たっくんのボードゲーム日記

No.23
チグリスユーフラテス
Euphrat & Tigris

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約60

ルール難易度 若干複雑、というか分かりづらい
日本語化 不要




プレイヤーは4人の指導者を使って王国を作っていき、モニュメントの建設や
他国との戦争を勝ち抜くことで勝利点を得ます。
4人の指導者がつかさどる文明をバランスよく発展させたプレイヤーが勝利します。


とりあえず、ボード全景。大地に2本の川が流れています。
(どっちかがチグリス川で、もう片方がユーフラテス川らしい)



それと、ところどころになにやらマークが描かれています。


さて、これが指導者コマ。同じマークのコマを4つずつ持ちます。


なのでライオン、牛、ツボ、弓矢の中から1つ(コマ4つ)を選びます。


コマの色には別の意味があって

黒 → 国王
赤 → 神官
青 → 農民
緑 → 商人

となっていて、とりあえずこれ以降の文章で「国王」と書かれていたら
「ああ、黒の指導者コマのことだな」とか思って欲しい。


そしてもう1つ、重要なコンポーネントの文明タイル



指導者コマと同じく4色あって、それぞれ対応関係にある。


整理すると

指導者コマ 文明タイル
国王 街・市民
神官 神殿
農民 農地
商人 市場
まあ、とりあえずこの名称と対応関係を覚えて欲しい。 これを、ボードのマスに置いていくわけだが 文明タイルと指導者コマ、両方を含むカタマリのことを「王国」と言います。 そして、ここで重要なルールが2つ ①1つの王国の中には同じ色の指導者コマが存在できない ②どの色の指導者コマであっても、必ず「1枚以上の神殿タイル」に接していなければならない 写真の例では、同じプレイヤーの神官と商人が1つの王国に居るわけだが 色さえ違っていれば、他のプレイヤーの指導者コマであっても良いのである。 とにかく、同じ王国内で同じ色はダメ。これが重要ルールその1. 次に神殿タイルだが、国王であっても商人であっても農民であっても 赤い神殿タイルに接していることが必須になっている。 最低1枚以上なので、2枚、3枚の神殿タイルに接していてもOK。 というわけで、4つのタイルの中でも神殿はとりわけ重要になっている。 ※なので神殿タイルは他のタイルより枚数が多い ***** さて、手番では基本的に、指導者コマあるいはタイルを合わせて2つ ボード上に配置することができます。(※このとき、上記の重要ルールに必ず従います) 既にボード上に配置している指導者コマを移動させるとか、手元に戻すというのもOK タイルに関しては、袋からランダムに6枚引いて手札とします。 タイルを置くときは、ここから選びます。 例えば、こんな感じで市場(緑)タイルを置いてみる。 そうすると、その王国に居る同じ色の指導者コマの持ち主は タイルと同じ色のキューブを1つもらえる これが勝利点 2手番目もタイルを置くことにしたとして、神殿タイルをこんな風に置けば 同じように赤いキューブがもらえる なので、大抵はその王国に置かれている自分の指導者コマと 同じ色のタイルを置くことになる。 他のプレイヤーの指導者と同じ色のタイルを置いてもキューブを献上してしまうことになるので 先に書いたように、このキューブが勝利点なのだが 最も少ない色のキューブの数が勝利点になる つまり、こんな感じでキューブを獲得しているとすると 緑が一番少ないので勝利点は2。 他の色でいかに多く掻き集めていてもダメなのである。 4色のキューブは、なるべく均等になるように取らなければならない。 ***** 手番が終わったら、手持ちのタイルが6枚になるまで袋から補充します。 さて、農地(青)のタイルだけは、他のタイルと配置ルールが異なっていて コイツだけは、地面に置くことができない。 農地タイルは川の上にしか置けないのである。 逆に農地以外のタイルや指導者コマは、川の上に置くことはできない。 さてさて、ここまで分かったところでいよいよこのゲームのメインイベント「戦争」のお話 他のプレイヤーの指導者コマと同じ色の指導者コマを同じ王国に置くと、戦争(内戦)になります。 この例だと、神官(赤)同士の内戦となる。 勝敗の決め方だが、指導者コマに接している神殿の数が戦力になる。 なので、この場合ライオンプレイヤーの神官は戦力2 それに対して、牛プレイヤーの神官は戦力1となる。 さらに、手札から戦力(神殿タイル)を追加で投入することができる。 基本的に、攻撃側(内戦を仕掛けた側)が若干不利になっていて ・戦力数が同点の場合は防御側の勝ち ・追加タイルの投入は、まず攻撃側から提示する  (後手の防御側は攻撃側の投入枚数を見てから決めることができる) 負けた側のプレイヤーは、指導者コマを手元に戻します。 勝った側のプレイヤーは、赤いキューブを1つ獲得します。 はっきり言って、これだけ見てしまうと内戦は勝ってもあまり旨みは無いのだが。。。 とりあえず、もう1つの戦争について。 王国同士をくっつけてしまうことによる戦争である。 こんな感じですね。 このままだと、商人(緑)が2つ、同じ王国に居ることになってしまうので。 やっぱり戦争(外戦)になる。 こうなる(戦争発生の)きっかけを作ったタイルの上に「握手」のタイルを置きます。 このときは、それぞれの王国内にある同じ色のタイル数が戦力になる。 つまりこの場合は、商人(緑)同士の戦争になるのだが 左の王国が緑タイル3枚に対して右の王国は緑タイル1枚。 内戦のときと同様に、手札からタイル(戦力)を追加投入できます。 攻撃側から追加タイルを出す、同点は防御側の勝ちになる等は内戦と同じ。 ※基本的には手番プレイヤーが攻撃側なのだが、手番ではないプレイヤー同士で  戦争になった場合は、手番プレイヤーから見て手番順が近いプレイヤーが攻撃側になる ※複数の色の指導者間で同時に戦争が発生する場合は、その解決順を手番プレイヤーが決めます 負けた側は指導者コマと共に、王国内にあった同じ色のタイルを全て取り除いてゲームから除外します。 このとき、勝った側は取り除かれたタイル数+1のキューブがもらえる。 上記の例だと、緑タイル3枚+1 = 緑のキューブ4つとなる。 つまり、大きな帝国を倒すと戦利品も増えるというわけだ。 しかし当然、強大な王国に外戦で勝つことは非常に難しいわけで ところが、内戦戦力は手薄だったりすることもあり 外戦では勝ち目が無いけれど内戦なら勝機が見出せたりする。 そのあたりに内戦の意味がある。 さて、キューブを獲得する方法は 1.タイルを置く 2.戦争 のほかにもう1つあって こんな感じで、同じ色のタイルを4枚、正方形に置くと その4枚を裏返して、モニュメントというのを建てることができる。 モニュメントは2色のパーツから構成されていてこの場合、黒と緑。 ※裏返したタイルと同じ色のパーツを含むモニュメントを選ばなければならない で、モニュメントと同じ色の指導者コマをその王国に置いているプレイヤーは 手番が回ってくるたびに、対応する色のキューブを1つもらえる この場合、黒も緑もライオンのプレイヤーの指導者が置かれているので 黒のキューブと緑のキューブが毎手番ごとにもらえることになる。 非常に強力なのだが、タイルを裏返すことによって外戦戦力が4つも減ってしまう上に 当然他のプレイヤーから狙われることになる。 ところで国王と商人は、ちょっとした特殊能力を持っていて まず国王。王国にタイルが足されたとき、その色に対応する指導者が居ない場合、 国王コマをその王国に置いているプレイヤーが、キューブをもらえます。 ※キューブの色は置かれたタイルの色と同じものになります 次に商人。 と、その前に、初期セットアップでボード上のマークが描かれたマスには 神殿タイルと財宝コマを置きます この無地のキューブが財宝コマ これは、所謂ワイルドカードで、どの色として使っても良いキューブなのである。 非常に使い勝手の良いキューブで、これ1つで他の色つきキューブ2~3個分くらいの価値がある。 財宝の獲得の仕方は 2つ以上の財宝コマが1つの王国の中に入っているとき その王国に商人を置いているプレイヤーがどちらか1つを残して残りを全て獲得できる まあ、大抵の場合は2つなので、どちらか1つを取ることができる、といった感じ。 コイツが高価値の、まさに財宝。 ■ゲームの終了 袋の中のタイルが無くなって、手札のタイルを6枚に補充できなくなったとき あるいは、ボード上の財宝が2個以下になったら、その手番でゲームは終了。 もちろん、勝利点が最も多いプレイヤーの勝ち。
Knizia, Reiner
プレイ記



けがわさん、JOSSさんと3人プレイ




使用コマ、俺は牛マーク。




初期タイル6枚。あんまり偏ることなくバランスがいい感じ。




さて初手。どうするかな。。



最初から考えててもしょうがないので、とりあえず神官(赤)を置いてみる。

けがわさん「こうすると、2枚の赤タイルに隣接するマスが水なので
      他のプレイヤーにコマを置かれにくくなりますよ」

少々アドバイスをもらいながらのスタートになった。

なるほど・・


商人(緑)と国王(黒)はボード右下の方に配置




と、そこに割って入ってくるのは、、けがわさんの農民(青)



右下のJOSS国と商人(緑)の戦争になりそうな気配


戦争に備えて緑のタイルを確保しておく




なんかチリみたいな細ながーい王国になっとる



戦力は、国王(黒)が俺が4に対して相手は2
商人は1対2で劣勢だけど、手元に緑のタイルを溜め込んであるので

よし!戦争じゃ!!


■結果 チリJOSS国を蹴散らす!




よしよし、だいぶ戦利品が入ってきたぞ




こっちの小国は、、どーすっかなー



モニュメント建てても良いような気もするけど


敢えて中途半端なことをやってみる




そしたら、当然のようにけがわさんがモニュメントを建てる



青の戦力減は、ちょっと気になるけど
俺も毎ターン青のキューブがもらえるから、まあ仲良くやりましょうww


一方、こちらは「けがわネパール国」



モニュメント建ってるし・・
これもかなり序盤に建ったのでなんとも美味しそうな収入源

しかし川を隔てているので少々侵略しづらい・・


左から攻めるか。どっちの王国にも緑のモニュメントがあるので
くっつけて戦争させて負けた方の国にすかさず俺の商人(緑)を置いてしまおうという魂胆。



しかし、それを阻むようにけがわさんに先に神官(赤)を置かれてしまい

うーむ。。


その後、緑は少しずつ溜まってきたのだが



赤が足りん!!!



狙うは、このモニュメント



内戦で横取りしたいところだが、JOSSさんの神官(赤)は
戦力3とかなり手ごわい


赤タイルを5枚溜めて、、いざ決戦へ

俺はその5枚も含めて戦力6

JOSSさんは3なので、赤タイル3枚なければ勝てるのだが


あえなく敗戦。クーデター失敗。。


失った赤タイル5枚が痛すぎる


なんかやたらモニュメント乱立



黒キューブ、毎ターン2個ずつ入ってくるのでかなり余ってる。
もうこれは内戦で負けてもいいやって感じ。

それより問題は赤!なんとかせねば


しばし長考・・・


あ


そうだ、けがわネパール国とくっつけて神官同士で戦争させちゃえ



けがわさんの方の神官は強大なので・・・


首尾よくJOSSさんの神官は敗戦して、




代わりに俺の神官が




ひょこっと入る なんだか火事場ドロボーみたいだwww




しかし、間に合わず。
モニュメントの恩恵を受ける前にけがわさんが8個目の財宝を獲得して終了。




■結果

俺:最小は赤で6点




勝ったのは、、けがわさん。



バランスよく取ってるなーー、さすが。


プレイ記2

ツエツキさん、イズナさん、フォルテさん、俺の4人プレイ




初手、とりあえず国王と神官を置く


俺は牛さんチーム



右下の財宝との接続を狙いにいくのだが、農民は右上の水辺を狙ってリーダーを配置




財宝は難なくゲット




そろそろ緑のキューブが欲しいのだが、なかなかタイルを引けない




あのへん、商人置けたら美味しそうだなぁ




ま、考えることはみんな同じだよな




しかし、神官タイルはたくさんある。
内戦で追い出して、モニュメント建設


青と緑のキューブはこれで稼ぐことにする。

内戦戦力が弱いのがちょっと気になるが・・・



やべー、なんか近づいてきた




あっさり戦争になってしまった


農民はフォルテさん(弓)の戦力2に対してこちらはゼロ

加えて農地タイルも持ってない

敗戦決定(TT


ウチの国王と神官の国(右下)は、かなり磐石なので、ここから攻めることにする


モニュメントを守らねば!


でも左のフォルテ国と戦争しても美味しそうではあるな




キューブはこんな状況 青が欲しい



しかし、相変わらず農地タイルが1枚も来ないので、どうすっかなー・・


とか思ってる間に、フォルテ国が攻めてきた!



フォルテさんの手元から出てくる大量の赤タイル

そのとき、こちらは農地タイル集めに走ってしまっていたためゼロ


無残なまでに敗戦




時は流れ、2強国時代に突入


そして、その流れに乗れず取り残されてしまった


そして始まった歴史に残るであろう大戦争


その横で指をくわえて見ている、スイスたっくん国


終了時の様子




数多の戦いで勝利を収め続けてきたフォルテさんの勝利




終盤はもう成す術なく大惨敗




評価・・・

※評価の基準についてはこちら

うーん、分かりづらい。
テーマとゲームの内容も少々ミスマッチな感じがするし
指導者が4人居て、同じ色のタイルを置くと・・・うーっ!って感じ。
なぜ、人気タイトルとなったのかちょっと分からない。
戦争や内戦でタイルを出しあって勝負するところなんかは
クニツィア先生が得意とする一種の競りみたいなイメージもするし。
ついたても付属してくることだしねぇ・・

勝利点チップを4種類まんべんなく集めて、一番少ない種類のチップ数で
勝負する、というあたりは良く考えられたルールだと思うが。

ただ、やっぱり肝心のタイルを置いたり、指導者コマを置いたりする
メインとなるアクションの中に面白味を見出しにくい。

国と国がくっついたら戦争になって、ボード上のタイルと
手持ちのタイルで勝負するというのも、なにか直感的な分かりやすさが無い。

コンポーネントも、指導者コマが木製なのは良いのだが
いかんせん、誰のコマか分かりづらい。
なんでだろう?他の大抵のゲームでは、コマの色はプレイヤーごとに決まっているのに対して
このゲームではコマの色ではなくて「マーク」がプレイヤーを表しているからではなかろうか?
慣れの問題かもしれないが、ちょっと違和感がある。


結局のところ、分かりづらいことだらけで、トータルとしてもやっぱり分かりづらい。
もしかしたら、気づいていない面白さがあるのかもしれないが
少なくとも初心者向けのゲームではありえない。

評判はけっこう良かっただけに期待していたのだが、うーん残念。



■再評価 2011/07/17

あれぇ?こんなに面白かったっけ、このゲーム。
以前やったときとぜんぜん違う印象。

とにかく、ごめんなさいクニツィア先生

モニュメントをいつ、どこに建てるか
戦争と内戦をどう使うか、そのへんにジワジワくる面白さがある感じ。

これは指導碁みたいに、一度うまい人にアドバイスを受けながら
やってみないとなかなか面白さが分からないと思う。

初心者同士で「ルールは簡単だから」と、碁をやってみたものの
ある程度の定石を知らないと、そもそもゲームとして成り立たないのと
同じような感覚だ。

そして、チグユーの場合はルールそのものもとっつきが悪い。

この2重の壁があるために、やりこんだゲーマー以外にはなかなか
評価されづらいのでは?と思った。

たとえば、複雑なルールのゲームであってもプエルトリコのように
「プランテーション経営」というテーマに沿って理解しやすいのならいいのだが
王国にはなぜ4人の指導者が1人ずつしか存在できないのか?
なぜ神殿に隣接していなければならないのか?
などなど、もちろんきちんと意味づけされていると思うのだが
少なくとも多くの日本人には、こういうのはなかなかピンと来ないと思う。

なんというか、感覚的に流れるように理解することが難しい。

そして、やっとルールを理解しても、今度は盤面とコマを前にして
自由度が高すぎてどうしていいのか分からない。

これを乗り越えた先に、ようやく面白さが見えてくるといった感じだ。


しかし、少し分かってくれば飛躍的に視界が開ける感じ。
高く評価するゲーマーが多数居ることもなんとなく納得できるような気がする。


なので、初心者にはまずオススメできない真のゲーマーズゲームなのではなかろうか?

逆に言うとそれだけやりがいのあるゲームであるとも言えるので
もう少しやりこんでみたい感じのゲームでもある。


ただねー、ちょっと個人的に苦言を言わせてもらうなら
少々プレイアビリティというか視認性が悪いのは否めない。

多くのゲームにおいて、コマの色がプレイヤーカラーとなるのに対して
このゲームでは色はコマの種類。その辺に、違和感を感じるのと
あと、モニュメントが分かりづらい。

何を言っているのかというと

自分のマークのコマ→コマの色→モニュメントの色

という感じでモニュメントの恩恵を受けられるかどうかの識別に3ステップ
必要なため、これも少々分かりづらく感じる。



分かりやすいテーマ、見やすいコンポーネントデザインでリメイクして欲しい。

そんな感じかな。



■4人プレイ追記

3人プレイも全然悪くなかったんだけど、やっぱりこれは4人がベストですね。

面白かったのだけれど

内戦でも外戦でも勝機が見出しにくい状況になってしまったとき
どうすればいいのか、ちょっと分からなかった。

そうなってしまったらジエンドなのかな?


やっぱりこのゲーム、システム的にもテーマ的にも非常にとっつきが悪い。
初めての人は何をすればいいのか、さっぱり分からないと思う。

でもプレイを重ねるたびに、やっと面白さが少しずつ分かってきた感じがしたので
もう少しプレイしてみたいと思いました。


2012/11/10


JohnnyBet



番外編



ペガサス版も手元にあるのでちょっと番外編。


箱の比較。ペガサス版の方が体積的に2倍くらいあるかな。




ボード。メイフェア版より色鮮やか。





指導者コマ。メイフェア版と比べて、絵の線が細い感じ。




文明タイル




★総評★

まず、メイフェア版の方が箱が小さくコンパクトでいいかな。
全般的な絵のデザインもメイフェア版の方が好みではある。
なんとなく味がある感じ。

しかしながら、ペガサス版の色鮮やかな配色の方が好みという人も多そうだ。
ちなみにモニュメントやキューブに差は無さそうだった。

ま、好き好きで。


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