たっくんのボードゲーム日記

No.185
アサラ
Asara

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約60

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要




できるだけ高い塔をできるだけたくさん建てることを目指すゲームです。


塔コンポーネントは、こんな感じのタイルになっています。

まず、塔の土台部分。



一番上(先端)




真ん中は長いのと短いのと2種類あります。



ちなみに金の装飾があしらってあるパーツもあって、これは追加の勝利点をもたらします。




こんな感じかな、建築ルールとして中途半端な状態にすることはできない。



つまり、必ず「土台」「先端」が入ってなければならないということ。
なので写真のように土台と先端だけの塔というのもOK

で、あとから真ん中のパーツを挿入するように足していくことができる。

そして塔は1色のパーツだけで構成されていなければならない。

まぁ、難しくは無い。


これらの塔のパーツは、色ごとに値段が決まっていて



たとえば緑の塔のパーツなら4アサラ(お金の単位)で買える。

これは土台、先端、真ん中どれでも同じ価格。

一番高いのは白の塔のパーツで1つ8アサラとなっている。



ゲームスタート時の軍資金は1人20アサラずつ。
ただし後手番のプレイヤーは1アサラずつもらえる金額が増えていく。
(2番目のプレイヤーは21アサラ、3番目は22アサラという感じ)


値段が違うということはもらえる勝利点にも差があるということで
ゲームの一番最後に最終得点計算をするのだが



この表の見方だが、例えば白い塔を1番高く建てたプレイヤーは12点がもらえる。

そして、白い塔を2番目に高く建てたプレイヤーには6点という具合に
各塔の絵の上の上段の数字が1番高く建てた人のもらえる勝利点、下段が2位の人となっている。


そして、すべての塔の中で最も高い塔を建てたプレイヤーには8点(2位は4点)



最も多くの塔を建てたプレイヤーは12点(2位は6点)がもらえます。

お金も最終的に10アサラが1勝利点になる。


このゲームは4年(4ラウンド)で構成されているのだが、1ラウンドごとに中間決算があります。



まずスタートプレイヤーマーカーを持っているプレイヤーが1点
※このマーカーは順番に回ってくるわけではなく、ゲームの途中で購入することで入手する

そして、高さ、色に関係なく塔1つにつき1点。

最後に建設された塔の金の装飾1つにつき1点


これらが毎年(毎ラウンド)もらえます。
早いラウンドで、金の装飾のパーツをたくさん建てておくとお得というわけだ。


さて、ようやくゲームボード。ボードの大半は「塔パーツ」の市場になっていて
ここでパーツを買い付けます。




土台パーツ市場




先端パーツ市場




真ん中パーツ1市場




真ん中パーツ2市場




これらのパーツを買うには、お金を払うだけではなく買い付け人を
市場に送り込まなければならない。


買い付け人カード、5種類(5色)あります。




買い付け人カードはラウンドの最初に9枚ずつ(2人プレイ時)配られます。




手番でパーツを買うには、その市場に買い付け人カードを1枚置きます。



最初は、どの色の買い付け人を置いてもOKで、たとえばこんな風に置いて


5アサラで赤の塔の土台が買ってみる。





最初は、どの色の買い付け人カードでも良いのだが
2番目以降のプレイヤーは、同じ色のカードを出さなければならない。



つまり、これ以降のプレイヤーは土台パーツを買おうと思ったら
緑の買い付け人カードを置かなければならないのである。

このカードの色のマストフォローがこのゲームのもっとも重要な部分!

4つの市場ごとに、フォローされる色が決まっていくという感じ。


しかし、土台パーツを買いたいんだけど色をフォローできない場合は



任意のカード2枚を伏せて出すことで買うことができる。
要はカード2枚出せばワイルドカードにできるということ。


全プレイヤーが手札の9枚の買い付け人カードを全て、ボードに置いたら
1ラウンド終了して中間決算になります。


さて、買ったパーツは建設するわけだが、ここでもお金と買い付け人カードが必要になる。

ボード中央部



1~7までの数字と、それぞれにカード置き場があります。

数字は必要な建設コスト建てられるパーツの数を表している。


ここもカードは当然のごとくマストフォロー。
前プレイヤーが出したのと同じ色のカードを出します。



たとえば、4のところにカードを置いたとすると費用は4アサラ。

そして建てられるパーツも4つまで建てることができる。

で、建てたパーツの数と同じだけ勝利点がもらえます。

なのでパーツ4つなら4勝利点。





最初に書いたように、建設される塔は必ず「完成」していなければならない。
(土台と先端が含まれる)

※後の建設で、真ん中のパーツを足すことは可能


買い付け人カードを置くことの出来る場所は市場、建設以外にもあって

まず「ワイロ」



ここにカードを置くと、3もしくは5アサラのワイロを払うことで

市場ではなくタイル山を見て、好きなタイルを買うことできる。



もちろん、買い付け金はワイロとは別に払います。
白のパーツなら8アサラ。

ちなみに、左のスペースにカードを置くとスタートプレイヤーマーカーがもらえる。
次のラウンドのスタートプレイヤーになることができます。




最後に増資



ここにカードを置くと置いた場所によって8、10、12アサラ受け取れる。

ちなみに、+5のスペースだけはカードを何枚でも置くことが可能で
色のフォローの必要もない。



■ラウンドとゲームの終了

前述したように、全員が手札の買い付け人カードを全てボードに置いたら1ラウンド終了。

中間決算処理を行います。

その後、ボード上の買い付け人カードは全て回収してシャッフル。
また9枚ずつ配って次のラウンドに入ります。

お金はラウンドの最初に全員20アサラずつ支給されます。


4ラウンドでゲーム終了、最終決算を計算して最も勝利点を稼いだプレイヤーの勝ち。





Kramer, Wolfgang
Kiesling, Michael
プレイ記




もぎさん、流さん、海賊船さん、と俺の4人プレイ

最初の手札7枚。んー、偏っとる。




とりあえず、お金を仕入れとこう。
このゲーム、お金はかなりカツカツだからな。




仕入れたお金で塔パーツを買う。



選んだのは緑の塔。
金の装飾が付いてるのが出てたし割合安価なので仕入れやすいのだ。
序盤は、とにかく塔をたくさん建てるか金の装飾で勝利点を稼ぎたいところ。


最初に塔を建設したのは、流さん。茶色の一番安いやつだ。




俺も建てる。どどーんとww



ホントは土台も金の装飾付きにしたかったんだけど
先に買われてしまったので。。


第2ラウンド またしても手札が偏り気味。




値段の高い、白の塔を建てつつ数稼ぎで茶色も建設。高さ低いけど。。




第1ラウンドでまったく建設しなかった、もぎさんがここで一気に建設ラッシュ。



黒の塔が高いなーー。


海賊船さんは、低いけど5種類全部建設。




俺はというと、世界一高い塔を狙って緑の塔に全エネルギーを注ぎ込む。




もぎさん「うわ、それもう勝てないなー」

よっしゃ!


最終結果。




一番高い塔のボーナスは俺が取ったんだけど
白とか黒の得点の高い塔を制した海賊船さんの勝利。

2着は1ポイント差で、もぎさん。



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

ゲーム大賞にノミネートされたのを受けて、早速2人プレイしてみた。

1つ1つの要素を細かく見ていけば、どれもどこかで見たようなシステムばかりなのだが
組み合わせが新しいなぁと思った。

得点パターンはマンハッタンに似てるし、マストフォローなどというのはトリックテイクのようだ。
しかし、基本的にはお買い物ゲーム。サンクトペテルブルク倉庫の街なんかに通じるものがある。

この手の買い物ゲームは、ソロプレイ感が強くなる嫌いがあるのだが、アサラの場合は
若干ではあるが、邪魔プレイが可能なところが面白い。

自分の手札の状況や、相手のカードの出し方から相手のカードの状況を読んで
欲しそうな市場のフォローすべき色を、相手がもってなさそうな色にしてしまうことが可能。

また買い物そのものが、かなり面白くサンペテのような漫然とした買い物という感じはしない。

買い付け人のマストフォローというのが実に良く効いていて、計画性が求められるのだ。

なので、手番順がかなり大事。
スタートプレイヤーの権利をゲーム中で獲得する、というのもなかなか面白い。


プレイ感も決して重くなく、これならファミリー路線のゲーム大賞を受賞してもアリかなぁと思う。
ただ、初回プレイとは言え2人で60分かかったので3人、4人となるとプレイ時間がどうなのか
気になると言えば気になる。

個人的に一番残念なのは、塔が紙のタイルであること。
プラスチックでもいいから立体コンポーネントで作って欲しかった。

プレイアビリティも違っただろうし、なにより「塔」なんだから
やっぱり実際に高く積み上げたかったなぁ。マンハッタンとかパトリツィアみたいに。

4種類分けておかなきゃいけないのでタイルだとちょっと扱いが面倒な感がある。

そうかと思うと、衝立が立派な厚手の紙でできていたりして
でも衝立を使う意味をあまり感じないので、なんか力の入れどころが違うなと思う。
カード9枚くらい十分、手に持ってプレイできるし
そうでなくてもカード立てなんかがあれば事足りてしまう。

塔パーツやお金なんかも、オープンになっているところから持ってくるので
わざわざ手元に持ってきたとき隠す必要性をあまり感じない。
タイルなんだから、隠すのであれば伏せておけばいいと思う。
逆に塔パーツが立体コンポーネントであれば
それを隠すための衝立という存在意義も出てくると思うのだが。。


あと、ボードが無駄にでかい気がする。
インパクトのあるデザインを重視してこうなったのかも知れないけれど
少なくともウチのテーブルには、ちょっと大きすぎるボードのような気がした。

このゲームデザインならもう少しコンパクトに纏めるアイデアは、いくらでもあるように思う。


このめんどくささは、なんとなくであるがハチエンダのようでもある。

まぁ、ハチエンダほど面倒ではないが。。でも若干プレイアビリティが悪いことは否めない。


着想は非常に面白いんだけど、繰り返し遊ぶに耐え得る手軽さが無いような気がするんだよなぁ。

あ、でもゲーム自体のキレや収束性は、かなり良い。
よーするにゲームのデザインは良く出来てるんだけど
コンポーネントのデザインがイマイチといった印象かな。

もどかしいったらありゃしない。


■4人プレイ追記

これは、2人プレイとは比較にならないくらいカツカツだなぁ。
それもお金よりも、手番の数とカードのスペース。

言うまでもなく、4人プレイの方が面白い。

特に塔パーツ市場のカードスペースは、すぐに埋まってしまって
なかなか買いたいものが買えない。
マストフォローも相変わらず実によく効いてるし、そこかしこで
「あ、先に置かれたか・・」というセリフが連発。

まあ、買えなかったら買えなかったで致命的というのは無いので
カツカツなんだけど、それほど厳しさみたいなものは無い。

やっぱこれは4人用にデザインされてるなー、面白い。

コンポーネント類への評価は変わらんけど。。


JohnnyBet



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