たっくんのボードゲーム日記

No.20
薔薇の名前
Der Name Der Rose

プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約90

ルール難易度 ちょっと難しめかな?
日本語化 イベントカードは日本語化した方がベターだが、対照表等があれば遊べる


同名の映画が原作になっているゲームです。

修道院で次々と発生する猟奇的な殺人事件を、ウィリアム修道士と若き見習い修道士のアドソが解決するというお話。

プレイヤーは、殺人の疑いがかけられる修道士の1人となり無実を証明することを目指します。


ボード全景 連続殺人事件の舞台となる修道院です


修道院内にはさまざまな建物があります。


容疑者は6人 茶色いコマは小さい方がアドソで大きい方がウィリアム


プレイ人数に関わらず、6人の容疑者コマは全部使います。


容疑者の修道士6人には、対応する身分カードが用意されています。




1人1枚ずつカードを秘密裏に引いて、他のプレイヤーには見られないように伏せて置きます。




で、どうやって犯人が決まるのかというと


ボード下部には、確証ポイントチャートという赤いチャートが描かれています。


ゲーム終了時に最も高い確証ポイントの修道士が犯人となります。


たとえば、こういう感じなら


赤の修道士の確証ポイントが最も高いので事件の犯人となり負け。
勝者は一番確証ポイントが低い青の修道士のプレイヤーとなります。



もちろんゲーム開始時は全員同じ確証ポイント(5ポイント)からスタートします。




それに対して、ボード上部には青い疑惑ポイントチャートというのが描かれています。


ゲーム中は基本的に、この疑惑ポイントが上がったり下がったりします。

ラウンド終了時に

最も疑惑ポイントが高い修道士 確証ポイント+5
2番目に疑惑ポイントが高い修道士 確証ポイント+4
3番目に疑惑ポイントが高い修道士 確証ポイント+3
4番目に疑惑ポイントが高い修道士 確証ポイント+2
5番目に疑惑ポイントが高い修道士 確証ポイント+1
6番目に疑惑ポイントが高い修道士 確証ポイントの増加無し
というように確証ポイントが上昇します。 この状態で1ラウンド目が終わったとすると 疑惑トップは赤、2位は白、3位は黒・・・なので こんな感じになる さて、手番ではカードを1枚プレイします。 手札は常に3枚、手番の最後に山札から1枚補充します。 カードは大きく、ウィリアム/アドソカード、人物カード、場所カードの3種類があって たとえば人物カードをプレイすると カードに描かれた色の修道士を、任意の建物に移動させることが出来る。 このとき、移動先の場所には仕事チップが2枚置かれているのだが 移動してきた修道士と同じ色のチップがある場合は、そのチップをもらえます。 さらに、チップに書かれている数字の分だけ疑惑ポイントが下がります しかし、同じ色のチップが無い場所に来た場合は そこに置かれているチップの数字の合計(この場合7)だけ疑惑ポイントが上がります 自分の仕事が無い場所をウロウロしているのは怪しいというわけですね。 さらに、カードの上部には数字が書かれていて この数字の分だけ時間が経過します。 ボードの左上の日時計チャートを数字の分だけ動かします。 チャートが1周したら1日(1ラウンド)終了で(青いマスまで到達するか通り過ぎたら) 疑惑ポイント⇒確証ポイントへの変換を行います。 次のラウンドでは全修道士の疑惑ポイントを10(初期位置)に戻します。 1日(1ラウンド)を終わらせてしまったプレイヤーは、イベントタイルというのを受け取ります。 このタイルを持っていると、1枚につきゲーム終了時に 自分の修道士の確証ポイントを+2されてしまうので、かなり受け取りたくないタイル。 そのとき役立つのが「怪しくない行動」をさせたときにもらえる仕事チップ。 このチップ1枚払うごとに時間の経過を1減らすことが出来る。 プレイしたカードに書かれている数字が1なら、チップ1枚払うことで 時間経過0にすることができる。 場所が描かれているカードをプレイした場合は 任意の修道士をその場所に移動させることができる。 このときももちろんカード上部に書かれている数字の分だけ時間が経過します。 ウィリアム/アドソカードは、ウィリアムもしくはアドソのどちらかを 任意の場所に移動させられるのだが・・ 経過時間はウィリアムを動かした場合は5なのに対して、アドソは0 ラウンド終了間際で非常に役に立ちます。 ウィリアムを移動させた場合 移動先の建物に居る修道士全員確証ポイントを+3もしくは-3することができる。 アドソを移動させた場合は、疑惑ポイントを±5ポイントすることができます。 これはっきり言ってかなり強力です。 さて、1ラウンドを終わらせたプレイヤーはイベントタイルを受け取るのだが イベントタイルには、そのラウンド内でのみ適用される付加ルールが書かれています。 暴露タイルに関してはちょっと後回し。。 見ての通り、結構強烈な内容になっているものが多い で、暴露タイルのところまでラウンドが進んできたら 各プレイヤーは、自分の修道士は、この色ではないというのを告白しなければなりません。 修道士の色に対応したチップ6枚を1セットずつ受け取ります。 暴露タイルのところまでラウンドが進むたびに、このチップを1枚ずつオープンにします。 暴露タイムはゲームを通して全部で3回あります。 そして、ゲームの最後にこのチップを他のプレイヤーの前に1枚ずつ そのプレイヤーの修道士だと思う色を置いていきます。 全員がチップを1枚ずつ他のプレイヤーの前に置いたら 身分カードとともに一斉にオープンにします。 それで、自分の色を当てられたチップ1枚につき確証ポイントが足されます。
2人プレイ 1枚につき12ポイント
3人プレイ 1枚につき6ポイント
4人プレイ 1枚につき4ポイント
5人プレイ 1枚につき3ポイント
さらにラウンドの最後に受け取ったイベントタイルの枚数×2ポイントの確証ポイントを足して勝敗を決めます。
Feld, Stefan
プレイ記



相棒と2人でプレイ

まずは身分証明書カード(手に持ってるカード)。俺は赤の修道士。


これが相棒にばれないようにしなければならない。


いきなり自分の赤を動かすのもどうかと思ったので
とりあえずオレンジの太っちょを厨房に行かせることにする。


厨房にオレンジの作業が無いので疑惑6アップ。


相棒の手番。いきなりウィリアムが厨房にやってきて
オレンジとグレーの確証ポイントが上げられる。





まあ関係ないのでいいかって感じ。


青の作業チップを取ると同時に、疑惑を下げて
青のフリをしてみることにする。うまくいくかな?




なんかみんな厨房に集まってきた。



イベントカードは「他の修道士の居る場所へ移動したとき、
そこにいる全ての修道士の確証ポイント+1」なので、みんなで怪しくなる(笑
というか、疑惑じゃなくて確証なので、どんどん証拠固めされてる感じか?


俺の赤は確証ポイントは一番後ろで良い感じなのだが、あまりに後ろ過ぎると
それはそれで疑われたり狙われたりしそうなので、わざと疑惑を上げてみることにする。




相棒「なんか、青が怪しいんだよね・・」

俺の思惑がうまくハマったようだ^^


オレンジが突出して確証が上がっていくのだが、放置しているところをみると
相棒はオレンジではなさそうだ。白かグレーあたりが怪しい。

しばらくは白をマークしていじめてみる。


白を作業の無い場所に行かせて、怪しさ満開にして疑惑をガンガン上げる。




なのだが、怪しい行動をさせまくったせいで
作業チップが溜まらず3回も連続で日をまたいでしまった。


んー、失敗だったかなぁ・・・


4日目以降は、日をまたがないようにするためにせっせと作業にいそしむ。
と、同時に、ウィリアム/アドソカードも温存(アドソを選択すれば時間経過なしなので)




しかし相棒は、これでもかというほど作業チップを溜めていて
またしても日をまたがされてしまい、イベントカードをもらってしまう。


やべえなあ、この時点でイベントカード5枚で
確証ポイント+10が確定してしまう。痛すぎる・・・


そして6日目のイベントカード


ウィリアムとアドソが同じ場所に移動したとき
疑惑ポイントから確証ポイントへの変換が行われるカードだ。


やべえ、赤が疑われてるよ。ガンガン怪しい行動をさせられる。



この状態でウィリアムとアドソが2回も一緒になってしまい
俺の赤、10ポイントも確証があがる。きっつぅ・・しかし顔には出せん。


そして最終日、相棒は白かグレーのどちらかだ。
最後の最後で白の疑惑をぐっと下げたのが気になるが
全体を通して怪しかったのはやっぱりグレーだ。

グレーでいってみる。



と思ったら、やっぱり相棒は白だったかー・・・


俺の演技が効いたのか、相棒は俺を青と予想



2人ともはずれ。


でも、イベントカードを6枚すべて引かされてしまい
確証ポイント50までいってしまいました(T_T




大負け。


プレイ記2

4人プレイ



俺は、今回も赤


なんか正体隠匿系のゲームで、いつも赤を引いてる気がする

まあ、序盤は適当に時間チップを集めよう



と、赤が後ろの方になってきたので



ここはちょっと目立たない位置まで疑惑ポイントを上げておこうw



イズナさん「こいつ(白)怪しいんですよw」



時間はあっという間に流れ



日時計は1日の終わりを告げる



よしよし、赤の俺としては良い感じの位置取りだ



さあ、暴露タイム


ぐっさんとイズナさんが出した色はオレンジ


そして偶然にも俺が出したのもオレンジ


しかし、Mさん1人だけ青

俺「これ、次の暴露タイムでMさんがオレンジ出さなかったらもう確定ですかねw」

笑

と、まあそれは置いといて、このラウンドは確証ポイントが簡単に上がっちゃうなー・・


ちょっときつい




なんかオレンジが怪しい雰囲気なので、Mさん以外の全員からオレンジのデブがボコられることに


Mさん「これは、俺はどうしたらいいんですかー!」

俺「あ、ゲロったw」

イズナさん「いや、演技かもしれないですよあれ」

うーむ、でもホントっぽいような気がするけど、。

まあ、真相はどうあれリアクションが面白いので虐め続けてみるw


完全なるいじめっ子と化す3人

その次のラウンドも飛び出していくのはオレンジ



青いヤツは疑惑ポイントが0まで下がった


イズナさん「誰かホクホクしてるのが居るんじゃないですか〜??」


う、移動しただけで疑惑ポイントがガンガン上がるの?



確証ポイント、ぶっちぎるのはオレンジ



そして疑惑ポイントでも他を寄せ付けない強さを見せるオレンジ


Mさん「俺のオレンジになんてことするんですかーー」

俺「演技、、ですかね?w」

さあ、注目の2回目の暴露タイム


俺は白を選択することにする

俺「オレンジでも白でもないですよー」

ぐっさんとイズナさんは・・


うーむ、なんとなくではあるが白と黒はダミーっぽい感じがしてきた

そして、Mさんは・・


俺「これでもしオレンジじゃなかったらかなりの役者ですね」



ガンガン上がる疑惑


そろそろ、イズナさんとぐっさんの色も特定したいところだが

Mさん「イズナさん、なんかグレーが怪しく無いですか?」

イズナさん「え?」

イズナさん「ぜんぜん怪しく無いよ」

ぐっさん「怪しいですね」

ふーむ、じゃああの疑惑MAX状態なのはカモフラージュと見ればいいのか?

イズナさん「なんか青怪しく無いですか?」

イズナさん「ちょっと、コイツ怪しいんで」


Mさん「と、話題をグレーから逸らす作戦ですね」

イズナさん「いやいやいやいや」

ぐっさん「あやしい・・・」

俺「・・・」

俺「もしかして、ぐっさん、青ですね?」

ちょっと揺さぶってみる

ぐっさん「え?」

一瞬目が泳いだのを見逃さなかった。

なるほど^^;


イズナさん「なんか、たっくん、赤なんじゃないかと思うんだよね」

やべっ^^;


そんな中迎えた最終ラウンド


毎ターンごとに、誰かの確証ポイントが上がるというきっついイベント

疑われたタイミングが悪かった。

なす術無く、俺の赤の確証ポイントが上げられてしまう。

そして、最後の犯人当て


みごとに全員に当てられてしまった(T_T

Mさんはまあ予想通り


これは、最初の暴露ラウンドがきつかったですね

ぐっさんも全員から当てられる。あのリアクションは分かりやすかった。


ぐっさん「これ、全員同じマイナスポイントですかね」


と、思ったら違った!


イズナさんはなんと黒だった。

えー、まじで??

イズナさん「みんながグレー疑ってくれて、あ、ラッキーって」

その可能性も考えなくはなかったんだけど・・

うわー、これは見事にやられた



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

面白い!映画は観てないけど、十分楽しめた。
やっぱり人数が多い方が盛り上がるんだろうけど2人でも楽しかった。

疑惑はかけられたくないけど、あからさまに疑惑を下げる行動をすると
正体がばれてしまうし、、というジレンマが悩ましくゲームに深みを与えている。
ばれないようにわざと自分の修道士の疑惑をちょこっと上げてみたり
相手の修道士の動かし方から正体を推測してみたり・・・
時にはプレイヤーの顔色や言動も推理の手がかりになる。

「赤があやしいなー」とか「その推理は違うと思うなー」とか

最後の正体当ては、かなりのドキドキもの。
当てられてるかどうか・・
自分の推理が当たっているかどうか・・・


ただ、若干ではあるけれどプレイ感が淡白な感じ。
イベントカードがゲームにメリハリをつけて良い感じではあるのだけれど
もう一押しあればもっと良かったかもしれない。
アクションカードが大別して3種類しかなく、もうちょっと種類が多い方がいいかな。
そう感じるくらいなので、ルールは比較的簡単な部類だと思う。

疑惑が確証に変わるってのもイメージしやすいし
ボードやカードに書かれている場所はドイツ語だけれど
シンボルマークがついているので、分かりやすい。

日本語化が必要かなと思うのはイベントカード。
でもこれも、対照表があれば遊べると思う。
ま、日本語シールを貼ればなお遊びやすいことは間違いないけれど。


全体的に見て、大きな欠点はない良作だと思う。
アンダーカバーが好きな人であれば間違いなく楽しめると思う。
と言いながら、ルール読んだだけで遊んだこと無いけど。

★6/15追記★

アンダーカバープレイしました!
やはり面白味は同じだと思う、薔薇の名前の簡易版と言ったところかな。
詳しくはアンダーカバーの頁を参照。。


■追記

かなり好きな部類の作品なんだけど、げっこう重ためなのでなかなかプレイの機会がなくて、今回久しぶりに遊べた。
これは重量級としておいた方がいいかな、ちょっと変更しとく。

ホントに雰囲気は抜群。日本では原作モノのカードゲームとかボードゲームというと
すぐに子供向けのキャラクターゲームを想像してしまいがちなんだけど
海外にはこういう大人向けな感じの作品もたくさんあるんですよね。

プレイする前に映画を観ておくと、より楽しめるとは思うんだけど
少々猟奇的なホラー映画色の強い作品なので、万人には勧められないかな。
良く出来た映画だとは思うけど。

主演がショーンコネリーで、そのへんも個人的にポイントが高かったり。

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で、ゲームの話に戻ると

アンダーカバーでも同じことを思ったんだけれど、こういう正体隠匿系ゲームって

適当にダミープレイヤーが居ないと面白さ半減

散々いがみあっておいて、結局勝ったのはダミープレイヤーとか(そうなったことはまだ見たこと無いんだけど)
ダミープレイヤーに振り回される(可能性がある)というのが、面白さとして重要な要素だと思う。

なので、適性プレイ人数は4人くらいだと思うんだけれど
6人プレイするくらいなら2人プレイの方が面白いんじゃないかと感じた。

重厚だけど、とても面白いですよ。

気になるのは、1日を終わらせてしまったプレイヤーが受け取ることになるイベントタイル。
これをめぐる泥仕合だけは、ちょっと不毛な気がして・・

でも好きなんですよね、これ。
総合的な完成度としてAは付けられないけれど、でも大好きな作品という
とても不思議な印象の一作。

普通は、これだけ気に入ったら間違いなくAを付けるんだけど。

2013/11/17


JohnnyBet



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