはずだ

一度ルール改定が入っていることも手伝って、その疑念は膨らむばかり。

何度やり直しても、あっという間に人狼が吊るし上げられてしまう。

COQさんからの指摘もあって、すぐに自分も原文ルールを
目を皿のようにして読み直してみた。

結論から言うと、自分のインストにルール間違いはなかった。

しかしミスは見つかったのである。

改定ルールブック中の次の例文にそのヒントがあった。


スタートプレイヤーのエマは、特権を使って彼女の左のデビッドのキャラクターを見ます。
そして、そこで人狼を発見します!
彼女は何も発見しなかったかのように振る舞い、デビッドに自分のカードを見せます。
彼女は自分だけのアドバンテージとしてこの情報を持ち、他のプレイヤーに秘密にします。


つまり、このゲームは人狼vs村人チームではないのである。
この点について念を押す必要があったのだ。

人狼は1人しか居ないという、その強烈な印象から全員暗黙の了解的に
村人のプレイヤーは結束してしまっていたのだが、それは大きな間違いだった。

考えてみれば、最初のスタートプレイヤーにいきなり人狼キャラクターを
見られてしまう可能性だってあるし、そうなればあっという間に告発されて
吊るし上げられてしまう。

人狼vs村人チームという構図のゲームだとしたら、この時点で破綻している。

そうではない。村人同士はライバルであり、もっと言うと敵なのである。

こう考えると、このゲームのルールは全く正常に機能していると言える。


しかし・・・

これでは人狼は恐怖の存在であるどころか、完全に道化師ではないのか?
いつでも吊るし上げられる人狼を、村人プレイヤーそれぞれの思惑で
踊らされている、ただのあやつり人形に過ぎないのではないか?

人狼系ゲームをほとんどやったことの無い自分だが、敢えて言う。


これは人狼では無い


人狼の面白さというのは、誰が犯人であるか?という謎解きにあると思う。

誰が犯人なのか分からない中、死体だけが増えていく恐怖感。
そんな中で必死に推理する。
例えるなら、推理小説をゲーム化したものと言ってもいい。

あくまで一面的な見方に過ぎないのかもしれないが、そういうものを求めていたのだと思う。


しかし、これでは村人の方が人狼より悪に思えてしまう。

そういうのを楽しむゲームだと言われればそれまでなのだが
少なくとも個人的には、そういうものに面白味はほとんど感じない。

後味の悪さだけが残ってしまう印象だ。

これはちょっと、キツめのNoを突きつけたい。


人狼1人に対して、大多数の村人。

そんな数的不利があるのなら、ルールで人狼に強大な特権を与えてバランスを取り
強大な悪に対して、村人全員で立ち向かう。

そういうテーマであって欲しかったと思う。

こんな悪い村人は見たくない。


当然、人狼は孤独であるので人によって人狼役が苦手な人は居るはずだが
同時に絶大な権力を持つ、独裁者みたいな優越感もあるはず。

そういうのを好む人というのは絶対居ると思う。


こんな、ピエロみたいな人狼を演じるのが好きなどというのは
一握りの極端にMな性格の人しか考えられない。


プレイしたことは無いのだが、このゲームをパクったと噂の高い「けもぱに」。
ざっと見た感じ、このルプスブルクをベースにしてはいるがチーム戦に修正されているようだ。

まあ、このデザイナーは「たんとくおーれ」の例なんかもあるので
そんな高尚な思いの元で、ゲームデザインしたかどうかは定かではないのだが

少なくとも、チーム戦の少人数向け人狼というだけでも価値があるんじゃないかと思う。


ただ個人的には、ああいうキャラクターデザインは守備範囲外だし
人狼自体もうレジスタンスとこれだけでお腹一杯なので
少なくともしばらくは遠慮したいんだけどね。

単純なブラフ程度ならまだしも、話で人を欺くみたいなのは性に合わない。

関係ないけど、イタリアって詐欺師が多いという噂も聞くけれど・・・


JohnnyBet



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